担当者 | 鈴木 智弘教員紹介 | |
---|---|---|
単位・開講先 | 必修 2単位 [経済学研究科 経営学専攻] | |
科目ナンバリング |
経営学演習はⅠ、Ⅱ、Ⅲを通して修士論文作成のための演習です。演習Ⅰでは、初めて(日本語)論文を作成することを前提に、論文作成の基礎を学び、研究計画書を完成させることを目標にします。論文とは、「ある主題を立て、さまざまな根拠を挙げて、それを論証するもの」(佐々木健一『論文ゼミナール』22頁:教科書)です。論文のふたつの基本形(「事実分析積み上げ方式」と「仮説・検証方式」)について学び、経営学で一般的な「仮説・検証方式」の論文作成方式についての理解を深めます。また、修士論文は、学術論文ですので、剽窃とならないように研究倫理も学びます。そして、論文の書き方(注の付け方など形式)、文献資料の収集・整理方法を身に着けることを第一目的とします。以上の基本を身につけてから、受講生が関心のある研究テーマを決めて、そのテーマに関連する文献を収集すると共に、先行研究の調査をしてもらいます。その作業を通じて、演習Ⅱに繋がるように研究テーマを絞ってゆきます。演習Ⅱでは、テーマを分析するために必要なフレームワークとしての経営戦略などの学びます。演習Ⅲは、修士論文作成に専念します。
2年間を通して、修士論文を完成させることが最終目標です。演習Ⅰの具体的な到達目標は下記の通りですが、演習Ⅰで完全に習得することは困難ですので、演習Ⅱ、演習Ⅲを通じて、確実に身につけることができるよう長い目で指導します。
・研究倫理とは何か理解すること(他人のアイディアの盗用は、絶対に認められません)。
・論文のふたつの基本形(「事実分析積み上げ方式」と「仮説・検証方式」)を理解し、「仮説・検証方式」の論文作成方式の基本を身につけること。
・論文の書き方(注の付け方など形式)など論文の作法を身につけること。
・自ら設定したテーマに関係する情報を、専門書、論文、データベースなどから調べることができるようになること。
・先行研究を整理し、仮説課題を発見することができる。
・研究内容を第三者に理解できるように文章でまとめ、報告することができる。
出席及び講義中の質疑応答、議論 50%
授業内での発表(第1回の自己紹介を除く発表) 30%
研究計画書 20%
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
---|---|---|---|
教科書 | 論文ゼミナール | 佐々木健一 | 東京大学出版会 |
教科書 | 論文・レポートの基本 | 石黒圭 | 日本実業出版社 |
参考文献 | リサーチマインド:経営学研究法 | 藤本隆宏他 | 有斐閣 |
教科書、参考文献に指定している書籍を読み、論文作成の基礎を理解すること。
修士論文作成は、簡単ではありません。マラソンに似た長距離レースに似ています。ゴールに到着するには、trial and error(試行錯誤)を繰り返すことが必要です。一回、失敗したからといって、めげずに、挑戦し続けることが必要です。指導教授は、そのための伴走者で、努力する学生には最大限の支援をしますが、マラソンを完走するのは(修士論文を執筆するのは)あくまでも、ご自分です。万が一、欠席する場合は、事前にメールで連絡することが必要です。
回 | 授業内容 |
---|---|
第1回 | オリエンテーション(講義の全体構成の解説)(オンディマンド授業) |
第2回 | 発表(1)受講生の自己紹介と各自の興味あるテーマについて なぜ研究倫理が必要なのか |
第3回 | 論文の書き方(注の付け方など形式)など論文の作法1 |
第4回 | 論文の書き方(注の付け方など形式)など論文の作法2 |
第5回 | 論文のふたつの基本形(「事実分析積み上げ方式」と「仮説・検証方式」)の比較 |
第6回 | 仮説・検証方式の基本(オンディマンド授業) |
第7回 | 研究テーマ(「論点ー仮説」セット)の決め方と論点・仮説・検証サイクルについて (論点をリサーチ・クエスチョン、仮説を中心命題とも言います) |
第8回 | 事前準備作業でテーマを探す(Keyword:「自分の経験・関心」、「先行研究」「先行調査」、「他者からのアドバイス」) |
第9回 | 発表(2):各自のテーマの論点は何か?(Version1) |
第10回 | 発表(3):各自のテーマに関連する文献 |
第11回 | 発表(4):各自のテーマの論点は何か?(Version2) |
第12回 | 発表(5):各自のテーマに関連する文献、資料の再発表 |
第13回 | 発表(6):研究計画案について(Version1) |
第14回 | 発表(7):研究計画案について(Version2) |
第15回 | 演習Ⅱに向けて、演習Ⅰの振り返りと反省 |