日本史特殊講義5A-Ⅰ
担当者矢越 葉子
単位・開講先選択必修  2単位 [史学科]
科目ナンバリングJPH-209

授業の概要(ねらい)

 日本古代史を研究する上で、奈良時代の正倉院文書は欠かすことのできない史料群である。本講義では、正史や法制史料を交えつつ、一次史料である正倉院文書からわかる日本古代の実態を論じる。前期は正倉院文書のうち戸籍や正税帳といったいわゆる律令公文に基づき、古代社会のあり方について扱う。

授業の到達目標

①日本古代史研究における一次史料の重要性や特徴を理解し、説明できる。
②自分で問いを立て、考察できるようになる。
③講義で扱った内容の中からテーマを見つけ、参考文献をもとに理解を深め、自身の考えを述べられる。

成績評価の方法および基準

(1)各回の授業内容についてのコメントシート 30%(到達目標①②)
(2)学期末に提出する4,000字程度のレポート 70%(到達目標①~③)

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書
参考文献『正倉院文書の世界―よみがえる天平の時代』丸山裕美子中公新書
参考文献『正倉院文書入門』栄原永遠男角川学芸出版

準備学修の内容

・ここに掲げた参考文献や、授業中に紹介する文献を読み、知識を習得しておくこと。
・各回の課題や学期末のレポートに備えて、本を読み論点・疑問点を挙げておくこと。

その他履修上の注意事項

授業にあたっては、毎回コメントシート(感想・質問)を提出してもらう。
授業内容は進捗により変更することがある。

授業内容

授業内容
第1回ガイダンス【オンライン授業】
・授業内容の概観
・授業の進め方と評価方法の説明
第2回正倉院文書とは
第3回戸籍① 戸籍に関する諸規定
第4回戸籍② 御野国戸籍を読む
第5回戸籍③ 西海道戸籍を読む
第6回戸籍④ 下総国戸籍を読む
第7回計帳① 計帳に関する諸規定
第8回計帳② 計帳を読む
第9回計会帳① 計会帳に関する諸規定
第10回計会帳② 計会帳を読む
第11回正税帳① 正税帳に関する諸規定
第12回正税帳② 正税帳を読む
第13回遠江国浜名郡輸租帳
第14回相模国封戸租交易帳
第15回正倉院文書の研究環境―学期末レポート作成に向けて【オンライン授業】