担当者 | 中岡 淳教員紹介 | |
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単位・開講先 | 選択 2単位 [法律学科 2018年度以降] | |
科目ナンバリング | PUL-302 |
私たちの日常生活の中で最も多くの関わりを持つ公の組織が、都道府県や市町村などの「地方自治体」です。この講義は、その地方自治体の活動の基礎となる「地方自治法」の観点から、地方自治についての理解を深めることをねらいとしています。
講義の前半は、前期「地方自治論Ⅰ」で学んだ地方自治の制度や理論について復習すると同時に、自治体のしごと(自治事務と法定受託事務)や国との関係を法的観点から改めて検討します。後半では、地方自治法が自治体に認めている行政・財政・立法に関する権限や、住民監査請求、公の施設の管理および地方公務員法について解説します。
①地方自治体で働く普通の職員が最低限知っておくべき程度の地方自治法に関する基本的知識を修得する。
②地方自治法や地方公務員法などの法律の条文の趣旨や構造を理解し、それを適切に用いることができる。
③地方自治をめぐる法的紛争や理論動向について学者が書いた論文を自力で読むことができる。
④地方自治に関する問題について自身の見解を客観的な情報に基づいて論理的に表現することができる。
下記の通り、授業内課題(50%)と定期試験期間中に実施する期末試験(50%)の成績で評価します。
[授業内課題]
①リアクション・ペーパー(30%)
授業内容に関連する論述問題を用意し、それに関して記載してもらいます。
ただし、12回以上対面授業に出席していることが評価の前提です。
②「論文読解ワークシート」の提出(20%)
1. 参考書に記載の文献を読み、それに関するQ&A形式のワークシートを作成してもらいます。
2. シートを作成後、課題文献に関するLMSのテストに回答してもらいます。
3. 最終的に、第7回と第14回講義で印刷したワークシートをファイルに入れて提出してもらいます。
※全てのワークシートを期限までに提出することが評価の前提です。
[期末試験]
期末試験(50%)では、書き込みのない六法と教科書②『地方自治判例百選』の持ち込みを許可します。
正誤問題(20問:40点配点)と論述問題(3問中2問選択:各30点)により、地方自治法の基本概念や仕組みを適切に説明できるかを測定します。
[加点要素]
その他、授業内容に関する小テストを授業内で2回実施し、それを加点要素として考慮します。
出題内容は、教科書から引用する文章の空欄補充問題と正誤問題です。
2回の小テストいずれも合格点(10点満点中8点以上)を獲得することで、加点対象となります。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | 『自治体職員のためのようこそ地方自治法〔第3版〕』 | 板垣勝彦 | (第一法規、2020年) |
教科書 | 『地方自治判例百選〔第4版〕』 | 磯部力ほか | (有斐閣、2013年) |
参考文献 | 『地方自治法よく出る問題123問 第6次改訂版』 | 公法問題研究会 | (公職研、2022年) |
参考文献 | 『地方自治法の現代的課題』 | 板垣勝彦 | (第一法規、2019年) |
参考文献 | 『地方自治法[第9版]』 | 宇賀克也 | (有斐閣、2021年) |
参考文献 | 『地方自治論:2つの自律性のはざまで』 | 北村亘ほか | (有斐閣、2017年) |
授業の回ごとに教科書の該当する予習範囲を指定します。授業を受ける前に該当箇所を一読し、重要だと思われる用語や難解な箇所にチェックをしておいてください。授業を受けた後は、小テストと期末試験に向けて、教員が配布するレジュメに記載された練習問題を繰り返し解き、知識の定着に努めてください。LMSで授業に関するお知らせや参考文献を適宜掲載します。LMSを定期的に確認するようにしてください。また判例集や参考文献はMELIC2階の教員の指定図書コーナーにありますので、積極的に活用してください。
授業に参加する際は、教科書とレジュメ、六法を必ず持参してください。また、板書や教員の発言をレジュメやノートなどに適宜メモをするようにしてください。講義中は、他人への迷惑行為および私語を禁じていますので、該当する場合には退室をお願いしています。
回 | 授業内容 |
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第1回 | 地方自治法の概要と授業の進め方(LMSによるオンデマンド形式) |
第2回 | 地方自治の本旨と歴史 |
第3回 | 地方公共団体の種類と平成の大合併 |
第4回 | 地方自治体の住民の権利 |
第5回 | 地方公共団体の事務:自治事務と法定受託事務 |
第6回 | 地方公共団体相互の協力(+第5回までの小テスト) |
第7回 | 国の関与の仕組み |
第8回 | 自主行政権①:経済活動とまちづくり |
第9回 | 自主行政権②:決まりを守らない住民への対処と個人情報保護 |
第10回 | 自主財政権 |
第11回 | 自主立法権と徳島市公安条例 |
第12回 | 自治体の組織(+第10回までの小テスト) |
第13回 | 住民監査請求と住民訴訟 |
第14回 | 公の施設の管理 |
第15回 | 地方公務員法:自治体職員が守るべき約束事 |