担当者 | 濱田 陽教員紹介 | |
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単位・開講先 | 選択 2単位 [日本文化学科] | |
科目ナンバリング | PHE-101 |
スマートフォンで時間、空間を確認することが日常となり、AI(人工知能)が様々な分野に導入され、わたしたちの時間意識、空間認識にまで大きな影響を及ぼし始めている。いっぽう、人は川の流れや花の開花など自然や生きものからも、豊かな時間や空間の変化を感じ取ってきた。
本授業では、テクノロジーによってつくられる時空の仕組みに潜む思想を突きとめ、その「統一時空」との比較・対照により、逆に、生きものに特有な「生命の時空」、人に特有な「文化の時空」を明らかにしたい。さらに、新型ウイルスのパンデミック、人工知能等のテーマを広く深い視座から考察し、時空、名前、人生が本来多様であることを理解していく。これら一連の探求を通じて、生命と文化の時空という、新たな世界観を提示したい。
生命と文化と時空をめぐる世界観への多様な想像力を養い、講義内容をふまえて自身の思考を展開し、内容の深い考察をまとめる思考力、文章表現力を身につける。
授業参加、期末レポートにより総合評価
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | 『生なる死――よみがえる生命と文化の時空』 | 濱田陽 | ぷねうま舎、2021年 ※必ず大学内の書店等で購入して下さい。授業、期末レポート作成に必須、後期の近代思想Ⅱでも引き続き使用します。 |
教科書 | |||
参考文献 |
・教科書に沿って進むため(一回10頁分を目安)、次回授業で扱う予定の箇所を通読しておく。
・学修内容の理解や期末レポートの作成に役立つ予習課題を設けることがある。
・コロナなどの状況を考慮し、対面授業のなかでアプリ・ツイキャスも活用して、欠席時には授業内容をオンラインでリアルタイム、事後的に聴講できるようフォローアップを行うなど、多くの履修者が学修ペースをつかみやすくなるよう工夫、授業参加度も履修者の立場から、柔軟かつ公平に評価する。
・授業に沿って教科書本文の着目すべき箇所を自分の判断でマークし、気づいたことや考えを主体的にメモするなど(教科書に書き込んでもポストイットなどを用いてもよい)、少しずつ理解を深めていって欲しい。
・「7.授業内容」には教科書各章が割り振られているが、章によって分量の差があるため、じっさいの授業進行はある程度前後することがある。
・LMSオンライン上で重要情報はUPしていくため、対面授業前後にLMSの方も確認してほしい。
回 | 授業内容 |
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第1回 | 教科書と本講義について はじまりのはじまり |
第2回 | 第一章 存在と時空 一 わたしの時空 わたしにとっての関係性としての時空について学ぶ |
第3回 | 第一章 存在と時空 二 統一時空 現代世界を規定するテクノロジーの時空の仕組みを学ぶ |
第4回 | 第一章 存在と時空 三 人の時空と五つの存在 世界を理解する手がかりとして、自然、生きもの、人、つくられたもの、人知を超えるもの、の五つの存在に着目、考察する |
第5回 | 第二章 生命と文化の時空 一 ゆらぐリズムと変化する動き 二 生命の時空 生きものに特有の時空について学ぶ |
第6回 | 第二章 生命と文化の時空 三 文化の時空 人の文化に特有の時空について学ぶ |
第7回 | 第三章 人影の人工知能 一 デジタル・カオス 二 救い、幸せと人工知能 人工知能と人の関係性について学ぶ |
第8回 | 第三章 人影の人工知能 三 生死観、人間観のゆらぎと人影 人工知能と人の関係性について学ぶ |
第9回 | 第四章 生きとし生ける米 一 米をめぐる関係性 二 生命と文化の多様性 生きものとしての米と人の関係性について学ぶ |
第10回 | 第四章 生きとし生ける米 三 関係性の回復 生きものとしての米と人の関係性について学ぶ |
第11回 | 第五章 見えざる矛盾、新型ウイルス 一 新型ウイルスとメタファー メタファーについて考察する |
第12回 | 第五章 見えざる矛盾、新型ウイルス 二 動くメタファー『ペスト』 カミュの小説『ペスト』を読み解く |
第13回 | 第五章 見えざる矛盾、新型ウイルス 三 見えざる矛盾 新型ウイルスのメタファーについて考察する |
第14回 | 講義のまとめ 第一章から第五章を学ぶなかで得た新たな世界観について再考する |
第15回 | 期末レポートのテーマ発表・解説 *LMSオンデマンド形式による授業、第12回直後に実施予定 |