東洋法制史Ⅱ
担当者田中 俊光教員紹介
単位・開講先選択  2単位 [法律学科 2018年度以降]
科目ナンバリングFUL-210

授業の概要(ねらい)

この講義では、朝鮮半島における法制史を学修する。
秋期では、前近代の王朝の中で比較的多くの資料が残り、法と社会の実態を知ることができる朝鮮王朝における法意識、身分と法的能力、家族関係と財産相続、取引法、刑罰論、裁判制度といった側面から、前近代の朝鮮半島の法と社会について認識するとともに、比較法的な視野から現代日本の法制度を深く理解する。

授業の到達目標

前近代の朝鮮半島における各分野の法制度の特徴に関するある程度応用的な知識を獲得し、説明できる。
朝鮮半島の前近代の家族法、財産法、刑法、裁判手続法の各分野における様々な法理について知ることで、比較法的視野から現代日本の法制度に内在する東アジア的要素を説明できる。

成績評価の方法および基準

授業への取組み(30%)および期末試験(70%)で評価する。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書特定のテキストは使用しない。毎回授業のレジュメを配布する。
参考文献朝鮮朝刑罰制度の研究矢木毅朋友書店
参考文献李朝の財産相続法朝鮮総督府編国書刊行会
参考文献《世界歴史大系》朝鮮史1先史~朝鮮王朝李成市ほか編山川出版社
参考文献《世界歴史大系》朝鮮史2近現代李成市ほか編山川出版社
参考文献その他、講義の中で適宜紹介する。

準備学修の内容

授業は、配布するプリントに従って進めていくので、それまでに配布したプリントを読んで復習しておくこと。
次回の授業で使用するプリントを事前に配布するので、プリントの括弧内に入るキーワードを授業前に自分で調べて書き入れること。
参考書として指示した文献の関連部分をあらかじめ読むこと。

その他履修上の注意事項

興味関心を持って授業に臨むこと。

授業内容

授業内容
第1回《オンライン授業》ガイダンス/朝鮮における法典編纂史の概説
第2回法思想と法意識(1)――法思想の視角/朝鮮時代の法思想
第3回法思想と法意識(2)――民衆の法意識/権利意識
第4回身分制度と法的能力
第5回戸籍制度
第6回宗族法――宗族結合/墓山と位土
第7回家族生活の法(1)――親族の範囲/婚姻・離婚
第8回家族生活の法(2)――親子の法的関係/家系・祭祀継承と財産相続
第9回土地法――土地所有権/並作
第10回取引生活の法――田土奴婢の売買/立案手続/権売/典当
第11回刑法(1)――律の総則的特徴
第12回刑法(2)――律の各論的内容と朝鮮独自法の優先原則
第13回裁判制度(1)――詞訟を「聴く」(民事的裁判手続)
第14回裁判制度(2)――刑獄を「断ずる」(刑事的裁判手続)
第15回まとめ