日本史特殊講義2A-Ⅱ
担当者佐伯 智広教員紹介
単位・開講先選択必修  2単位 [史学科]
科目ナンバリングJPH-204

授業の概要(ねらい)

 荘園制は、中世日本の政治や社会に大きな影響を及ぼした、重要な制度です。しかしながら、荘園制と現代の土地制度・税制度とでは大きな違いがあることなどから、理解することが難しい分野でもあります。本講義では、中世日本で荘園制が誕生した過程・理由や、荘園制が中世の政治史に与えた影響、中世の社会で荘園制が果たした役割について論述し、荘園制の歴史的評価について考えます。

授業の到達目標

 荘園制の成立過程・役割・特質などについて、史料に基づいて説明できるようになること、および、前後の時代や現代の社会のあり方と比較しながら、中世日本の社会制度について主体的に考えることができるようになることを目指します。

成績評価の方法および基準

確認テスト 30%
期末レポート70%

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書なし
参考文献荘園制成立史の研究川端新思文閣出版
参考文献日本中世の黎明佐藤泰弘京都大学学術出版会
参考文献中世荘園制と鎌倉幕府高橋一樹塙書房
参考文献日本中世社会の形成と王権上島享名古屋大学出版会
参考文献中世前期の政治構造と王家佐伯智広東京大学出版会

準備学修の内容

 復習として、板書のノート整理を行い、内容を次回までに見直しておく必要があります。

その他履修上の注意事項

 講義は板書形式で行うため、ノート類を準備すること。

授業内容

授業内容
第1回イントロダクション 荘園と荘園制との違い
第2回荘園制前史1 律令制下の土地と税のあり方について
第3回荘園制前史2 律令制崩壊後の土地と税のあり方について
第4回荘園制前史3 荘園制成立以前の摂関家領荘園について
第5回荘園制前史4 白河院政期の土地と税のあり方について
第6回荘園制の成立と鳥羽院政の政策について
第7回中世荘園の立荘について
第8回中世の荘園の相続について
第9回荘園制と中世貴族社会について
第10回荘園制と地域支配について
第11回荘園制と税について
第12回荘園制と治承~文治の内乱について
第13回荘園制と鎌倉幕府1 荘園の相続と鎌倉幕府について
第14回荘園制と鎌倉幕府2 武家領と寺社本所一円地について
第15回中世後期の荘園制への展望(オンライン)