観光経営学特殊講義Ⅰ
担当者今野 久子教員紹介
単位・開講先選択必修  2単位 [観光経営学科]
科目ナンバリングTOS-403

授業の概要(ねらい)

観光は21世紀の世界最大の成長産業(WTTC 世界旅行産業会議)といわれてきたが、新型コロナウイルスの感染拡大で観光は深刻な打撃を受けている。しかし人々の観光への意欲は決して衰えておらず(JTBF ㈶日本交通公社 新型コロナウイルス感染流行下の旅行意識調査)危機管理を重視した新たな観光が求められている。さらにこうしたなかで、観光が持つ持続可能な開発に寄与する力が改めて認識されることとなり、長期的視点から、経済基盤に貢献できる観光ホスピタリティ産業の展開、「住んでよし、訪れてよし」の観光地域づくりのあり方の展望が必要になっている。
本講義では、「人に学ぶ」「産業に学ぶ」「地域に学ぶ」の視点に基づく3年間の学修成果を踏まえた発展的学修として、観光に関する産業と地域の展開動向への理解を深めるとともに、これからの観光に関するテーマを設定し、様々なエビデンスをもとに評価し、課題を発見・解決する思考力の向上、企画提案を取りまとめる構築力および提案内容をわかりやすく伝える表現力の醸成を目指す。これまでに習得してきた知識等を統合的に活用し、論理的・創造的な考察力を高めるよう少人数のグループワーク(以下、GWと記す)と討議・考察による演習を重視し、教員からの話題提供(講義)にもとづきGWによる演習での企画提案の作成・発表を行う。
なお、必要に応じて外部講師等を招聘することを想定する。また、状況に応じスケジュールの予定外でも一部の回でオンライン授業を取り入れることも想定する。

授業の到達目標

①持続可能な観光の展望、観光関連産業や観光を推進する地域の展開動向について、発展的事項を理解し、論理的に説明することができる。
②観光関連産業や観光を推進する地域の動向についてエビデンスによる評価をもとに課題を発見し、解決方法を構築・提案することができる。
③提案内容をわかりやすく表現する資料を作成・発表し、発表に関する討議を通して論考を深め自らの提案の見直し等に反映させることができる。

成績評価の方法および基準

講義①~⑦に関するリアクションペーパーが15%、中間発表に向けたGW演習への参加・積極的貢献が10%、中間発表が15%、中間発表に基づく討議・考察が5%、成果発表に向けたGW演習への参加・積極的貢献が15%、成果発表が30%、成果発表に基づく討議・考察が10%の割合で評価する。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書以下の資料を適宜用いるほか、授業のなかで必要に応じて適宜紹介する。
参考文献持続可能な観光地マネジメントの普及に向けたUNWTOの取組(持続可能な観光地マネジメントの推進に関する説明会資料)UNWTO駐日事務所(2020年7月)UNWTO・APTEC
参考文献日本版持続可能な観光ガイドライン(JSTS-Ⅾ)観光庁・UNWTO駐日事務所(2020年6月)観光庁

準備学修の内容

3.成績評価の方法および基準に示した通り、講義①~⑦に関するリアクションペーパーの提出を求める。GWの事前検討として授業時間外に予め個人で考察・検討を行い、検討シート(レジュメ)への記入・提出を求める。検討シート(レジュメ)はGWの材料とするものであり、期限に遅れるとGW検討に支障をきたすため厳しく減点評価する。GWで分担した検討・考察・資料等作成等が授業時間内で完了できない場合には授業時間外で適宜取り組む必要がある。

その他履修上の注意事項

本講義は春学期と秋学期とを連続して受講する通年の講義であり、いずれか一方のみの履修は認めない。
履修の上限は20名までとし、春学期の最初の履修登録期間に登録していることを必須条件として適宜人数調整を行う。
提出あるいは発表についていずれかひとつでも行わない場合には原則として単位を認めない。ただし、公欠や体調不良などで学校が認める事由または就職活動関連その他正当と認められる事由については、本人からの申し出を考慮し代替の課題などにより適宜、対応する。
GWによる検討や発表用資料(ppt等)の作成を行うため、PCを持参できること、必要に応じ画面共有によるオンライン検討ができることが望ましい。

授業内容

授業内容
第1回※オンライン
イントロダクション 授業の全体構成 
第2回講義① 持続可能な観光と観光マネジメントの展望
(日本版持続可能な観光ガイドラインJSTSーD、持続可能な観光の国際基準GSTCーD、エビデンスに基づく観光マネジメント)
第3回講義② 交通事業の展開動向 (鉄道、バス、航空、道の駅 等)
第4回講義③ 宿泊事業、観光消費の展開動向 (宿泊業態・システムの多様化、コト消費、越境EC 等)
第5回講義④ 伝統的観光地づくりの展開動向 (温泉地・門前町・リゾート地等におけるDMO 等)
第6回講義⑤ 新たな観光地づくりの展開動向(コンテンツツーリズムと観光まちづくり 等)
第7回GW演習① 企画提案に向けた着想(これからの観光産業/観光地域に関するテーマ案の設定と背景・意味づけ等)
第8回GW演習② 中間発表と討議・考察
第9回講義⑥ 企画の着眼点
第10回講義⑦ 企画づくりのポイント
第11回GW演習③ 企画提案の素案検討xc
第12回※オンライン
GW演習④ 企画提案の作成・発表用ppt作成
第13回GW演習⑤ 発表用ppt・発表原稿作成
第14回GW演習⑥ 成果発表と討議・考察
第15回総括