日本史特殊講義8A-Ⅰ
担当者髙杉 洋平教員紹介
単位・開講先選択必修  2単位 [史学科]
科目ナンバリングJPH-215

授業の概要(ねらい)

本講義では旧帝国陸海軍における統帥権独立問題を取り扱います。言うまでもなく、旧帝国陸海軍においては軍隊を統帥する権利は内閣から独立し、天皇に直結していました。この統帥権独立という制度は、軍隊を内閣から不可触な存在にして、その統制を困難化し、ひいては軍部による政治介入の武器となったと考えられてきました。しかし、こうした通説は果たして全面的に正しいと言えるのでしょうか?
本講義では統帥権独立の実相に迫ると共に、その現代的な意味についても考えてみたいと思います。
学生には単に教員の話を漫然と聞くだけではなく、歴史事象の因果関係を理解しながら、「思考」することが求められます。また習得した歴史知識から自分なりの普遍的教訓を得て、現代社会や政治問題に適用する能力を身につけることが望まれます。学生の積極的な参加を期待します。

授業の到達目標

①統帥権独立問題について歴史的・政治的知識を習得する。
②歴史的問題を通して、現代的な政治問題を論じることができるようになる。

成績評価の方法および基準

試験(90%)、平常点(10%)

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書
参考文献

準備学修の内容

高校時代の教科書で良いので、戦前の日本政治史に関して基礎的な知識を身に付けておくこと。

その他履修上の注意事項

学生の理解度等を勘案して、実際の授業内容をシラバスから変更する場合もあります。
LMSで授業データ(パワポ)を公開します。

授業内容

授業内容
第1回ガイダンス
第2回明治の政軍関係
第3回軍隊の専門職化
第4回二個師団増設問題
第5回宇垣軍縮
第6回統帥権干犯問題
第7回陸軍革新運動
第8回宇垣内閣流産
第9回石原莞爾の追放
第10回武藤章と新体制運動①
第11回武藤章と新体制運動②
第12回東条英機内閣
第13回東条内閣の施策
第14回試験・解説
第15回まとめ・補足解説(LMS)