質問力を磨く(社会と向き合うⅡ)
担当者松本 美奈, 霜鳥 駿太教員紹介, 中村 まい
単位・開講先選択  4単位 [自己啓発支援科目(短大)]
科目ナンバリングCAE-228

授業の概要(ねらい)

 徹底的にアウトプットを重視する授業です。論文を書く・批判的に読む・発表する・議論する——を繰り返していきます。アウトプットは「自分にしか書けないことを、誰にでもわかりやすく」を重視しています。そのために日常課題にも取り組みます。
 「質問力を磨く(ClassQ)」では「多様な人々と協働できるリーダー」育成を目指しています。多様な背景の人々と力を合わせるリーダーだからこそ、「自分にしか書けないことを、誰にでもわかりやすく」伝える力が不可欠です。その力の根底にあるのが「質問力」。多様な人々とは、どのような文化や思考を持った人なのでしょうか。協働するとは、どういうことでしょう。すべては質問から始まります。
 教材は読売新聞です。インターネットではなく、紙の新聞を購読してください。課題図書「日本社会のしくみ」(小熊英二著、講談社現代新書)を批判的に読み、中間論文とします。毎週1回、図書館の専門家から小説を推薦してもらいます。
 最終課題は二つあります。
 一つは論文です。あなたの一生分の収支を計算し、実現するための課題を3,000字以内で論じてください。こちらは個人ワークです。もう一つはチームでのポスター制作です。テーマは「給料は誰がどのように決めるべきか」。いずれも、企業へのインタビューを踏まえてください。
 新聞と本を通して世界を俯瞰し、他大学の学生とのチームワークやディスカッション、企業へのインタビューなど、多彩な経験を重ねて知的体力をつけましょう。

*水曜2限クラスは、授業に企業人や上智など他大学の学生が参加しています。最終課題も他大学との合同チームで取り組みます。
*12月18日(土)と2022年1月8日(土)は対面での授業です。それ以外は対面・Zoomで行います。
*0〜4単位の授業です。金曜日+月、火、水曜日の2コマを履修してください。
 講師 金2      松本美奈(講座責任者)
               + QBs(Question Birds:学生による学習サポーター)
    水2       松本美奈
    月2、3、水4   霜鳥駿太
    火1、2     中村まい

授業の到達目標

(1)新聞を毎日読む(社会性)。
(2)自分以外の誰かの立場で問う(俯瞰する)。
(3)自分にしか書けないことを、誰にでもわかるように表現する(独創性、論旨明快、適切な言葉、推敲、読ませるタイトル)。

成績評価の方法および基準

(1)日常課題(社説の視写、コンセプトマップ+質問) 50%
  最低基準:毎週各2回(計4回)✖️15週 基準を超えた取り組みのみ評価対象とします。
(2)中間課題(論文) 20%
  課題図書「日本社会のしくみ」にない論点を見つけなさい。
  その際に、なぜその論点が重要なのか、別の文献を引用し、1500字以内で論じなさい(手書き、縦書き原稿用紙)。
(3)最終課題(論文) あなたの一生分の収支を計算し(Excel、Numbers)実現するための課題を3,000字以内で論じなさい(手書き、縦書き原稿用紙)。 30%
 *締め切り:(2)…11月5日(金)
       (3)…12月17日(金)
       (1)…2022年1月7日(金)
       

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書読売新聞の朝夕刊
読売新聞社
教科書日本社会の仕組み小熊英二講談社現代新書
参考文献

準備学修の内容

(1)読売新聞の朝夕刊を毎日読んでください。
  …授業日だけ新聞を読んでも、理解は困難です。社会は日々刻々と動いているからです。
(2)社説を書き写してください(社説の視写)。
  …論調への迎合は求めていません。社説を書き写し、論の立て方を学びましょう。
(3)気になった記事を読んで、コンセプトマップを広げ、質問を書き出してください(Cマップ)。
  …自分以外の誰かの視点で、記事をもとにコンセプトマップを広げてみましょう。
   その過程で浮かんできた疑問を言語化し、質問にします。
(4)授業時間外にチームで調べ学習をし、発表資料を作ります。

その他履修上の注意事項

・日常課題は最終的にファイルにまとめて提出します。返却された課題は必ずファイリングしてください。
・金曜日は「理論編」。QBsと呼ばれる学習サポーターたちが伴走します。月、火、水は「実践編」。少人数でのチームワークが中心です。いずれもインプット3、アウトプット7で進めます。
・金曜日は図書館のスタッフからの本の紹介もあります。100字書評を書いてください。任意ですが、「読む・書く」力を伸ばしたい学生におすすめです。

授業内容

授業内容
第1回新聞で遊ぼう
***当日の読売新聞朝刊、ハサミ、のり、色鉛筆やクレヨン、ペンを持参してください。
・まわしよみ新聞で、新聞の構成を知る。
・社説を書き写す
・コンセプトマップを広げてみる
第2回なぜ質問力か、なぜ新聞か(9月24日)
・なぜ質問力が必要なのか
・なぜ新聞なのか
・なぜ紙なのか
・なぜ「手で書く」なのか QBsと一緒に書いてみよう。

第3回質問を作る①
・新聞でQに挑戦する
・ひとり10個質問することを目標に
・たくさん質問するのは難しいか、簡単か
第4回手で書くと何がつかめるか(10月1日)
・ピアレビュー
・コンセプトマップを広げる
・社説を視写する
第5回質問を作る②
・ひとり10個の質問を作る
・新聞でQ
・役割分担をしながら(チームワーク実践)
第6回質問をつくる③(10月8日)
・ピアレビュー
・新聞でQ
・情報カードで遊ぼう。発想を広げよう
第7回質問をつくる④ 
・新聞でQ
・情報カードで遊ぼう。仲間と発想を広げよう
第8回質問をつくる⑤(10月22日)
・ピアレビュー
・論文には何が必要か
第9回質問をつくる⑤
・新聞の読み方を確認しよう
第10回質問を作る⑥(10月29日)
・ピアレビュー
・質問出しのルールを俯瞰する
第11回質問を分類する①
・開いた質問と閉じた質問とは何だろう
・それぞれの長所と短所を考えよう
第12回論文を書くために(11月5日)
・ピアレビュー
  日常課題、中間課題とも
・論文をふりかえる 最終課題に向けて
**宿題 「私の生涯賃金を考える」** 
 11月12日の授業に持参してください。
 持参しない人は、授業に参加できません。
第13回質問を分類する② 
・分類することで何がわかるだろうか
・新聞でQ
第14回企業人と議論 質問を使う(11月12日)
 企業人を招いて議論します。
 テーマ「私の生涯賃金はいくらだろうか」
 12日午後1時半〜 企業人と懇談する会@アカデミックラウンジ 
   テーマ「給料は誰がどのように決めるべきか」
第15回質問を転換する①
・開いた質問を閉じた質問に
・閉じた質問を開いた質問に
・転換することで何が見えてきたか
第16回質問を転換する② (11月19日)
・ピアレビュー
・転換することで質問はどう変わるか
第17回質問を転換する ③
・転換することで、何が変わったか
第18回質問を使う① (11月26日)
・ピアレビュー
・その質問は伝わるか
・いつもの自分の表現をふりかえる
・チラシをつくる
第19回質問を使う③  
・その質問は伝わるか
第20回質問を使う④ (12月3日)
・ピアレビュー
・チラシを披露する
・伝えると伝わるは同じか、違うか
第21回〈21〉質問を使う⑤
・伝えたいように伝わらないのはなぜか

第22回なりきる ①(12月10日)
・ピアレビュー
・なりきるのは難しいか、易しいか
第23回なりきる ②
・なりきるために何をしているか
第24回立ち止まって考える①(12月17日)
・ピアレビュー
・書くことで何を得ているか
・取捨選択のために
第25回質問で探す② マラソンQ 12月18日(土)10時〜16時(15時〜16時はポスター準備会)
・図書館で資料を探す 
・多くを問う者は多くを得る
  質問でポスターを描く
第26回立ち止まって考える②
・探すための質問と、質問のための質問
第27回自分にしか書けないことを、誰にでもわかるように(2022年1月7日)
・最終論文、ポートフォリオ(日常課題とリフレクションシートをまとめたファイル)提出
・ピアレビュー
第28回ポスターセッション 1月8日(土)10時〜13時
ソラティオスクエア3階アカデミックラウンジ
 *ドレスコードあり(ライブで中継します)
第29回言葉を磨く
・ポスターを作り直すのなら何をどう変えるか   
第30回成長を言語化する (1月14日)
・目標を達成したか