生活の医学Ⅱ
担当者佐藤 真治教員紹介
単位・開講先選択  2単位 [スポーツ医療学科]
科目ナンバリングBAM-102

授業の概要(ねらい)

生活の医学Ⅱでは、運動やスポーツを含めた環境に適応する「からだ」のしくみを医学的視点から理解し、さらに、自分自身の日々の生活に生かす知性を身につけてもらいます。加えて、医療の現場で疾患を持った人に運動指導できる能力が身につきます。

授業の到達目標

この授業では、あなたが「分かる」ことを重視します。なぜならば、「分かる」ことが積み重なることによって、あなたはあなたの知性を信頼するようになるからです。この授業では「おもしろい」ことを重視します。なぜならば、「何かおもしろいことがありそうだ。」と感じた時に、あなたの判断力・理解力は最大化するからです。

成績評価の方法および基準

定期試験50%、授業内での小テストおよびレポート課題を含めた出席点50%。出席不足(2/3に満たない)・試験未受験の場合は不合格(評価対象外)となります。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書教科書(購入が必須のもの)は指定しません。
インターネット(LMS)上にアップロードされた講義資料を各自印刷して授業に臨んでください。
参考文献Clinical Exercise PhysiologyWolters Kluwer

準備学修の内容

授業前には、インターネット(LMS)上にアップロードされた講義資料に目を通しておいてください。また、授業は終わった後には、習ったことをご自身の日常生活で実践してください。なお、定期テストの前には、十分な総復習が必要です。

その他履修上の注意事項

この授業は、あらかじめ身近な疑問を設定し、それに応えるうちに日々の生活に役立つ知識が知らないうちに身につき、気がつけば人の「からだ」のしくみと医学の基礎について「そういうことだったのか?」と腑に落ちる構成になっています。具体的には、まずイラストが豊富なパワーポイントスライドで皆さんの興味を引き、大切なことを文字情報として板書してもらいます。さらに、アンケート集計システムを授業に導入することで、匿名性が担保されたまま、能動的に授業に参加することができます。

授業内容

授業内容
第1回ガイダンス(オンライン)
学びの前提条件、目標の提示、評価方法と合格基準
第2回成人の標準運動プログラム
健康な成人に勧められる標準的な運動プログラムと「わかっていても、運動しない人」にそれをどう勧めるか?を解説する。
第3回歩く人を科学する
人は歩くと長生きする。ここでは、そのメカニズムを解説するとともに、正しい歩き方を学ぶ。
第4回病気と運動① 高血圧
多くの人が高血圧をり患しているが、たいていの場合は無症状なので、積極的な治療が遅れる傾向がある。ここでは、そのような問題を共に考える。
第5回病気と運動② 心臓病
心臓病は、救急治療の進歩によって病院で亡くなることは減っているが、再発する人が増え続ければいずれ医療崩壊の危険がある。ここでは、救急治療の短所を補い、心臓病の再発を予防する心臓リハビリについて学ぶ。
第6回病気と運動③ 腎臓病
腎臓病に対しては、以前は運動制限が当たり前であったが、最近になって運動療法が勧められるようになってきた。ここでは、どのような患者に、どこまで運動を勧めてよいのかを、腎臓の機能解剖学と合わせて、解説する。
第7回病気と運動④ がん
がんサバイバーに対する運動の利益と不利益を紹介しつつ、癌患者に対する向き合い方を考える。
第8回病気と運動⑤ うつと不安
心の変調は誰にでも起こりえる。WHOの調査によると、日本人の4人に一人、アメリカ人の二人に一人がなんらかの心の変調を経験していた。ここでは、心の変調のうち特に頻度の多い、うつ病と不安障害について学ぶ。
第9回脳と生活① 現実とは何だ?
神経系は毎分,文字通り何百万もの情報をさまざまな感覚神経や感覚器を通じて受け取り,身体の起こすべき行動を決定している.ここでは、特に我々の「行動」を支える感覚神経の働きについて学ぶ。
第10回脳と生活② 意志とは何だ?
感覚情報は神経系のあらゆるレベルで統合され、適切な運動を引き起こす。ここでは、運動の複雑な調節をする中枢神経(脳と脊髄)のメカニズムについて学ぶ。
第11回脳と生活③ 眼はすごい
私たちの眼には、そこにあるものを見るだけでなく、物体の向こうを見透かし、人の心を読む能力が備わっている。私たちが目にしている色付きの世界は、私たちが共に生きていくうえで大切なのだ。
第12回脳と生活④ 知性とは何だ?
大脳皮質は神経系の中で抜群に大きな割合を占めているにもかかわらず、我々は皮質の機能について、他のどの部位よりもわずかなことしか知らない。
第13回脳と生活⑤ 記憶とは何だ?
ここでは「意思決定」と「行動」に大きく影響を与える「記憶」と「感情」について詳しく学ぶ。
第14回総まとめ
生活の医学Ⅱの授業は、通して学ぶことで「立場の弱い人にやさしくなれる」ように設計されている。最後の授業で、それを確認する。
第15回定期試験(変更の可能性あり)
授業内に定期試験を実施し、回答について解説する。