風俗史Ⅱ
担当者井上 直子
単位・開講先選択  2単位 [資格科目]
科目ナンバリングJPH-206

授業の概要(ねらい)

本講義は、風俗史Ⅰの理解を前提に、最近の風俗史研究と日本近現代史研究の接点と成果を学ぶものである。風俗史で重視されてきたテーマを改めて確認した後、そのなかのいくつかのテーマからいかなる研究がなされてきたかを学んでいく。これらを通して、日本近現代史を素材に、歴史研究の視野を広げることをめざす。

授業の到達目標

優先順位は① → ②である。①~②を積み上げ到達できるようにする。
①最近の風俗史研究と日本近現代史研究について理解し、説明できるようにする。
②風俗史研究の姿勢をふまえ、歴史研究の対象や方法について自分なりに考え、問題関心を深められるようにする。

成績評価の方法および基準

・コメントレポートの作成・まとめ(2回):40%
・期末テスト:60%
いずれも授業内容の理解度とともに、2の①~②の到達度をもとに評価する。当然であるが、コメントレポート・テストとしての体裁を整えていることは必須(精確な先行研究・史料引用、脚注・参考文献リストなど形式の遵守、精確な読解力、コピペや剽窃の厳禁など)。遵守できていないコメントレポート・テストは単位を与えない。
コメントレポートの作成方法については授業内で案内する。
テストは配付資料と復習に用いたコメントレポート・ノート(5に記載)のみ持ち込み可。持ち込み可に該当しないもの(文献・論文やネット記事のコピー、スマートフォン等)は持ち込み不可。不正行為と見なし単位を与えない。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書
参考文献『風俗史学の三十年』日本風俗史学会つくばね舎、1990年

準備学修の内容

配付資料を復習し、重要語句の意味や時代による変化をおさえ、授業内容を自分のことばでまとめ直す(小レポートを作成する、ノートに要点とそこから考えたことをまとめる、など)。
不明な語句は辞書を引く、参考文献を読むなど各自で学び理解しておくこと。
事前に配付された資史料を読んで予習し、問題意識をもって授業に臨むこと。
レポートに備え、参考文献のみならず、先行研究となる文献・論文や、活字化された史料を探し読んでおくこと。

その他履修上の注意事項

私語はじめ授業を妨害するすべての行為は厳禁。違反する者はチェックし成績に反映する。
原則として授業資料の再配付は行なわない。欠席した者は参考文献などを読んで補うこと。
出席回数を満たしていたとしても、レポートやテストの点が悪ければ単位修得できない。

授業内容

授業内容
第1回ガイダンス①風俗史学史にみる風俗史のテーマとその変遷
第2回ガイダンス②後期授業の見取り図【オンライン】
第3回衣の風俗史①服装にみる近代化と「伝統」
第4回衣の風俗史②衣服と手芸
第5回食の風俗史①食にみる風俗と文化、くらし
第6回食の風俗史②食の流通
第7回住の風俗史――風俗史にとっての住研究
第8回小括①風俗史のメインテーマとしての衣食住/コメントレポートのまとめ
第9回小括②コメント紹介と風俗史研究の展開
第10回性の風俗史①見られる性、描かれる性
第11回性の風俗史②性をめぐる主体性
第12回労働の風俗史①労働へのアクセスと労働をめぐる表象
第13回労働の風俗史②労働者の日常と非日常
第14回小括①風俗史研究のテーマをめぐる広がりと可能性/コメントレポートのまとめ
第15回小括②コメント紹介とまとめ