日本史特殊講義3A-Ⅱ
担当者深谷 幸治教員紹介
単位・開講先選択必修  2単位 [史学科]
科目ナンバリングJPH-206

授業の概要(ねらい)

 この後期の日本史特殊講義3A-Ⅱも、前期のそれと同様に中世史の出来事を主体とし、必要であればそれ以外の時代にも言及しながら、さまざまなテーマを取り上げて講義を行い、また説明を加えていくものである。受講する学生諸君の専攻希望分野や興味は多種多様であろうから、一つの事象につき継続して講義するという形態を取らず、時間ごとにいろいろな事象を取り上げるようにしたい。おおまかなテーマで何回分かの講義をまとめる場合もある。
 また歴史的なものに関するテーマを語っていくだけではなく、歴史学の周縁学とも言える地理・民俗・宗教・文学・芸術など、取り扱う内容も拡げていく。それらの講義を聴講し記録することにより、学生諸君には歴史学を中心としたさまざまな知識・知見を獲得していってもらいたい。
 

授業の到達目標

 受講学生諸君のさまざまな知見獲得に向かった要請に応じることにより、学生の学修意欲を向上させる。またそれらの知識・知見等を、学生諸君が自らのものとしていくことにより、同時受講している史籍講読や演習などへの授業対応への支援と成し、将来的にはレポートや卒業論文作成などに資する基礎的な部分を形成していくことを可能とする。

成績評価の方法および基準

 出席は成績評価の前提となる必要条件である。それを満たした上で、授業中の受講態度や、後期最後の時間に実施する試験の解答内容を勘案して、成績を評価する。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書 特定のテキストは使用しない。地図や系図など、説明に必要な情報を掲載したプリントを担当教員が毎回作成し配布する。
参考文献

準備学修の内容

 受講を希望する学生は、日本中世史だけでなく、それ以外の時代やあるいは地理・民俗など、歴史学的なもの以外の学問分野にも興味を持ち、それらに関する各種書籍や論文等を多読しておくことが望ましい。

その他履修上の注意事項

 日本中世史のテーマが主となるが、それ以外の分野にも言及するので、多様な興味を持った学生諸君の参集を期待したい。
 なお下の授業内容はあくまで予定であり、状況によっては順序などが変更されることもあるので、承知しておいてもらいたい。

授業内容

授業内容
第1回 後期授業の方針や目的についての説明。基本的なは上に書いた通りなので、この時間から講義を開始する。後期初回は武将の肖像画について。
第2回 傭兵について。日本における傭兵とはどのような立場であり、いつ頃から出現するのか。
第3回 警察について。古代朝廷による律令制的な警察、また武家政権下の警察のありよう。
第4回 人身売買について。中世、また近世の人身売買の具体例を見る。また近代以降はどうであったか。
第5回 狼について、その1回目。日本史の中における狼という動物の意味。
第6回 狼について、その2回目。過去の人々の生活の中の、あるいは伝説や宗教の中の狼。
第7回 秀吉の朝鮮侵略戦争。どのような時代背景があるのか、また影響はどうであったか。
第8回 関ヶ原の戦い。なぜ関ヶ原なのか、その勝敗が江戸時代という時代の形をどう決めてしまったか。
第9回 御家騒動。江戸時代における大名家の御家騒動とは何を原因とするか。どう展開したのか。
第10回 中世仏教について、その1回目。古代以来の仏教は中世にどう変容したか。
第11回 中世仏教について、その2回目。鎌倉新仏教はなぜ発生したのか、それらはどのような特色を持つのか。
第12回 青海波について。青海波とは何か、それは歴史的にどのような意義を持つのか。
第13回 織田政権。その特徴、中世的なのか近世的なのか。
第14回 近世化。上の織田政権とも関係するが、中世の何がどう変われば近世になるのか。
第15回 全体のまとめと総括、試験。