担当者 | 井上 直子 | |
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単位・開講先 | 選択 2単位 [史学科] | |
科目ナンバリング | JPH-241 |
本講義は、2つのアプローチから日本の家族史を学ぶものである。まず、日本の家族の通史を学び、各時代における日本の家族の特徴をつかむ。つぎに、日本史学を中心に家族史研究を振り返り、研究対象として家族がいかに捉えられてきたかを学んでいく。
家族のあり方はいつの時代もそのときの社会状況と関わり合いながら構築されていること、そして現在における家族もまた自明のものではないことを理解し、問題意識をもって家族を捉え考察できるようになることをめざす。
優先順位は① → ② → ③である。①~③を積み上げ到達できるようにする。
①各時代の家族のあり方と社会的背景、因果関係を理解する。
②家族史研究とそこでの問いの変遷を理解する。
③家族をめぐる問題意識を深め、自分なりに考察できるようになる。
・ 中間レポート:40%
・ 期末テスト:60%
いずれも授業内容の理解度とともに、2の①~③の到達度をもとに評価する。当然であるが、レポート・テストとしての体裁を整えていることは必須(精確な先行研究・史料引用、脚注・参考文献リストなど形式の遵守、精確な読解力、コピペや剽窃の厳禁など)。遵守できていないレポート・テストは単位を与えない。レポート未提出者はテスト受験不可。
テストは配付資料と復習に用いた小レポート・ノート(5に記載)のみ持ち込み可。持ち込み可に該当しないもの(文献・論文やネット記事のコピー、スマートフォン等)は持ち込み不可。不正行為と見なし単位を与えない。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | |||
参考文献 | 『歴史のなかの家族と結婚』 | 服藤早苗監修、伊集院葉子・栗山圭子・長島淳子・石崎昇子・浅野富美枝著 | 森話社、2011年 |
参考文献 | 『日本家族史論集』全13巻 | 佐々木潤之介ほか編 | 吉川弘文館、2002〜2003年 |
配付資料を復習し、重要語句の意味や時代による変化をおさえ、授業内容を自分のことばでまとめ直す(小レポートを作成する、ノートに要点とそこから考えたことをまとめる、など)。
不明な語句は辞書を引く、参考文献を読むなど各自で学び理解しておくこと。
事前に配付された資史料を読んで予習し、問題意識をもって授業に臨むこと。
レポートに備え、参考文献のみならず、先行研究となる文献・論文や、活字化された史料を探し読んでおくこと。
私語はじめ授業を妨害するすべての行為は厳禁。違反する者はチェックし成績に反映する。
原則として授業資料の再配付は行なわない。欠席した者は参考文献などを読んで補うこと。
出席回数を満たしていたとしても、レポートやテストの点が悪ければ単位修得できない。
回 | 授業内容 |
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第1回 | ガイダンス【オンライン】 |
第2回 | 講義:古代の家族――イエの成立 |
第3回 | 講義:中世の家族①――家の成立 |
第4回 | 講義:中世の家族②――家父長制大家族の定着 |
第5回 | 講義:近世の家族①――身分制度の確立と家のひろがり |
第6回 | 講義:近世の家族②――小家族の成立とその展開 |
第7回 | 講義:近代の家族①――家の法整備と家族をめぐる規範 |
第8回 | 講義:近代の家族②――移動する人びとと家族の形成 |
第9回 | 講義:現代の家族①――日本型近代家族の確立 |
第10回 | 講義:現代の家族②――日本型近代家族のゆらぎ |
第11回 | 講義:各時代における日本型家族の特徴【オンライン】 |
第12回 | 講義:家族史学史、家族史研究の変遷①――国家の基礎構造としての「家族」 |
第13回 | 講義:家族史学史、家族史研究の変遷②――研究対象としての「家族」 |
第14回 | 講義:家族史学史、家族史研究の変遷③――「家族」の転回 |
第15回 | 講義:まとめ |