日本史特殊講義3A-Ⅰ
担当者深谷 幸治教員紹介
単位・開講先選択必修  2単位 [史学科]
科目ナンバリングJPH-205

授業の概要(ねらい)

 この日本史特殊講義3A-Ⅰの授業は、担当教員の専門である中世史を主体とし、必要であればそれ以外の時代にも適宜言及しつつ、さまざまなテーマを取り上げて講義を行い、また説明を加えていくものである。受講する学生諸君の専攻希望分野や興味は多種多様であろうから、一つの事象につき継続して話すという形態ではなく、時間ごとにいろいろな事象を取り上げるようにしたい。おおまかなテーマで何回分かの講義をまとめる場合もある。
 また歴史的なものに関するテーマを語っていくだけではなく、歴史学の周縁学とも言える地理・民俗・宗教・文学・芸術など、取り扱う内容も広げていく。それらの講義を聴講し記録することにより、学生諸君には歴史学を中心としたさまざまな知識・知見を獲得していってもらいたい。

授業の到達目標

 受講学生諸君のさまざまな知見獲得に向かった要請に対応することにより、学生の学習意欲を向上させる。またそれらの知識・知見等を、学生諸君が自らのものとしていくことにより、同時受講している史籍講読や演習などへの授業対応への支援と成し、将来的にはレポートや卒業論文作成などに資する基礎的な部分を形成していくことを可能とする。

成績評価の方法および基準

 出席は成績評価の前提となる必要条件である。それを満たした上で、授業中の受講態度や、前期最後の時間に実施する試験の解答内容などを勘案して、成績を評価する。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書特定のテキストは使用しない。地図や系図など、説明に必要な情報を掲載したプリントを担当教員が毎回作成し配布する。
参考文献

準備学修の内容

 受講を希望する学生は、日本中世史だけでなく、それ以外の時代やあるいは地理・民俗など、歴史学的なもの以外の学問分野にも興味を持ち、それらに関する各種書籍や論文等を多読しておくことが望ましい。

その他履修上の注意事項

 日本中世史のテーマが主となるが、それ以外の分野にも言及するので、多様な興味を持った学生諸君の参集を期待したい。
 なお下の授業内容はあくまで予定であり、状況によっては順序などが変更されることもあるので、承知しておいてもらいたい。

授業内容

授業内容
第1回 授業の方針や目的などについての説明。基本的には上に書いた通りなので、この時間から講義を開始する。初回は源氏という武士集団について。
第2回 源氏について、その2回目。その存在はどのような歴史的意義を持ち、何故に消滅していったのか。
第3回 関東武士団。なぜ平安時代から関東に武士団が増加し、それが鎌倉政権を創り出すに至ったのか。
第4回 源平合戦。上の回で扱った源氏、また関東武士団が平安末期の政治変革にどう対応したか。また源平合戦は同時に源源合戦でもあったことの説明。
第5回 鎌倉について。都市鎌倉の構成、その政権根拠地としての性格。
第6回 花押について。花押とはどのような意義があるのか、またどのようなデザイン性があるか。
第7回 穢れについて。日本人が持つ穢れの概念とは、どこに起源を持ち、どのように展開していったのか。
第8回 怪異について。歴的な記録や伝説上に登場する怪異のありよう。
第9回 中世の災害。地震・火山噴火などの大規模自然災害を、中世の人々はいかに克服したか。
第10回 中世の生活。中世人はいかに普通の生活を送ったのか、あるいは普通でない生活を送ったのか。
第11回 中世の生活、その2回目。簡単には語り切れない中世人の生活実相を、記録から明らかにしていく。
第12回 動物と人間。日本列島に住む過去の人々は、家畜やペット、もしくは自然界の動物とどう付き合ってきたか。架空の動物も存在する。
第13回 キリシタンについて。キリスト教の戦国時代以降における伝来の影響、その日本的なものとの対立。
第14回 祇園祭について。暑い時期に祇園祭が行われるのはなぜなのか。誰が主催するのか。
第15回 全体のまとめと総括、試験。