刑法特講Ⅰ
担当者久保田 隆教員紹介
単位・開講先選択  2単位 [法律学科 2018年度以降]
科目ナンバリングCRL-307

授業の概要(ねらい)

 本講義では、刑法総論・刑法各論の「2周め」として、重要な(裁)判例を題材に、1・2年次に学んだ内容の復習と応用を行います。春期の「刑法特講I」では、刑法総論の主要論点に関する(裁)判例を毎回2つずつ検討します。

授業の到達目標

①刑法総論に関する主要な論点について、(裁)判例の内容を踏まえながら説明できる。
②刑法総論に関する最新の論点について、問題の所在および議論状況を的確に説明できる。

成績評価の方法および基準

【対面授業の場合】学期末試験(95%)および授業への貢献度(5%)によって評価します(授業への貢献度については、出席状況や授業態度、担当教員からの質問への応答などをもとに判断します)。
【オンライン授業の場合】学期末レポート(70%)およびリアクションペーパー(30%)によって評価します。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書刑法総論判例50!十河太朗=豊田兼彦=松尾誠紀=森永真綱有斐閣
参考文献刑法判例百選I〔第8版〕佐伯仁志=橋爪隆〔編〕有斐閣
参考文献判例プラクティス刑法Ⅰ 総論〔第2版〕成瀬幸典=安田拓人〔編〕信山社
参考文献刑法ポケット判例集井田良=鈴木彰雄=髙橋直哉=只木誠=曲田統=安井哲章弘文堂
参考文献よくわかる刑法〔第3版〕井田良=佐藤拓磨〔編著〕ミネルヴァ書房
参考文献判例の読み方 シッシー&ワッシーと学ぶ青木人志有斐閣

準備学修の内容

 毎回、授業の最後に翌週の授業の内容を予告しますので、上記教科書の該当箇所(特に、事案の概要)を読んで予習してきてください。刑法総論について簡単に復習したいという人には、上記参考文献(『よくわかる刑法〔第3版〕』)の該当箇所を一読することをお勧めします。

その他履修上の注意事項

・「刑法総論I・II」をすでに履修済みであることを前提に授業を進めます。
・授業では、レジュメを配布します。
・六法を毎回必ず(!)持参してください(小型のもので構いません)。
・質問や相談は、授業後の休み時間に受け付けます(オンライン授業の場合は、リアクションペーパーに記載してください)。

授業内容

授業内容
第1回イントロダクション 授業の進め方|刑法総論の全体像
第2回因果関係 第三者の故意行為の介入|被害者の過失行為の介入
第3回不作為 不作為の因果関係|不作為による殺人
第4回故意 未必の故意|認識内容の具体性
第5回錯誤 具体的事実の錯誤(方法の錯誤)|抽象的事実の錯誤
第6回過失 予見可能性の対象・程度|予見可能性の対象としての因果関係
第7回正当防衛① 積極的加害意思と急迫性|自招侵害
第8回正当防衛② 防衛行為の相当性|過剰防衛の限界
第9回緊急避難 現在の危難と補充性|強要による緊急避難
第10回責任 原因において自由な行為|違法性の意識
第11回未遂犯 早すぎた結果の発生|中止行為の任意性
第12回正犯と共犯① 共謀共同正犯(1)|共謀共同正犯(2)
第13回正犯と共犯② 共犯関係の解消(1)|共犯関係の解消(2)
第14回正犯と共犯③ 承継的共犯|共犯と身分
第15回【対面授業の場合】春期のまとめと期末試験/【オンライン授業の場合】期末レポートの講評