演習Ⅱ
担当者小林 成弘教員紹介
単位・開講先必修  2単位 [国際経済学科]
科目ナンバリングSEM-302

授業の概要(ねらい)

 世界経済は2007年から2009年頃にかけて、アメリカのサブプライム・ローン問題をきっかけに「100年に一度」と言われる国際金融危機に見舞われました。バブルの崩壊は一時の景気後退にとどまらず、経済社会が長年に亘って築き上げ培ってきた様々な経済基盤や社会基盤を根底から覆し、時に戦争を引き起こす原因にもなりかねない極めて深刻な問題です。日本も平成バブルを経験しましたが、その後のバブル崩壊で日本の経済力を支えてきた製造業がリストラの嵐に巻き込まれ、「3つの過剰」(雇用、設備、債務)処理に追われて「選択と集中」の名のもと業務の縮小が進みました。その結果、日本の国際競争力は急速に失われて「失われた20年」といわれる暗く長いトンネルの闇に入り込んでいきました。
 そこで春期の「演習」では、講義と輪読発表・ディスカッションを織り交ぜながら、世界の歴史上これまで幾度となく世界各地で繰り返されてきたバブルの発生と崩壊、金融と経済危機の問題を振り返り、バブルの発生の歴史と教訓を学んでいきます。また秋期は、1980年代の金融自由化の流れのなか世界各地で頻発するようになった国際規模の金融危機や世界の金融再編問題、および景気判断(景気指標の見方)を取り上げる予定です。

授業の到達目標

 国際経済社会が経験した様々な金融恐慌事件を通してバブル発生の原因やメカニズムを探るとともに、特に1980年代以降急速に進んだ金融自由化が金融ビジネスの膨張と経済のマネーゲーム化や格差の拡大をもたらし、世界規模の金融危機を頻発させる要因になった経緯を理解します。

成績評価の方法および基準

 出席状況、授業への積極的取り組み姿勢、授業内発表の内容、期末レポートなどによる総合評価で採点します。
 なお、形式要件として、出席回数が2/3(10回)に満たない場合は単位を取得できません。 また、授業への参加姿勢をとりわけ重視しますので、ただ漫然と授業に出ているだけでも単位は取得できません。 授業中の積極的な発言、発表、質問等を期待します。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書 テキストは特に指定しませんが、参考図書、参考文献は授業の都度紹介します。

教科書
参考文献『予測の達人が教える 経済指標の読み方』        新家 義貴(日本経済新聞出版社)

準備学修の内容

 講義の際に紹介する参考文献等をできるだけ手に取って読んで理解を深めて下さい。

その他履修上の注意事項

 単に授業を聞くという受け身の姿勢ではなく、講義を通して自分の関心や疑問を掘り起こし、原典や関連文献または統計データに直接あたって調べたり確認してみるといった積極的な姿勢で取り組むことを期待します。

授業内容

授業内容
第1回 (LMS授業)ガイダンス & 講義①(足元の経済・金融動向)
第2回 輪読担当分け
第3回 講義②(金融自由化とバブル)
第4回 DVD(リーマンショック)
第5回 講義③
第6回 DVD(平成バブル)
第7回 輪読発表①
第8回 輪読発表②
第9回 輪読発表③
第10回 輪読発表④
第11回 輪読発表⑤
第12回 輪読発表⑥
第13回 輪読発表⑦
第14回 輪読発表⑧
第15回 まとめ