アジア政治Ⅱ
担当者三輪 博樹教員紹介
単位・開講先選択  2単位 [政治学科]
科目ナンバリングPOL-316

授業の概要(ねらい)

 近年、インド洋、南シナ海、西太平洋などを含む「インド太平洋地域」が注目を集めるようになっています。この科目では、この「インド太平洋地域」の国際関係について、インドと南アジア地域を中心に説明します。
 授業ではまず、独立後のインドの外交政策について説明します。次に、南アジア8カ国のうちインドとアフガニスタンを除く6カ国について、各国の政治史、社会的・経済的な問題と政治との関わり、外交政策、インドとの関係などについて説明します。最後に、これらの授業内容をふまえて、インドと南アジア地域から見た「インド太平洋地域」の国際関係についてまとめたいと思います。
 各回(第1回を除く)の授業の終了後に小テスト(400字程度の記述式問題、LMSによって提出)を行います。小テストでは、授業で学んだ知識を確認するだけでなく、授業で学んだ事柄に対して自分なりにどう考えるのか、各自の考え方や意見などをまとめていただきます。この授業を通して、南アジア地域とインド太平洋地域の国際関係に対する理解を深めていただければと思います。

授業の到達目標

 以下の3つを到達目標とします。(1)南アジア各国の政治・社会・外交などについて、基本的な知識を習得する。(2)南アジア各国の社会的・経済的な問題、各国の国内政治と外交政策、南アジア地域やインド太平洋地域の国際関係について、これらがひとつに繋がったものとして全体的に理解する。(3)南アジア地域やインド太平洋地域の国際関係や安全保障をめぐるさまざまな問題に関して、自分なりの考えを提示できるようになる。

成績評価の方法および基準

 各回の小テストの合計点(40%)と、期末レポートの内容(60%)を合わせて評価します。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書 教科書は指定しません。各回の授業ごとに、講義内容をまとめたレジュメや関連資料などを配布します。
参考文献『現代南アジアの政治』堀本武功・三輪博樹 編放送大学教育振興会、2012年
参考文献『インド 第三の大国へ』堀本武功岩波書店、2015年

準備学修の内容

 初回の授業のときに、2回目以降の授業内容の詳細について説明し、各回の「予習・復習のポイント」をまとめた資料を別途お渡しします。各回の授業で使用するレジュメや資料は、授業の1週間前までにPDFファイルの形でLMSで公開しますので、初回にお渡しする「予習・復習のポイント」を参考にしながらレジュメや資料を読み、内容を理解するとともに、疑問点などを明らかにしておいてください。

その他履修上の注意事項

 「アジア政治I」と「アジア政治II」を続けて履修することをおすすめしますが、この科目だけを履修した場合でも内容が理解できるように配慮します。

授業内容

授業内容
第1回イントロダクション:インド太平洋地域の国際関係をどのように理解するか
第2回独立後のインドの外交政策:非同盟外交から全方位連携外交へ
第3回インド太平洋地域におけるインドの位置付け
第4回東南アジア地域と中東地域に対するインドの外交政策
第5回パキスタンの政治と社会:国家建設をめぐる諸問題
第6回パキスタンの外交と国際関係
第7回スリランカの政治と社会:民主主義と民族問題
第8回スリランカの外交と国際関係
第9回バングラデシュの政治と社会:軍事政権から民主化へ
第10回バングラデシュの外交と国際関係
第11回ネパールの政治と社会:王制から共和制へ
第12回ネパールの外交と国際関係
第13回ブータンの政治と社会
第14回モルディヴの政治と社会
第15回南アジア地域とインド太平洋地域の国際関係