日本史特殊講義5A-Ⅱ
担当者矢越 葉子
単位・開講先選択必修  2単位 [史学科]
科目ナンバリングJPH-210

授業の概要(ねらい)

 日本古代史を研究する上で、奈良時代の正倉院文書は欠かすことのできない史料群である。本講義では、正史や法制史料を交えつつ、一次史料である正倉院文書からわかる日本古代の実態を論じる。後期は正倉院文書のうち主に写経所文書や造営関係史料に基づき、写経事業を中心とした造寺・造仏、官司の運営、下級官人の生活等について扱う。

授業の到達目標

①日本古代史研究における一次史料の重要性や特徴を理解し、説明できる。
②自分で問いを立て、考察できるようになる。
③講義で扱った内容の中からテーマを見つけ、参考文献をもとに理解を深め、自身の考えを述べられる。

成績評価の方法および基準

(1)各回の授業内容についてのコメントシート 30%(到達目標①②)
(2)学期末に提出する4,000字程度のレポート 70%(到達目標①~③)

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書
参考文献『正倉院文書の世界―よみがえる天平の時代』丸山裕美子中公新書
参考文献『正倉院文書入門』 栄原永遠男栄原永遠男 『正倉院文書入門』 角川学芸出版

準備学修の内容

・ここに掲げた参考文献や、授業中に紹介する文献を読み、知識を習得しておくこと。
・各回の課題や学期末のレポートに備えて、本を読み論点・疑問点を挙げておくこと。

その他履修上の注意事項

授業にあたっては、毎回コメントシート(感想・質問)を提出してもらう。
授業内容は進捗により変更することがある。

授業内容

授業内容
第1回ガイダンス
・授業内容の概観
・授業の進め方と評価方法の説明
第2回写経所文書とは
第3回日本古代における写経事業
第4回五月一日経の創出とその意義
第5回法会と経典書写
第6回国分寺と経典書写
第7回奈良時代末の一切経群
第8回写経所の仕事と運営
第9回写経生の食事
第10回写経生の病気と休暇
第11回写経所と都の市
第12回正倉院文書に見える寺院の造営
第13回大仏開眼会
第14回正倉院文書と正倉院宝物
第15回正倉院文書の研究環境―学期末レポート作成に向けて【オンライン授業】