論理学Ⅱ
担当者宇多 浩教員紹介
単位・開講先選択  2単位 [総合基礎科目]
科目ナンバリングPHE-106

授業の概要(ねらい)

 論理学Ⅱでは、テキストの第Ⅱ部(論理を扱う記号言語を作り出す)の内容を学んでいきます。
 第Ⅰ部はおもに日常の言葉に即しながら、重要な推論の形式を学んできました。第Ⅱ部ではこれまで学んできた内容を記号を用いて考察していきます。まずは、さまざまな命題をP,Q,∧,∨ などの記号を用いて記号化する練習をします(命題を記号化したものを論理式と呼びます)。次に、そのようにしてできた論理式を用いて、真理表を作ったり、さまざまな推論の妥当性を考察したりします。
 記号を使用すると日常言語から離れてしまい、記号の苦手な人には難しく感じるかもしれません。しかし、記号を用いることで(個々の命題の内容にとらわれることなく)演繹の形式的な側面をより明確に捉えることができます。記号を使ったさまざまな推論や論理法則をマスターすることを通して、論理学の楽しさを感じて頂ければと思います。

 *この授業は「論理学Ⅰ」の続きの授業です。「論理学Ⅰ」で学んだ内容を前提としていますので、この授業から受講することはできません。

授業の到達目標

・さまざまな命題を論理記号(P,Q,∧,∨など)を用いて表すことができる。
・さまざまな論理式をつくったり、解釈したりすることができる。
・否定・連言・選言などがもつ論理学的な意味を、真理表を使って理解できる。
・さまざまな論理式の真理表を作成することができる。(真理表を自由に作れるようになる!)
・∀,∃などの量化子を含む論理式を作ったり、解釈することができる。

成績評価の方法および基準

平常点(約60%)、中間テスト(約20%)、期末テスト(約20%)を基準として、総合的に評価する予定です。

 *欠席が5回を超えた場合には原則として失格となり、試験の受験資格はありません(試験を受験しても不可(D)となる)

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書『まったくゼロからの論理学』 野矢 茂樹岩波書店
参考文献特になし

準備学修の内容

 論理学の知識を身につけるためには、実際に多くの練習問題を解いていくことが最も早道です。ですので、この授業ではほぼ毎回、練習問題を課す予定です。次の週までにそれを行ってくる必要があります。

その他履修上の注意事項

・今期は、初回の授業をオンライン形式にて実施する予定です。

授業内容

授業内容
第1回講義の概要(オンライン形式で実施する予定)
前期の期末テストの確認
第2回16章 論理学とはどのような学問か
(課題)演繹を形式化し、論理定項を取り出す
第3回17章 否定の意味  
18章 連言と選言の意味
(課題)否定、連言、選言の意味を真理表によって確かめる
第4回19章 論理式  
(課題)命題を論理式に書き換える 
20章 命題論理の論理法則 (1) 否定・連言・選言
(課題)矛盾律・排中律を真理表を使って確かめる
第5回20章 命題論理の論理法則 (1)  ド・モルガンの法則
(課題)ド・モルガンの法則の正しさを真理表を使って確かめる
21章 条件法の意味
(課題)条件法の意味を真理表を使って確かめる
第6回22章 命題論理の論理法則 (2) 条件法を加えて
(課題)前件肯定式と後件否定式の恒真性を真理表を使って確かめる
23章 いま私たちは何をしているのか
(課題)演繹と恒真式(論理法則)とが置換可能であることを確かめる
第7回24章 いろいろな論理式の真理表を作ってみよう
(課題)いろいろな論理式の真理表を作ってみる
第8回練習問題 追加の練習問題をやってみよう
(課題)真理表を作る練習をさらにやってみる
第9回授業のまとめと中間テスト
第10回25章 「すべて」と「ある」を論理定項に加える
(課題)全称命題と存在命題を∀,∃などの量化子を使って表してみる
第11回26章 述語論理の論理式  
27章 述語論理のド・モルガンの法則
(課題)述語論理の論理式を解釈してみる
第12回28章 2つの述語からなる論理式(すべての哲学者は怠け者だ、ある哲学者は怠け者だ)
(課題)2つの述語からなる論理式を作ったり、解釈してみる
29章 妥当式
(課題)妥当式にはどのようなものがあるか、を理解する。
第13回30章 多重量化 
(課題)多重量化した論理式を解釈してみる
第14回31章 公理系
(課題)公理系の健全性・完全性とはどのようなことを指すのか、を理解する。
第15回まとめと期末テスト