日本の中小企業Ⅰ
担当者德増 秀博
単位・開講先選択  2単位 [国際経済学科]
科目ナンバリングECP-207

授業の概要(ねらい)

 中小企業とは何か、現代経済における中小企業の役割と発展経緯、さらには中小企業政策などに焦点をあてながら、グローバル経済における中小企業の変化を論じます。また、大企業と中小企業の関係や技術革新の取組など、さまざまな工業社会について学び、幅広く現代経済の理解を深めることを目標とします。具体的には、企業行動、工場立地、雇用の場、マーケティングなどのトピックを通じて、中小企業政策や産業立地論、市場経済などの領域に関する意義と諸課題などについて学びます。
 また、外部講師として中小企業の経営者や国の支援機関の役員を招聘して、中小企業の現状と課題について実践的な話をいただきます。

授業の到達目標

 ・中小企業とは何か、日本の中小企業の現状と発展経緯を修得します。
 ・中小企業政策の変遷と役割について、修得します。
 ・大企業と中小企業の関係、さらには起業化について修得します。
 ・地域産業集積に伴う都市の発展について修得できます。

成績評価の方法および基準

 2回の課題レポート(40%)の提出と期末試験(60%)で評価いたします。また、毎授業の復習小テストの結果も評価を補完します。
 評価内容については、下記の通りです。
 ①レポート評価-到達目標から課題を出題しますので、出題項目の理解、関連文献内容、自己の意見と結論を求めます。
 ②試験の評価-試験項目は授業内容から出題しますので、授業内容の理解、到達目標に対する評価をします。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書『21世紀中小企業論』第3版 多様性と可能性を探る渡辺幸男・小川正博・黒瀬直宏・向山雅夫[著]有斐閣
教科書プリントの配布
参考文献『中小企業・ベンチャー企業論』植田浩史・桑原武志・本多哲夫・義永忠一・関 智宏・田中幹大・林 幸治[著]有斐閣
参考文献『日本産業と中小企業』加藤秀雄[著]新評論

準備学修の内容

日本の中小企業について、会社の形態(資本金、従業員等を含む)、事業内容を調査レポートにまとめてください。また、大企業と中小企業に違い(従業員、給与、仕事内容等)について、「中小企業白書」等を読み理解をしておいて下さい。その他、新聞やインターネットなどの社会、経済的話題などに関する資料を問題意識を持って読んでいただきたい。さらに参考書の中小企業に関する書物など事前に読み準備しておいてください。

その他履修上の注意事項

2回の課題レポート及び復習小テストは、必ず提出すること。成績評価に大きく影響します。

授業内容

授業内容
第1回授業の進め方(ガイダンス)とレポートの書き方
第2回多様な中小企業の存在と事業(中小企業とは何か、多様な存在と、存立の場の多様性多様な中小企業の存在)
第3回中小企業で働くこと-働く人の類型と働く場の特徴
第4回企業の創業と進化 -創業方法とビジネスシステムの構築のポイント
第5回中小企業の問題と発展の推移 -欧米の産業革命と戦後復興期の中小企業
 (第1回中間レポート課題の出題)
第6回中小企業の問題と発展の推移 -戦後の中小企業問題と政策的手段
第7回中小企業の問題と発展の推移 -高度経済期の中小企業と低成長時代
第8回中小企業の問題と発展の推移 -寡占化と経営資源問題 
第9回中小企業の問題と発展の推移 -日本型下請システムで自立した企業
第10回日本のものづくりと企業動向 
 (第2回中間レポート課題の出題)
第11回中小ものづくりをめぐる諸議論と中小製造業の経営
第12回中小ものづくりをめぐる諸議論(下請取引と系列関係)
第13回戦後日本の中小企業政策の変遷
第14回中心市街地問題と中小企業経営の特質
第15回日本の中小企業について全体を通してのまとめ 「期末試験」出題