風俗史Ⅰ
担当者井上 直子
単位・開講先選択  2単位 [資格科目]
科目ナンバリングJPH-205

授業の概要(ねらい)

本講義は、風俗史という視点から歴史を捉えるいくつかの方法と研究史を学ぶものである。まず、資料館・博物館と自治体史編さんの研究実践から、風俗史がいかに捉えられてきたかを学ぶ。つぎに、風俗史学史をたどり、風俗史という問いと方法が日本史学(特に近現代史)との関係のなかでいかに形成されてきたかを顧み、今後の課題を展望する。

授業の到達目標

優先順位は① → ② → ③である。①~③を積み上げ到達できるようにする。
①風俗史研究のねらいやテーマを理解する。
②風俗史を通して歴史研究の方法や実践を学ぶ。
③歴史研究を進めるために自分なりの問題意識を深める。

成績評価の方法および基準

・ 中間レポート:40%
・ 期末テスト:60%
いずれも授業内容の理解度とともに、2の①~③の到達度をもとに評価する。当然であるが、レポート・テストとしての体裁を整えていることは必須(精確な先行研究・史料引用、脚注・参考文献リストなど形式の遵守、精確な読解力、コピペや剽窃の厳禁など)。遵守できていないレポート・テストは単位を与えない。レポート未提出者はテスト受験不可。
テストは配付資料と復習に用いた小レポート・ノート(5に記載)のみ持ち込み可。持ち込み可に該当しないもの(文献・論文やネット記事のコピー、スマートフォン等)は持ち込み不可。不正行為と見なし単位を与えない。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書
参考文献『風俗史学の三十年』日本風俗史学会つくばね舎、1990年

準備学修の内容

配付資料を復習し、重要語句の意味や時代による変化をおさえ、授業内容を自分のことばでまとめ直す(小レポートを作成する、ノートに要点とそこから考えたことをまとめる、など)。
不明な語句は辞書を引く、参考文献を読むなど各自で学び理解しておくこと。
事前に配付された資史料を読んで予習し、問題意識をもって授業に臨むこと。
レポートに備え、参考文献のみならず、先行研究となる文献・論文や、活字化された史料を探し読んでおくこと。

その他履修上の注意事項

私語はじめ授業を妨害するすべての行為は厳禁。違反する者はチェックし成績に反映する。
原則として授業資料の再配付は行なわない。欠席した者は参考文献などを読んで補うこと。
出席回数を満たしていたとしても、レポートやテストの点が悪ければ単位修得できない。

授業内容

授業内容
第1回ガイダンス【オンライン】
第2回講義:博物館・資料館、自治体史と風俗史①「風俗」を展示するとは
第3回講義:博物館・資料館、自治体史と風俗史②戦争の日常から
第4回講義:博物館・資料館、自治体史と風俗史③くらし・すまいの展示から
第5回講義:博物館・資料館、自治体史と風俗史④「昭和」を展示する
第6回講義:博物館・資料館、自治体史と風俗史⑤祭りとその記録
第7回講義:博物館・資料館、自治体史と風俗史⑥地域の歴史とくらし
第8回講義:博物館・資料館、自治体史と風俗史⑦語りから甦るくらし
第9回講義:風俗史学史、風俗史研究の変遷①戦後歴史学、民俗学と風俗史
第10回講義:風俗史学史、風俗史研究の変遷②風俗史学の立ち上げ
第11回講義:風俗史学史、風俗史研究の変遷③民衆史研究と風俗史
第12回講義:風俗史学史、風俗史研究の変遷④庶民と世相の風俗史
第13回講義:風俗史学史、風俗史研究の変遷⑤社会史研究と風俗史
第14回講義:風俗史学史、風俗史研究の変遷⑥風俗史の射程のひろがり
第15回講義:まとめ【オンライン】