心理学概論
担当者草山 太一教員紹介
単位・開講先必修  2単位 [心理学科 2018年度以降]
科目ナンバリングPSY-101

授業の概要(ねらい)

 心理学は、心と行動の研究と定義されることがあり、心を客観的に記述することで、仕組みを解明することを目指している。心理的事象は日常において身近に生じている事柄であり、それらは当然のこととして半ば習慣化し、特に気にもとめられないままでいることが多い。また、常識として分かっていることが多く、勝手な推測をしがちである。多くの人が心理学を学ぶことで、心が分かるようになると考えるが、講義を受けただけですぐに理解できるほど心の働きは単純ではない。むしろ、心理学は、個人が考える心理学的な知識がいかに実際と異なっているかを明らかにしてきたとも言える。そのような意味において、心理学に対する一般的なイメージと、実際に講義で扱う内容に大きなギャップがあることに気が付く人は少なくないであろう。心理学の領域は広く、半期の授業で取り上げることができるテーマは限られている。しかし、初年次の配当科目という点から、既存の心理学概論には認められない新しい発想で、新たな対人関係を築く上で必要なコミュニケーションやストレス対処などを盛り込んでみる。講義を通して、事実に基づいて客観的に考え、判断する習慣を身につけ、各人が自分自身についての理解を少しでも深めることを狙いとしたい。

授業の到達目標

心理学及び諸科学の知識を修得し、説明できる。
①コミュニケーションの要素、言語的コミュニケーションと非言語的コミュニケーションについて説明できる。
②ストレス、ストレス・コーピングについて説明できる。
③パーソナリティ理論について説明できる。
④知覚の諸現象、知覚した世界と外界との対応関係について説明できる。
⑤脳、神経系について説明できる。
⑥ライフサイクルの各段階における心の発達の特徴を概説できる。
⑦動機づけの種類について説明できる。
⑧社会的促進や社会的手抜きなど、他者との関わりが個人にもたらす作用について説明できる。
⑨条件づけ、観察学習について説明できる。
⑩記憶の過程、分類、変容について説明できる。

成績評価の方法および基準

期末試験(80%)とレポート(20%)で評価する。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書
参考文献心理学概論 繁桝算男遠見書房
参考文献心理学概論岡市廣成、鈴木直人ナカニシヤ出版
参考文献心理学・入門 サトウタツヤ、渡邊芳之有斐閣アルマ

準備学修の内容

 授業日の前に、講義で扱うスライドを一部を資料としてLMSに掲示する。この資料に目を通して、事前に分からない語句や気になった内容を調べておくことが予習となる。また毎回の授業内容をきちんと理解するためにも、授業後は復習として、内容の振り返りを行い、LMSにまとめを提出する。

その他履修上の注意事項

広い視野で学ぼうという姿勢を持って、積極的に講義に参加することを期待します。欠席の扱いについては大学の規程に準拠します。
※2018年度以降の入学生には、公認心理師受験資格に必要な科目です。
 2017年度以前の入学生は、心理学科のホームページを参照してください。

授業内容

授業内容
第1回イントロダクション
授業目的、授業方法、成績評価について説明する。また、心理学はどのような学問であるかについて学ぶ。
第2回コミュニケーションと対人関係
コミュニケーションの構成要素、言語的コミュニケーションと非言語的コミュニケーションについて学ぶ。
第3回ストレスとその対処法
工学的ストレス、生理的ストレス、心理的ストレス、ストレス・コーピングについて学ぶ。
第4回パーソナリティ
パーソナリティの定義、パーソナリティの捉え方(類型論、特性論)について学ぶ。
第5回知覚
物理的世界と知覚、恒常現象、図と地、知覚の体制化について学ぶ。
第6回心の生物学的基盤
脳、神経細胞について学ぶ。
第7回心の発達
生涯発達、発達の臨界期・順序性について学ぶ。
第8回心理学の歴史と成り立ち
*オンラインで行う。
第9回動機づけ
動機づけの種類について学ぶ。
第10回社会的関係(他者との関わり)
社会的促進、社会的手抜き、集団への同調について学ぶ。
第11回学習(1)
刻印づけ、レスポンデント条件づけについて学ぶ。
第12回学習(2)
オペラント条件づけ、観察学習、条件づけの応用について学ぶ。
第13回記憶(1)
記憶の過程、記憶の種類について学ぶ。
第14回記憶(2)
忘却のメカニズム、記憶の変容について学ぶ。
第15回まとめ
期末試験を実施し、試験内容について解説する。