担当者 | 濱田 陽教員紹介 | |
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単位・開講先 | 必修 2単位 [日本文化学科] | |
科目ナンバリング | JLT-102 |
日本列島において十二支動物は、千数百年にわたって時間や方位の把握に用いられてきた。十二支の時空のシステムは数字の反復や積算ではなく、玄妙に変化する地球、太陽、月などの自然と生きものや人の関係として展開してきた。
列島の民俗、宗教、近代化、伝承された神話、物語などを考察し、個性あふれる十二支動物を導き手として、生きとし生けるものが織りなす日本文化の時空に分け入り、伝統文化と近代文化両方の知識を養いながら、伝統の日本、近代日本、そして現代文明がはらむ課題までを深く、広く学ぶ。
日本文化への多様な視座を養い、講義・教科書の内容をふまえて自身の感想を展開し、内容の深い考察をまとめる思考力、文章表現力を身につける。
授業参加、予習課題、期末レポートにより総合評価
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | 『日本十二支考――文化の時空を生きる』 | 濱田陽 | 中央公論新社、2017年 ※授業、予習課題、期末レポート作成に必須、必ず大学内の書店等で購入のこと。後期は本書の後半を中心に学ぶ。通年受講を前提とし、前期の近代日本文化研究Ⅰから引き続き使用する。 |
教科書 | |||
参考文献 |
・毎回の授業の事前・事後学修として、平均して毎週30分以上の教科書通読が、到達目標達成に最低限基本となる。一回の授業で平均15ページほど進むことを目安とする。
・学修内容の理解、期末レポートの準備に役立てるため、教科書から、印象に残った見出しと本文箇所を引用し、その理由を数行書いてLMSオンライン上で提出する課題を出すことがある。
・授業に沿って教科書本文の着目すべき箇所を自分の判断でマークし、気づいたことや考えを主体的にメモするなど(教科書に書き込んでもポストイットなどを用いてもよい)、少しずつ理解を深めていって欲しい。
・「7.授業内容」には教科書各章が割り振られているが、章によって分量の差があるため、じっさいの授業進行はある程度前後することがある。
・LMSオンライン上で重要情報はUPしていくため、対面授業前後にLMSの方も確認すること。
・出欠についての申告(公欠、学生証忘れ、出校停止、発熱などによる病欠等)は当科目のLMSオンラインの「掲示板」に統一する。掲示板の出欠申告に関するフォーラムをクリックし、スレッドの作成から件名に学籍番号、該当授業月日、欠席理由を簡潔に記入、メッセージ欄に具体的な状況を書いて送信すること。
回 | 授業内容 |
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第1回 | 教科書『日本十二支考――文化の時空を生きる』及び本講義について 第二部 十二支動物と日本文化の時空の旅―未来への伝統、過去なる近代、現在する物語 第四章 卯—兎 弱さの希望 豊饒のシグナル/地下世界への導き、こころの鏡/いとおしいい希望 うさぎの存在を通して日本の伝統文化、近代、神話・物語を学ぶ |
第2回 | 第五章 辰—龍 想う、自然の精霊 激情を受けとめる/龍を失う/意味の方法 たつの存在を通して日本の伝統文化、近代、神話・物語を学ぶ |
第3回 | 第六章 巳−蛇 実をはかる生きた尺度 大地、海、空/いのちと環境/生きた尺度 へびの存在を通して日本の伝統文化、近代、神話・物語を学ぶ |
第4回 | 第七章 午−馬 近しい神の乗り物 日本馬の魂/時空を凝縮する/愛する理由 うまの存在を通して日本の伝統文化、近代、神話・物語を学ぶ |
第5回 | 第八章 未−羊 遠いあこがれ 羊の影/変換力をあこがれ/ひつじの謎 ひつじの存在を通して日本の伝統文化、近代、神話・物語を学ぶ |
第6回 | 第九章 申−猿 群れの誇り高い自由 近い親しさの畏敬/誇り高い自由/古代人の創造力の新鮮 さるの存在を通して日本の伝統文化、近代、神話・物語を学ぶ |
第7回 | 第十章 酉−鶏 個の、恋するプライド 勇敢な鶏の居るところ/たまご、ひよこ、恋するにわとり/神をも動かす声 にわとりの存在を通して日本の伝統文化、近代、神話・物語を学ぶ |
第8回 | 第十一章 戌−犬 伴侶力 ともに渡り、ともに生き抜く/会いたい、会えない想いを超えるとき/いつの日か花を咲かそうよ いぬの存在を通して日本の伝統文化、近代、神話・物語を学ぶ |
第9回 | 第十二章 亥−猪 独りで出会う野生 野生の猪に祈る/循環する亥/山の神としての猪 いのししの存在を通して日本の伝統文化、近代、神話・物語を学ぶ |
第10回 | 第三部 よみがえる時空と文化学 第一章 十二支の潜在力 第二章 世界の文化へ―未来の十二支 十二支の文化への深い影響についてさらに考察する 南方熊楠を中心に十二支文化の可能性について学ぶ |
第11回 | 第二章 世界の文化へ―未来の十二支(続き) 南方熊楠を中心に十二支文化の可能性について学ぶ |
第12回 | 第三章 文化学への関心 第五章 復活に気づく (「第四章 存在と超越性」は時間の余裕を見て選択的に取り上げる) 文化学の展望とその可能性について学ぶ 立春正月にかくされた深い文化の知恵について学び、文化の時空への深い洞察を得る |
第13回 | 後期の授業の到達目標に向けて、期末レポート提出直前のまとめ 第二部第四章から第三部までの学習内容で得た日本文化への新たな視座、知識のポイントをふりかえる |
第14回 | 講義のまとめ 一年を通じた学習を振り返り、自然、生きものを通じて学んだ日本文化の多様性と豊かさについて考察する |
第15回 | 期末レポートのテーマ発表・解説 *LMSオンデマンド形式による授業、第11回前後(12月上旬)に実施予定 |