国際経済法Ⅰ
担当者喜多 康夫教員紹介
単位・開講先選択  2単位 [国際経済学科]
科目ナンバリングILA-301

授業の概要(ねらい)

 国際法一般に言えるかもしれませんが、国際経済法ほど日常の生活では感じにくいものでありながら、我々の生活の基盤になっているものはありません。日本は貿易国家であり、国際経済法という枠組みにおいてしか生きることのできない国です。春期においては、国際経済法において特に貿易を規律する世界貿易機関(WTO)を主として説明します。

授業の到達目標

 ①国際法の発展的な分野としての世界貿易機関のことを理解できる。
 ②リーガルマインドを成長させることができる。
 ③新聞などで報道されている現実の国際経済活動を理解できる。

成績評価の方法および基準

 成績評価については授業貢献(50%)とLMS試験(50%)に基づいて行います。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書経済産業省の『不公正貿易報告書(2020年版)』の第Ⅱ部と第Ⅲ部を用います。https://www.meti.go.jp/shingikai/sankoshin/tsusho_boeki/fukosei_boeki/report_2020/honbun.html
教科書 条約集については後日にお知らせします。また日本経済新聞の購読を強く勧めます
参考文献

準備学修の内容

 LMSでPowerPointのスライドや国際経済法に関する論文のpdfファイルを授業資料として配布します。また、経済産業省の『不公正貿易報告書(2020年版)』の第Ⅱ部も読むようにしてください。

その他履修上の注意事項

 【関連科目】国際経済法は、その内容の独自性に関してそれ自体ですでに独立した法分野になっているとは言えますが、それでも国際法秩序の全体系の一部として位置づけることはやはり重要です。そのため、国際経済法を履修する前に(または同時に)、「国際法Ⅰ(歴史・法源)」、「国際法Ⅱ(主体)」、「国際法Ⅲ(空間)」及び「国際法Ⅳ(秩序維持)」を履修してもらって、国際法秩序の全体像を理解することが望ましいと考えます。また、WTOは国際機構であることから「国際組織法Ⅰ/Ⅱ」はWTOを理解するのに役に立ちますし、国際経済活動も人権や安全保障に関わりますので「国際人権法」「国際安全保障法」も履修が望ましいです。さらに、WTOの紛争解決機関は、「国際裁判所論Ⅰ/Ⅱ」にも当然関連があります。
 【学生へのメッセージ】学生のみなさんには好奇心をもって参加してほしいと思います。また第1回目のオリエンテーションで、授業のスケジュールと単位の取得方法などを説明します。
 質問のある学生さんは、yaskita@main.teikyo-u.ac.jpにまでメールを送ってください。なお、その場合は表題に「・・・の件」とした上で、氏名及び学籍番号と用件の内容をメール本文に記して送ってください。

授業内容

授業内容
第1回オリエンテーション
第2回01. 国際経済法の概念
第3回02. WTO協定の概要
第4回03. 最恵国待遇と内国民待遇
第5回04. 数量制限の一般的禁止と関税
第6回05. セーフガード
第7回06. アンチ・ダンピング措置
07. 補助金相殺措置
第8回08. 貿易関連投資措置・原産地規則・基準認証制度
09. 政府調達
第9回10. サービス貿易
第10回11. 知的財産の国際的保護
第11回12. 非貿易的関心事項
第12回13. WTOの紛争解決手続
第13回14. 地域統合と日本のFTA戦略
第14回15. 貿易政策措置の監視
第15回オンライン授業としてのまとめと復習テストの実施