担当者 | 田中 俊光教員紹介 | |
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単位・開講先 | 選択 2単位 [総合基礎科目] | |
科目ナンバリング | POL-106 |
この講義では、朝鮮半島における政治史、さらには朝鮮半島と東アジア諸国との外交史・国際関係史を学修する。
朝鮮半島の歴代王朝の政治は、単に国内政治の問題だけでなく、陸続きの中国大陸の漢民族や北方民族の国との関係、さらには海を隔てた日本との関係のなかで展開したものが少なくない。たとえば、中国の歴代王朝のうち、高圧外交を示した王朝には、結果的に君臣関係を結んだとしても完全に心服しない政治姿勢が示されたし、日本とは古くから関係があり、多くの人的往来があったが、両国は古代以降、異なる政治のしくみと権力構造をもち、中国を中心とする華夷秩序への意識も同じでなかったため、さまざまな政治上の疑念や軋轢が生まれ、近代における日本による朝鮮統治による蔑視と怨恨は、今でもわだかまりとして根強く残っている。
日韓で歴史観をめぐる議論が噴出すると、韓国の政治家が日本に対して「正しい」歴史認識を共有するよう要求する場面がしばしばメディアで報じられる。しかし、何が正しく、正しくない(歪曲)のか、また、韓国が共有するよう要求する「正しい」歴史認識とはどんなものなのか、日本人が知ることができなければ議論すらできない。問題の実践的な解決に向けて、朝鮮半島の政治・外交の歴史、特に韓国(および北朝鮮)の学術界における歴史認識を理解する必要があろう。
秋期は、17世紀初の朝鮮時代後期から、植民地期を経て、解放後の南北朝鮮の現在に至るまでに関する政治史・外交史を取り上げる。
朝鮮半島の政治・外交について、歴史的背景から理解し説明できる。
朝鮮半島の政治・外交史を通じて、史観の違いによって歴史的事実に対する意義付けが異なり得ることを理解できる。
授業への取組み(30%)および期末試験(70%)で評価する。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | 特定のテキストは使用しない。毎回授業のレジュメを配布する。 | ||
参考文献 | 《世界歴史大系》朝鮮史1先史~朝鮮王朝 | 李成市ほか編 | 山川出版社 |
参考文献 | 《世界歴史大系》朝鮮史2近現代 | 李成市ほか編 | 山川出版社 |
参考文献 | 東アジア史のなかの日本と朝鮮:古代から近代まで | 吉野誠 | 明石書店 |
参考文献 | 朝鮮の歴史 : 先史から現代 | 田中俊明編 | 昭和堂 |
参考文献 | 韓国社会の歴史 | 韓永愚(吉田光男訳) | 明石書店 |
参考文献 | その他、講義の中で適宜紹介する。 |
授業は、配布するプリントに従って進めていくので、それまでに配布したプリントを読んで復習しておくこと。
次回の授業で使用するプリントを事前に配布するので、プリントの括弧内に入るキーワードを授業前に自分で調べて書き入れること。
参考書として指示した文献の関連部分をあらかじめ読むこと。
興味関心を持って授業に臨むこと。
回 | 授業内容 |
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第1回 | 《オンライン授業》ガイダンス/16世紀までの朝鮮半島の政治史・国際関係史概説 |
第2回 | 朝鮮後期(1)――17世紀~19世紀中葉の政治/丁卯・丙子胡乱/己亥礼訟、甲寅礼訟 |
第3回 | 朝鮮後期(2)――対清外交/対日外交 |
第4回 | 開港期・大韓帝国期(1)――19世紀後半~日露戦争の政治/壬午軍乱/甲申政変/大院君・閔妃政権 |
第5回 | 開港期・大韓帝国期(2)――甲午農民戦争/対清関係、対日関係、対欧米関係 |
第6回 | 開港期・大韓帝国期(3)――日露戦争~韓国併合の政治/日本の保護国化政策/日韓間の条約締結をめぐる議論 |
第7回 | 植民地期(1)――武断統治期/三一運動 |
第8回 | 植民地期(2)――文化統治期/新幹会、槿友会 |
第9回 | 植民地期(3)――大陸兵站基地化期/皇民化政策、総動員体制 |
第10回 | 解放直後~朝鮮戦争――分断体制/南北権力の特徴/四月革命 |
第11回 | 軍事独裁政権――5・16軍事政変/日韓国交正常化/米中和解と10月維新/民主化運動 |
第12回 | 民主化と文民政府――盧泰愚・金泳三政権 |
第13回 | 進歩政権――金大中・盧武鉉政権、南北朝鮮の和解/日韓共同宣言 |
第14回 | 保守政権と現政権――李明博・朴槿恵政権/文在寅政権 |
第15回 | まとめ |