財政学Ⅱ
担当者髙井  正教員紹介
単位・開講先選択  2単位 [観光経営学科]
科目ナンバリングPFP-202

授業の概要(ねらい)

市民革命後に誕生した市場社会には、市場経済と公共経済(財政)という2つの経済が存在する。このうちの財政は、中央政府や地方政府(都道府県・市町村)が民主主義に基づいて営む「公の経済」であり、租税を主たる収入源として、警察・消防・教育などの公共サービスの提供や、道路・公園・上下水道などの公共インフラの整備が行われている。現在の日本の財政規模(歳出総額)は対GDP比で4割弱(アメリカでは約35%、フランスでは約55%)を占めている状況にある。
財政学は、このような中央政府や地方政府の財政を研究対象とする学問であり、予算論・租税論・公債論・公共支出論・地方財政論・社会保障論・公企業論などで構成されている。
この講座は、このように現代の市場社会の中で重要な役割を担っている「財政」(公の経済)について、「入門編」として考察する後期の講義である。
この講座は、経済学部の2年次に配当されている科目であることから、経済学の重要な科目の一つである財政学の「入門編」として講義を行う(財政学の「本編」の講義は3年次の科目として配当されている「財政政策論Ⅰ・Ⅱ」で行う)。

授業の到達目標

・学生が、板書の筆記を通じて、実社会で必要となる「メモ取り能力」を修得する。
・学生が、財政の「使途」を説明できる。
・学生が、財政の「借金」を説明できる。
・学生が、国と自治体の「財政関係」を説明できる。
・学生が、現代社会が抱える「財政問題」を説明できる。

成績評価の方法および基準

・期末試験の成績(100%)で評価する。
・期末試験は、「テキスト・ノートの持込み可」とする。
・期末試験は、「テキスト・ノートの内容」から出題する。
※ 出席率が2/3未満の学生は、元々「期末試験の受験資格はない」ので仮に受験したとしても「不合格」とする。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書『財政のしくみがわかる本』、2007年神野直彦岩波書店
参考文献

準備学修の内容

毎回の授業で指定する「次回のテキスト範囲」の部分を読み、事前に、不明点・専門用語の意味等を必ず理解しておくこと。

その他履修上の注意事項

・春学期の講座である「財政学Ⅰ」との連続履修が望ましい。
・私語をしている場合は、退席を求める場合もある。

授業内容

授業内容
第1回ガイダンスー前期の総括と後期の概要
第2回予算の使途①ー使途の概要
第3回予算の使途②ー使途の分類
第4回予算の使途③ーニーズとウォンツ
第5回政府の借金①ー経済学者たちの公債への考え方
第6回政府の借金②ー公債の功罪
第7回政府の借金③ー地方自治体の借金
第8回国と自治体の関係①ー補完性の原理
第9回国と自治体の関係②ー日本の現状
第10回国と自治体の関係③ー財政投融資
第11回今日の財政課題①ー経済的危機と財政の関係
第12回今日の財政課題②ー格差社会
第13回財政の未来像
第14回後期の総括と期末試験の説明【オンライン授業】
第15回まとめと試験