医事法Ⅱ
担当者船橋 亜希子
単位・開講先選択  2単位 [法律学科 2018年度以降]
科目ナンバリングNFL-302

授業の概要(ねらい)

 現在、医療に関わらずに一生を終えることは難しいほど、医療は私たちの生と死に深く関係しています。本授業は、みなさんがこれまで法学部で学んできた知識を前提に、過去の薬害事案を知り、現代の医療において重要なことは何か、そして、医療における法の役割・機能とその限界を学びます。また、裁判例を題材としたグループワークを通じて、具体的な事案における課題の認識とその解決方法を考えます。

授業の到達目標

(目的)
 法学部で学んできた知識を生かして、医療と法の交錯する学問領域である「医事法」に関する課題を認識し、解決方法を示すことを目的とする。講義を通じて、必要な医事法学に関する知識を修得し、他の受講生との裁判例等の検討を通じて、自ら考える姿勢を身につける。
(目標)
 ・薬害の歴史について説明することができる
 ・研究と診療の相違について説明することができる
 ・具体的事案の解決のために必要な基本的な法的知識を身につけ、それを用いて検討することができる
 ・事案の検討を通じて、課題を認識し、解決方法を考え、説明することができる

成績評価の方法および基準

 グループワーク、プレゼンテーション等(50%)
 小テスト、課題等(50%)

 授業内発言等の内容によっては加点の対象とし、他の受講生への迷惑行為は減点の対象とします。
 詳しくは、授業内で説明をしますので、初回の授業に必ず出席するようにしてください。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書医事法講義 米村滋人日本評論社
参考文献医学研究・臨床試験の倫理:わが国の事例に学ぶ 井上悠輔・一家綱邦日本評論社
参考文献医事法判例百選[第2版] 甲斐克則・手嶋豊有斐閣

準備学修の内容

(予習)
 ・教科書の該当するページを読み、理解すること
 ・グループワークに積極的に参加し、毎回全員が発言すること
 ・グループワーク、プレゼンテーションに向けてしっかりと準備すること
(復習)
 ・授業後に、レジュメ等を用いて授業の復習を行うこと
 ・わからないことをそのままにせず、図書館で調べたり、質問するようにしてください

その他履修上の注意事項

 ・憲法、民法、刑法を履修済みであることが望ましい
 ・グループワーク、プレゼンテーション、授業内発言等に積極的に参加しない場合、単位取得はできません
 ・他の受講生の妨げになるような行為は厳に慎むこと
 ・録音・録画・写真撮影等は禁止します(必要がある場合には、必ず事前に相談に来てください)

授業内容

授業内容
第1回イントロダクション
第2回医事法を学ぶために
第3回薬害の歴史を知る①
第4回薬害の歴史を知る②グループワーク発表
第5回医薬品等はどのように規制されているか?
第6回研究と診療①臓器移植について考えてみる
第7回研究と診療②生殖補助医療について考えてみる
第8回研究と診療③再生医療について知る
第9回精神医療について考えてみる
第10回感染症について考えてみる①ハンセン病について知る
第11回感染症について考えてみる②ハンセン病国家賠償訴訟判決(熊本地裁平成13年5月11日判決)を読む
第12回感染症について考えてみる③ハンセン病国家賠償訴訟判決その後、グループワーク発表
第13回感染症について考えてみる④パンデミックと法
第14回まとめ
第15回試験と解説

* 参加者の理解度や関心により、講義内容を変更することがあります。