演習Ⅰ
担当者江本 伸哉
単位・開講先必修  2単位 [国際経済学科]
科目ナンバリングSEM-301

授業の概要(ねらい)

❶われわれは日々、無意識のうちに「日本経済」の中で暮らしています。しかし、それがあまりにも日常的なために、日本経済のしくみについてじっくりと考える機会が少ないのではないかと思います。
❷そこで、このゼミでは18人のゼミ生を3人ずつ6つのグループに分け、グループワークを中心に日本経済の基本的な仕組みと課題を理解してもらうとともに、将来の進路、就活について考え、行動するヒントも身につけてもらいます。
❸教科書の『池上彰のやさしい経済学1 しくみがわかる』(日本経済新聞出版社)(全7章)のうち「はじめに」と「第1章」は江本がお手本としてオンラインでお話ししますから、残る第2章~第7章の6つについて、各章を1つのグループが担当し、2回に分けて発表したり・質問に答えたりしていきます。
❹2回のうち1回目の前半は、担当グループがパワーポイントを使って、その章の要点と疑問点、自分たちで調べて分かったこと(付加価値情報)をみんなの前で発表した後、他のグループが質問(Q)を出します。5分間の休憩の後、後半は私が補足、解説します。就活のヒントも時々お話しします。
❺2回のうち2回目の前半は、発表したグループが1週間かけてじっくり調べた答え(A)をパワポで報告します。これを受けて、さらに他のグループも含めて自由に質疑応答(Q&A)をします。5分間の休憩の後、後半は次週以降の発表・質問に備えて各グループが相談、調査、パワポ編集するグループワークに当てます。発表が終わったグループはLMS上に出される「ミニッツぺーパー(MP)課題」の復習問題を解いたり、私への質問、感想・意見、要望・授業改善提案などを書く作業をします。
❻「MP課題」については、私なりの回答を「MP通信」にまとめ、次の授業の時に配ります。LMSにもアップロードします。
❼池上さんは難しい経済・政治・国際・社会問題を分かりやすく解説する日本の第一人者で、日本経済についてもよくご存知です。この本をしっかり読みこなし、さらにこの本が出版された後の最新の日本経済の動きについて自分たちで調べて、ゼミでみんなの前で発表することで、日本経済の基礎や課題がひととおり身につきます。これは社会に出てから必ず必要になる知識であり、知らず知らずのうちに読解力、調査能力、プレゼンテーション能力が高まり、就活にも必ず役に立ちます。
❽2回目のゼミ生自己紹介に続いて、3回目にゼミ生同士、グループの仲間同士がお互いに打ち解けるため、西洋経済史の四谷英理子先生のゼミと合同で親善スポーツ大会を開きます。コロナ対策に注意しながら、バスケットボール、バレーボール、ドッジボールなど軽いスポーツで汗を流し、ゼミ対抗戦を楽しみましょう。好評であれば、秋期にも同様のスポーツ大会を開きます。

授業の到達目標

❶教科書2冊を1年かけてじっくり、深く読み通す根気を身につける。
❷日本経済についての基礎的な基礎や課題を理解し、他の人に説明できるようになる。
❸グループ内で責任を果たし、メンバーと協力して発表準備作業を進められるようになる
❹グループ内で教科書の要約(レジュメ)を作成し、その疑問点を自分で調べ、分かったこと、最新の情報をパワーポイントを操作しながら発表できるようになる。
❺自分なりの問題意識をもち、調べたこと、分かったことをレポートの形で論理的にまとられるようになる。
❻就活(将来の進路)についても実際的な知識をもち、意欲的に準備を進められるようになる。

成績評価の方法および基準

❶出席回数が3分の2(原則として10回、公欠は除外して計算)未満の場合は、D2(再試験不可)とし、(たとえ期末レポートを提出しても)単位を与えません。
❷発表内容(プレゼンテーション、パワポの創意工夫、特に付加価値)50点=グループ単位で評価します(グループ内でよく協力し、しっかり準備しているか)。
❸期末レポート50点=個人単位でレポートを評価します(グループは無関係)。
❹来年度ゼミ募集への協力などゼミへの協力姿勢、グループ内でのリーダーシップ、MPでの鋭い質問、感想・意見、要望・改善提案に対しては、❷、❸とは別に特別加算(5~20点)をします。
❺ ❶~❹を総合的に評価して成績をつけます。ただし、「S」は大学の指導(原則として全体の10%以下)により、1人か2人とします。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書池上彰のやさしい経済学1 しくみがわかる池上彰日本経済新聞出版社
参考文献日本経済入門藤井彰夫日本経済新聞出版社
参考文献一番わかりやすい日本経済入門塚崎公義河出書房新社
参考文献日本経済入門日経ビジネス日経BP社

準備学修の内容

❶ゼミが始まる前に必ず教科書を手に入れて、いちど読み通してください。分からないことがあっても構いません。ゼミで質問して下さい。ゼミで毎回提出してもらう「ミニッツペーパー(MP)課題」に書いてもらっても構いません。
❷日本経済は生き物です。コロナ前からコロナ後へ、「脱炭素」、国連「SDGs」、「ESG投資」の急速な普及など、目まぐるしく変化しています。リアルな動きをつかむために、『日本経済新聞』(紙の新聞でも、スマホやタブレット、PCで読める電子版でも構いません)を毎日読む習慣をつけることを強くお勧めします。図書館やキャリアサポートセンターでは無料で読めます。企業や役所への就活や就職後も、『日経』がいちばん役に立ちます。

その他履修上の注意事項

❶ゼミは経済学部生の中核になる存在で、毎回出席が原則です。出席が3分の2(公欠がない場合は10回)未満の場合は、単位を与えません。
❷公欠の場合は1か月以内に届けを出しましょう。届けを出さないと欠席扱いになってしまいます。
❸授業に無関係な私語やスマホ操作、食事は原則として禁止です。
❹ゼミ生の集中力を保つため、途中で5分間の休憩を取ります。休憩中は私語、スマホ操作、トイレ、ストレッチ体操など自由にどうぞ。
❺休憩時間にはゼミ生の皆さんのリクエスト曲や私の好きな曲など音楽を流します。リラックスしましょう。
❻第1回(4/13)と第4回(5/4=火曜日)はオンデマンド授業※です。それ以外の回は対面の予定ですが、コロナ次第でオンデマンドに切り替わる可能性があります。

授業内容

授業内容
第1回4月13日=オンデマンド授業※
ガイダンス
❶江本自己紹介❷ゼミの進め方、評価方法など説明❸グループ編成など
第2回4月20日 初顔合わせ
❶ゼミ生自己紹介(自分を表現する写真1葉以上、自分の出身地、趣味、将来の希望、当ゼミへの期待をパワポファイルにまとめて発表)
❷発表順決定(あみだクジかジャンケン)❸第3回(4月27日)のスポーツ大会について案内
❹教科書「はじめに」==江本がパワポでお手本発表
第3回4月27日 スポーツ大会(西洋経済史の四谷英理子ゼミと合同でゼミ対抗戦@蔦友館3階アリーナ)
=ほぼ確定。アリーナ予約が3月後半以降のため、仮予約。確定後、第1回、第2回で案内します
第4回5月4日=オンデマンド授業※
第1章「金は天下の回りもの――経済とは何だろう?」=江本がパワポでお手本発表
第5回5月11日 
教科書第2章「お金はなぜお金なのか――貨幣の誕生」
❶Aグループ発表❷他グループ質問提出❸休憩❹江本補足説明
第6回5月18日 教科書第2章「お金はなぜお金なのか――貨幣の誕生」
❶Aグループ回答発表❷グループ間ディスカッション❸休憩❹グループワーク(発表準備、MP対策)
第7回5月25日 教科書第3章「見えざる手」が経済を動かす――アダム・スミス」
❶Bグループ発表❷他グループ質問提出❸休憩❹江本補足説明
第8回6月1日 教科書第3章「見えざる手」が経済を動かす――アダム・スミス」
❶Bグループ回答発表❷グループ間ディスカッション❸休憩❹グループワーク(発表準備、MP対策)
第9回6月8日 教科書第4章「資本主義は失業を生み出す――マルクス」
❶Cグループ発表❷他グループ質問提出❸休憩❹江本補足説明
第10回6月15日 教科書第4章「資本主義は失業を生み出す――マルクス」
❶Cグループ回答発表❷グループ間ディスカッション❸休憩❹グループワーク(発表準備、MP対策)
第11回6月22日 教科書第5章「公共事業で景気回復――ケインズ」
❶Dグループ発表❷他グループ質問提出❸休憩❹江本補足説明
=期末レポート課題出題
第12回6月29日 教科書第5章「公共事業で景気回復――ケインズ」
❶Dグループ回答発表❷グループ間ディスカッション❸休憩❹グループワーク(発表準備、MP対策)
第13回7月6日 教科書第6章「『お金の量が問題だ』――フリードマン」
❶Eグループ発表❷他グループ質問提出❸休憩❹江本補足説明 
第14回7月13日 教科書第6章「『お金の量が問題だ』――フリードマン」
❶Eグループ回答発表❷グループ間ディスカッション❸休憩❹グループワーク(発表準備、MP対策)
第15回7月20日 教科書第7章「貿易が富を増やす――比較優位」
❶Fグループ発表❷他グループ質問提出❸休憩❹江本補足説明 
=期末レポート提出締切(LMS上で深夜23:59締切=遅れたら0点!)