担当者 | 植月 学教員紹介 | |
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単位・開講先 | 選択必修 2単位 [史学科] | |
科目ナンバリング | ARC-218 |
動物考古学の研究方法を理解し、人と動物、人と自然環境の関係という視点から歴史を捉え直し、未来を考察する力を養う。後期は貝塚を取り上げる。
貝塚は縄文時代のゴミ捨て場という単純なイメージで捉えられがちである。しかし、実際には縄文時代以外にも貝塚は存在するし、時に生産の場であり、墓域であり、祭祀の場でもあったと考えられている。貝塚では人骨や動物骨が良く保存されていることや、層位的発掘が比較的容易なことから、日本考古学の黎明期より多くの発掘が行われてきた。近年の研究手法の多様化とともに、貝塚から引き出されるデータ量はさらに膨大になっており、過去の生業や社会の復元に欠かせない情報の宝庫となっている。そこで、本講義では貝塚の調査史、調査・研究方法の進展、貝塚から広がる様々な研究テーマについて近年の動向を解説する。貝塚の研究から人と自然環境の未来についてどのような教訓を得られるのかも考えていきたい。
①動物考古学に関する最新の動向、研究法を説明できる。
②論文を読んで内容を理解し、概要を説明できる。
③論文を批判的に読み込み、自分の意見を述べられる。
①は年間を通じて、②は主に前期で習得し、後期には③ができるようになることを目指す。
講義内容に関する小レポート(60%)、期末試験(40%)。
(毎回終了後に講義内容に関する意見や質問を小レポートとして提出してもらう)。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | |||
参考文献 |
課題論文を事前に配布する。取り上げる回までに読み込んで、自分なりの疑問点や問題点をまとめておくこと。
「動物考古学」の講義よりも専門的な内容になるため、すでに受講済み、もしくは同時に受講していることが望ましい。
回 | 授業内容 |
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第1回 | ガイダンス 貝塚とは? |
第2回 | 貝塚を調査する |
第3回 | 貝塚調査のあゆみ |
第4回 | 貝類の生息環境 |
第5回 | 縄文海進と海退 |
第6回 | 微小貝は語る |
第7回 | 貝類採集の季節性と採集圧 |
第8回 | 食料としての貝類 |
第9回 | 貝塚の大きさを比較する |
第10回 | ムラの貝塚とハマの貝塚 |
第11回 | 貝塚は「送り場」? |
第12回 | 魚類の生態と環境 |
第13回 | 哺乳類と狩猟圧 |
第14回 | まとめ 総合科学としての「貝塚学」 |
第15回 | 期末試験とふりかえり |