| 担当者 | 鷲尾 善典教員紹介 | |
|---|---|---|
| 単位・開講先 | 選択 2単位 [総合基礎科目] | |
| 科目ナンバリング | EDU-101 | |
本講義(教育学Ⅰ・教育学Ⅱ)では、「教育学を学ぶ」。(Ⅰ・Ⅱについては独立に受講することは可能である)。
まず、受講生一人ひとりにとって今、教育学を学ぶことの意味と意義を問うことから始める。
この問い方は主題的な問いを問う前にその根拠を問う(“そもそも”を問う)という意味で遡及的であり、その営みこそ「知を愛すること(philosophy)」としてきわめて「哲学的」である。
本講義(教育学Ⅰ・教育学Ⅱ)では、「教育学」を成立させている歴史的・普遍的根拠を探求する。
そこでは二つの柱があり、一つは「人間形成としての教育学」とその前提となるべき「他者理解(人間理解)としての教育学」である。
教育学Ⅰでは、歴史的な観点を取るため主に前者に比重を置く。
受講生の諸君が切り劈くべき未来には、解決困難なグローバルな問題が山積している。
そのような問題に対峙し解決してゆかねばならないのが我々人類であり一人ひとりの人間であるが、一方そもそもそのような問題を作り出しているのもの我々人類であり一人ひとりの人間である。
ならば問題に対峙するためにはまずそれを問題としている己自身(人間自身)を省みることが必要なのである。
「反省的」・「遡及的」という言葉をキーワードに人類の歴史から、また自らの歴史(自分史)から「教育学的」な知見を掘り起こしてほしい。
教育場面を含む日常生活において自分が体験したことや見聞したことから教育(学)的な見地において問題点を見つけることができ、それを追究していくことのできるいくつかの思想的な枠組みを持つこと。
平常点(授業内レポート課題の提出状況とその内容)40%、期末試験60%。
| 種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
|---|---|---|---|
| 教科書 | 教科書として特定のテキストを指定することはしない。参考図書は適宜紹介する。 | ||
| 参考文献 | スパルタとアテネ―古典古代のポリス社会 | 太田秀通 | 岩波書店 |
| 参考文献 | ソクラテスの弁明 | プラトン(著)、納富信留(翻訳) | 光文社 |
| 参考文献 | 国家(全2巻) | プラトン(著)、藤沢令夫(訳) | 岩波書店 |
| 参考文献 | エミール(全3巻) | ルソー(著)今野 一雄(訳) | 岩波書店 |
| 参考文献 | 民主主義と教育(全2巻) | デューイ(著)、 松野安男(訳) | 岩波書店 |
| 参考文献 | 脱学校の社会 | イヴァン・イリッチ(著)、東洋(訳)小澤周三(訳) | 東京創元社 |
配布する資料を読み、著者の主張の概要と、そこからまたは別の場所から触発された考え・感想について授業内で発言できるように準備しておくこと。
1.で述べた自覚・志・矜恃を持って講義に望んでほしい。それがあれば後はすべてついて来る。
| 回 | 授業内容 |
|---|---|
| 第1回 | オリエンテーション。 教育学を学ぶことの意味と意義。 |
| 第2回 | 教育をめぐる言葉について 言葉の語源的探求が開示する知見の可能性について。諸言語における語源的探究。 |
| 第3回 | 西洋教育史を学ぶ意義について 二重に迂遠なアプローチの意味 |
| 第4回 | 教育思想の源流(1) ソクラテス・プラトンの思想~対話法 |
| 第5回 | 教育思想の源流(2) ソクラテス・プラトンの思想~洞窟の比喩 |
| 第6回 | 教育思想の源流(3) ルソーの教育思想~子どもの発見と消極教育 |
| 第7回 | 教育思想の源流(4) ルソーの教育思想~消極教育 |
| 第8回 | 現代の教育思想(1) デューイ~教育と社会 |
| 第9回 | 現代の教育思想(2) オールタナティブ教育と脱学校論 |
| 第10回 | 高等教育と大学の誕生 |
| 第11回 | 子どものための哲学 マシュー・リップマンの理論と実践 |
| 第12回 | 子どもの存在への哲学的アプローチ 「子どもは哲学者である」という言葉の意味するところ |
| 第13回 | 諸外国の教育制度 |
| 第14回 | 現代教育の課題 |
| 第15回 | まとめと期末試験 |