消費者法
担当者足立 祐一教員紹介
単位・開講先選択必修  2単位 [法律学科 2018年度以降]
科目ナンバリングCIL-318

授業の概要(ねらい)

 本講義では消費者法の基本的な部分について学修します。わが国では、包括的な「消費者法典」とよばれるものはなく、複数の法律や法理論から「消費者法」が成り立っています。それらがそれぞれどんな役割を果たすことが考えられているのかを学んでいきます。私たちは日常生活を、多くの場合、消費者として過ごしています(もっとも、そもそも「消費者」とは何か、を厳密に定義することも難しいのです)。実際に問題が生じた場合、どのような手段が用意されているのか(また、その必要性、根拠がどのように説明されているのか)、どのような規定が今後さらに付け加えられていく必要があるといわれているのか(問題点がどこにあるのか)、イメージできる手助けになればよいと思います。

授業の到達目標

①消費者法分野の基礎的な知識を修得し、それぞれの法理や制度、規定、の内容や考え方を理解すること。
②修得した知識を、具体的な問題に即して活用できるようにすること。

成績評価の方法および基準

 原則として、学期末に実施する試験によって評価します(100%)が、消費者問題についての加点レポート課題を実施します(15%相当程度)。
(知識の習得、自身の言葉で説明できているか、をそれぞれ確認します)

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書小型の六法を必ず授業時に持参すること。
教科書『基本講義 消費者法 [第4版]』中田 邦博・鹿野 菜穂子 編 (日本評論社、2020年)
参考文献『消費者法判例インデックス』松本 恒雄・後藤 巻則 編(商事法務、2017年)
参考文献『消費者法判例百選〔第2版〕』河上 正二・沖野 眞已 編(有斐閣、2020年)

準備学修の内容

・身近な問題でも、制度や理論として学ぶと難しく感じられることもあります。毎回の授業の前に教科書の該当箇所を事前に読んで、不明な用語、自分がこれまで持っていたイメージとは違った点などについてメモをしておきましょう。次回授業の準備として、消費者法に関連する民法の知識の復習等をする自習課題を出す場合がありますので、その場合は自分の答えをノートにまとめておき、見直しながら授業を受けるようにしましょう。
・授業後は、配布物、教科書、ノートを見直して、不明点がないか確認しましょう。特に重要だと思われる用語、問題点については自分の言葉で数行にまとめておきましょう。相互に関連するところもあり、学んだ内容のつながりが分かるように整理をしておかないと、混乱して収拾がつかなくなってしまうので、定期的に授業で学んだことをきちんと復習しておきましょう。知識の定着にも有用です。
・試験には自分で問題の答えを説明できるかが関わってきますので、学んだことを文章にして説明できるか、考えることが大切です。

その他履修上の注意事項

・授業の際には、忘れずに小型の六法を持参すること。
・自分が学んでいるものが、どのような制度なのか、どのような考え方によるものなのか、頭の中で常に確認しながら学修してください。
・民法の知識が必要となることがありますので、民法総論や契約総論で学修した内容を適宜参照してください。
・授業中の私語など、他の受講生の迷惑になる行為は禁止です。

授業内容

授業内容
第1回ガイダンス
第2回消費者法とは何か
第3回消費者と民事法
第4回消費者と行政法、刑法、消費者契約法総論
第5回消費者契約法1:契約締結過程規制(1)(誤認)
第6回消費者契約法2:契約締結過程規制(2)(困惑、過量な内容の契約の取消し、取消しの効果)
第7回消費者契約法3:不当条項規制(1)(個別条項規制)
第8回消費者契約法4:不当条項規制(2)(消費者契約法10条)
第9回特商法1:総論、クーリング・オフ
第10回特商法2:通信販売・インターネット取引
第11回特商法3:マルチ商法・連鎖取引販売、特定継続的役務提供
第12回広告・表示
第13回割賦販売法 (第13回分はオンラインの予定)
第14回貸金規制、消費者契約法・特商法についての補足
第15回まとめと試験
※上記授業計画は、状況に応じて変更することがあります