生徒指導・進路指導論
担当者蒲地 啓子教員紹介
単位・開講先選択  2単位 [初等教育学科 初等教育コース]
科目ナンバリングESS-303

授業の概要(ねらい)

 生徒指導・進路指導のねらいは、一人一人の児童生徒の個性の伸長を図りながら、同時に社会的な資質や能力を育成し、将来的に、社会的な自己実現を図ることができるようにすることにある。生徒指導は、児童生徒間の望ましい人間関係を形成するとともに、「自分の大切さとともに他の人の大切さを認めることができる」人権教育と基盤を一にしており、授業をはじめとするすべての教育活動の中で推進されるものである。
 これらの基本的考え方をもとに、集団への指導、個別指導、日常的な児童生徒への向き合い方や指導の理論、生徒指導をめぐる今日的課題への組織的対応や未然防止の方法、一人一人が大切にされ主体的に取り組む授業づくり、開発的な教育相談としてのガイダンスアプローチの手法等について、演習やロールプレイ、グループワークによるディスカッション等を通じて体験的に学ぶ。

授業の到達目標

(1)生徒指導・進路指導の原理や意味について理解し、教育課程上の位置づけが分かる
(2)集団指導、個別指導等の方法の原理を理解し、児童との日常的な向き合い方や指導の方法の基本等を身に付けている
(4)教育相談の基礎的な技法を身に付けるとともに、未然防止のための開発的教育相談の意味や方法を理解している
(3)暴力行為・いじめ・不登校等の生徒指導上の今日的課題の定義及び対応の視点、未然防止のための取り組み等について理解している

成績評価の方法および基準

①授業への出席及び取り組みの態度      25%
②演習への取り組み状況           25%
③試験及びレポート             50%

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書 「生徒指導提要」
 文部科学省 文部科学省HPからダウンロード
教科書 「小学校キャリア教育の手引き」 文部科学省
 文部科学省HPからダウンロード
参考文献 「子どもの社会的スキル横浜プログラム」 横浜市教育委員会 横浜市教育委員会HPからダウンロード

準備学修の内容

 小学校キャリア教育の手引き、生徒指導提要を読み、内容を把握しておくこと
 グループで演習を行うため、だれとでも親和的に接し、積極的かつ創造的な議論を行うことができる姿勢で授業に臨むこと

その他履修上の注意事項

【重要】履修登録の際には、必ずメールアドレスを登録すること

授業内容

授業内容
第1回オリエンテーション
 自分がもっている生徒指導・進路指導のイメージと、本来の生徒指導・進路指導のねらいや意義について比べ、これからの授業への展望をもつ
 キャリア教育において育てる力とは何かを知る
第2回 キャリア教育における学校の組織体制と教育課程への位置づけについて学ぶ
 グループで自らの小中学校生活を想起し、ディスカッションを通して様々な教育活動のキャリア教育としての位置づけに気づく。
第3回 キャリア教育における全体指導と個別指導・キャリアカウンセリングについて学ぶ
 職業体験を基盤とするカリキュラムマネジメントについて考える
 キャリアパスポートの取り組みについて調べ、レポートにまとめる(LMSで実施する)
第4回 人権教育を基盤とした授業づくりと児童生徒指導の関係について理解し、各教科領域の授業における児童生徒指導とは何かを議論する。
 児童理解のための資料収集の方法について知るとともに、資料収集としてのアンケートを体験する
第5回 発達障害の特性や指導法、合理的配慮、二次体障害について理解する。
 問題行動を起こす児童の事例への対応方法をグループで考える。
 ユニバーサルデザインの教室環境・ユニバーサルデザインの授業づくりについて調べ、レポートにまとめる
第6回 教育相談の基本技法をロールプレイングを通して学ぶ。
 教育相談は、学校の様々な場面で行われていることを理解する。
第7回 開発的な教育相談の意味と方法を学ぶ。
 グループで「子どもの社会的スキル横浜プログラム」を使って、模擬授業を行う準備をする
第8回 開発的な教育相談としての「子どもの社会的スキル横浜プログラム」の模擬授業を、グループごとに行い、その意味を協議する
第9回 児童生徒指導の校内体制と年間指導計画について学ぶ
 スクールカウンセラー・スクールソーシャルワーカーの役割や連携の仕方について知る
 関係機関の種類及びその役割を知り、連携の在り方について考える 
第10回 問題行動(暴力行為)の意味と対応方法の原理について、事例演習をもとに考える
 また、その未然防止策について議論する
第11回 問題行動(いじめ)の意味と対応方法について、事例演習をもとに考える
 また、その未然防止の方策について議論する 
第12回 問題行動(不登校)の意味と対応方法の原理について、事例演習をもとに考える
 また、その未然防止の方策について議論する
第13回 問題行動(自傷行為、SNS、家出、性的逸脱、依存等)や児童を取り巻く様々な今日的課題(児童 虐待、貧困等)の現状を知り、その早期発見や対応方法について事例演習を通して学ぶ
第14回 授業で議論してきた問題行動の未然防止のための方法についてまとめる
 授業内試験
第15回 居心地の良い学級づくりの方法について議論し、生徒指導の基本をまとめる