刑法特講Ⅱ
担当者久保田 隆教員紹介
単位・開講先選択  2単位 [法律学科 2018年度以降]
科目ナンバリングCRL-308

授業の概要(ねらい)

 本講義では、刑法総論・刑法各論の「2周め」として、重要な(裁)判例を題材に、1・2年次に学んだ内容の復習と発展的学習を行います。秋期の「刑法特講Ⅱ」では、刑法各論の主要論点に関する(裁)判例を毎回2つずつ検討します。
 履修者の希望があれば、ディスカッションの時間を設けることも検討します。

授業の到達目標

①刑法各論に関する主要な論点について、(裁)判例の内容を踏まえながら説明できる。
②刑法各論に関する最新の論点について、問題の所在および議論状況を的確に説明できる。

成績評価の方法および基準

【対面授業の場合】学期末試験(95%)および授業への貢献度(5%)によって評価します(授業への貢献度については、出席状況や授業態度、担当教員からの質問への応答、ディスカッションへの参加状況などをもとに判断します)。
【オンライン授業の場合】学期末レポート(70%)およびリアクションペーパー(30%)によって評価します。
※2021年8月4日現在、本講義は9月24日(金)より対面で実施される予定です。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書刑法各論判例50!十河太朗=豊田兼彦=松尾誠紀=森永真綱有斐閣
参考文献刑法判例百選II〔第8版〕佐伯仁志=橋爪隆〔編〕有斐閣
参考文献刑法各論判例インデックス井田良=城下裕二〔編〕商事法務
参考文献判例プラクティス刑法II 各論成瀬幸典=安田拓人=島田聡一郎〔編〕信山社
参考文献よくわかる刑法〔第3版〕井田良=佐藤拓磨〔編著〕ミネルヴァ書房
参考文献判例の読み方 シッシー&ワッシーと学ぶ青木人志有斐閣

準備学修の内容

 毎回、授業の最後に翌週の授業の内容を予告しますので、上記教科書の該当箇所(特に、事案の概要)を読んで予習してきてください。刑法各論について簡単に復習したいという人には、上記参考文献(『よくわかる刑法〔第3版〕』)の該当箇所を一読することをお勧めします。

その他履修上の注意事項

・「刑法各論I・II」をすでに履修済みであることを前提に授業を進めます。
・授業では、レジュメを配布します。
・六法を毎回必ず(!)持参してください(小型のもので構いません)。
・質問や相談は、授業後の休み時間、または、授業後にLMSで受け付けます(オンライン授業の場合は、リアクションペーパーに記載してください)。

授業内容

授業内容
第1回イントロダクション 授業の進め方|刑法各論の全体像
第2回生命・身体に対する罪① 生命の保護(胎児傷害|自殺関与罪と殺人罪の限界)
第3回生命・身体に対する罪② 身体の保護(暴行によらない傷害|同時傷害の特例)
第4回自由・名誉に対する罪① 略取・誘拐罪(親権者による未成年者略取)|強制わいせつ罪(性的意図の要否)
第5回自由・名誉に対する罪② 住居侵入等罪(ビラ配布目的での集合住宅内への立入り|建造物侵入の意義)
第6回自由・名誉に対する罪③ 名誉毀損罪(公共の利害に関する事実の意義)|業務妨害罪(公務に対する業務妨害)
第7回財産に対する罪① 窃盗罪(窃盗か占有離脱物横領か|死者の占有)
第8回財産に対する罪② 強盗罪(暴行・脅迫後の領得意思|事後強盗罪における「窃盗の機会」)
第9回財産に対する罪③ 詐欺罪(暴力団員による通帳の詐取|誤振込みされた現金の払戻し)
第10回財産に対する罪④ 横領罪(不法原因給付物の横領)|背任罪(二重抵当)
第11回財産に対する罪⑤ 盗品関与罪(被害者に対する盗品の処分あっせん)|毀棄・隠匿罪(公衆便所への落書き)
第12回社会的法益に対する罪① 公共の安全に対する罪:放火の罪(建造物の現住性|建造物の一体性)
第13回社会的法益に対する罪② 公共の信用に対する罪:文書偽造の罪(コピーの文書性)|風俗に対する罪:わいせつの罪(電磁的記録の頒布)
第14回国家的法益に対する罪 国家の作用に対する罪:公務執行妨害罪(職務行為の適法性の判断基準)|賄賂の罪(「職務に関し」の意義)
第15回【対面授業の場合】秋期のまとめと期末試験/【オンライン授業の場合】期末レポートの講評