心理データ応用解析法
担当者堀田 結孝教員紹介
単位・開講先選択  2単位 [心理学科 2018年度以降]
科目ナンバリングSTS-301

授業の概要(ねらい)

 この授業ではフリーの統計ソフトウェアR及びRStudioを使いながら,応用的な統計解析手法を身につける。
 統計学の基礎の復習をしつつ,t検定,分散分析,回帰分析などこれまで心理統計で学んできた分析手法を「統計モデル」という1つの枠組みで理解し,より複雑なデータを分析するための手法を身につけることを目指す。
 研究演習や卒業論文のデータ解析に役立つ技術を身につけることを目標とする。

授業の到達目標

• これまで学んできた統計手法の背後に共通して存在する理論を理解することが出来る。
• 従来の統計的解析が抱える問題点を意識し,それに対して適切に対処することができる。
• 様々なタイプのデータに対して,自分の研究目的に合った解析をすることができる。

成績評価の方法および基準

 定期的に復習のための課題を出す。更に,期末試験を行う。期末試験を70%,課題の遂行状況を30%として,総合的に評価する。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書
参考文献伝えるための心理統計大久保街亜・岡田謙介勁草書房
参考文献Rで学ぶ統計学入門嶋田正和・阿部真人東京化学同人
参考文献Rで楽しむ統計奥村晴彦共立出版

準備学修の内容

 心理データ応用解析法向けに作成した,以下のWebページ上のテキストを用いて学んでいく。
 https://yutakahorita.github.io

 定期的に復習課題を出す。次回の週までに課題を終えておくこと。
 実習で用いたRプログラムを自分でも実行し,出力結果を再確認する。
 心理統計学で学んだ内容を理解していることが望ましい。少なくとも,t検定や相関など基本的な解析についてはきちんと理解していることが望ましい。

その他履修上の注意事項

 R及びRstudioを使って演習を行う。自分用のPCにもインストールして,予習・復習できる環境を整えておく。R及びRStudioは無料でダウンロード可能である。テキストの第2章でも,インストールの手順を示している。授業初回でRの使い方について簡単に説明する。
 基礎統計学を理解していることを前提に授業をすすめる。

授業内容

授業内容
第1回ガイダンス,Rの使い方(インストールのしかたなど)
第2回統計学の基礎の復習(尺度,代表値や散布度,相関など)
第3回データ・ハンドリングとグラフ作成
第4回確率分布(正規分布,二項分布,中心極限定理)
第5回統計的仮説検定(p値の復習)
第6回線形モデル1(回帰分析)
第7回線形モデル2(回帰分析の注意点:ダミー変数,交互作用)
第8回線形モデル3(回帰分析の注意点:多重共線性,モデルの予測力)
第9回一般化線形モデル1(ロジスティック回帰)
第10回一般化線形モデル2(ポアソン回帰)
第11回一般化線形モデル3(その他の統計モデル)
第12回マルチレベルモデル(個人差や集団差を扱うデータの解析)
第13回ベイズ統計(ベイズの定理)
第14回まとめ
第15回期末試験(オンライン)