生理学Ⅱ
担当者佐藤 真治教員紹介
単位・開講先必修  2単位 [スポーツ医療学科]
科目ナンバリングGPH-201

授業の概要(ねらい)

身体は、内部の環境が定常状態に維持されている限り、適切に機能し続けます。すなわち、身体はホメオスタシスから恩恵を受け、その代わりに、ホメオスタシス維持のために役割を果たしているのです(ガイトン、2010年)。ここでは、この相互作用の特性や仕組みを解説します。加えて、人の「生」とは何か?を機能の面から共に考えます。

授業の到達目標

この授業では、あなたが「分かる」ことを重視します。なぜならば、「分かる」ことが積み重なることによって、あなたはあなたの知性を信頼するようになるからです。この授業では「おもしろい」ことを重視します。なぜならば、「何かおもしろいことがありそうだ。」と感じた時に、あなたの判断力・理解力は最大化するからです。

成績評価の方法および基準

定期試験50%、授業内での小テストおよびレポート課題などの平常点50%。出席不足・試験未受験の場合は不合格(評価対象外)となります。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書教科書(購入が必須のもの)は指定しません。
適宜、必要な資料をコピー配布します。
参考文献ガイトン生理学(エルゼビアジャパン)

準備学修の内容

授業前は、インターネット(LMS)上にアップロードされた講義資料に目を通しておいてください。また、授業は終わった後は、授業中に配布したプリントを中心に必ず振り返りキーワードを整理することを行ってください。なお、定期テストの前には、十分な総復習が必要です。

その他履修上の注意事項

身体の機能を、構造と関連させながら、それぞれの器官毎に学んでいきます。特にそれらの各器官の機能が、生命活動をどのように維持し、調節しているかについて、学習します。さらに、アンケート集計システムを授業に導入することで、自ら能動的に授業に参加することができます。

授業内容

授業内容
第1回ガイダンス(オンライン)
学びの前提条件、目標の提示、評価方法と合格基準
第2回細胞
細胞の基本構成とその構成要素の機能を学ぶ。
第3回血球
はじめに血液中に最も豊富に存在し、組織への酸素運搬に必要な細胞である赤血球の機能を学ぶ。
さらに、後半は止血について学ぶ。血管は切れたり・裂けたりするたびに、血小板と凝固因子の働きで修復されるが、その詳しいメカニズムを解説する。
第4回神経
神経系は毎分,文字通り何百万もの情報をさまざまな感覚神経や感覚器を通じて受け取り,身体の起こすべき行動を決定している.
ここでは、特に我々の「行動」を支える感覚神経の働きについて学ぶ。
第5回中枢
感覚情報は神経系のあらゆるレベルで統合され、適切な運動を引き起こす。
ここでは、運動の複雑な調節をする中枢神経(脳と脊髄)のメカニズムについて学ぶ。
第6回
私たちの眼には、そこにあるものを見るだけでなく、物体の向こうを見透かし、人の心を読む能力が備わっている。私たちが目にしている色付きの世界は、私たちが共に生きていくうえで大切なのだ。
第7回知性
大脳皮質は神経系の中で抜群に大きな割合を占めているにもかかわらず、我々は皮質の機能について、他のどの部位よりもわずかなことしか知らない。
ここでは、これまでに知られている大脳皮質の機能を手掛かりに、「知性とは何か?」、「私とは何か?」を共に考える。
第8回記憶と感情
ここでは「意思決定」と「行動」に大きく影響を与える「記憶」と「感情」について詳しく学ぶ。
第9回運動生理学① 有酸素性能力
運動生理学では、持久性体力を取り込むことのできる酸素の最大量で評価する。その根拠と有酸素性能力(=持久性体力)の高め方について学ぶ。
第10回運動生理学② スプリント能力
なぜオリンピックの花形は100走なのか?その理由を運動生理学的に考える。
第11回運動生理学③ 筋力
生理学Ⅰで学んだ筋肉の知識をもとに、筋力の高め方について学ぶ。
第12回運動生理学④ スキル
漫画「スラムダンク」を題材にして、なぜ主人公の櫻木花道は短期間でうまくなったのか?について運動生理学的視点から迫る。
第13回運動生理学⑤ 運動時の循環応答(オンライン)
運動に伴って急激に高まる骨格筋の酸素需要に応えるため、循環調節システムはダイナミックにフォーメーションを変える。ここでは、循環器系全体からみた運動時の循環調節の仕組みを解説する。
第14回ミラーニューロン
人と人をぱっとつなぐ不思議な脳神経のしくみについて解説する。
第15回総まとめ
生理学Ⅱの授業は、通して学ぶことで「人と人はネットワークでつながっている」ことに気づくように設計されている。最後の授業で、それを確認する。