担当者 | 李 永淑教員紹介, 久米 隼 | |
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単位・開講先 | 選択必修B 2単位 [社会学科] | |
科目ナンバリング | SWS-201 |
ソーシャルビジネスとは、ビジネスを手段としてさまざまな社会的課題の解決を試み、それらを通して新しい社会的価値を創出する取り組みです。
本学のある立川、八王子、多摩地域では、ソーシャルビジネスを展開する多くの社会的企業が活躍しています。
本授業では、本学近隣地域でソーシャルビジネスを展開している、社会的企業の皆様と連携してPBL型の授業を行うことにより、地域社会で活躍できる人材を育てることを目的としています。
PBLとは、Problem-based learning(課題解決型学習)もしくはProject-based learning(プロジェクト型学習)と呼ばれ、企業や地域、教員、もしくは学生が設定した課題や目標に対して、受講生たちがチームで取り組む教育手法です。PBLには、明確な答えがないため、受講生たちが自律的・主体的に取り組むことが必要不可欠です。
そして近年、コロナウイルス感染拡大の影響から、社会は否応が無く働き方を見直したり、修正することとなりました。
例えば、時間や場所に囚われることのないテレワークへの対応は、今後も必ず求められることになるでしょう。
このように、私たちは多様な働き方をしながら、職業人として自らの専門性を踏まえて自律的に動き、チームや多様なステークホルダーと協働して社会に貢献する付加価値を創造していくことが求められています。それは、帝京大学の教育理念である「自分流」の生き方を身に着けるための学びの機会が、社会的に一層求められているといえるでしょう。「自分流」とは、生き方の哲学そのもので、自分のなすべきこと、興味あることを見つけ出し、自分の生まれ持った個性を最大限生かすべく知識や技術を習得し、それを自分の力として行動し、その結果については自分自身が責任をもつことです。
そこで本授業では、本学近隣で活躍する社会的企業の協力を得ながら、対面に加えてオンライン上でもコミュニケーションをとりながらプロジェクト(Zoomによるオンラインイベント)を企画実施することで、消費者ではなく提供する側としての基本的なプロセスを実習形式で学びます。そして、プロジェクトの成功をともに考え、そのために必要なアクションについて、命令や権限に関係なく自分自身で、そして仲間と一緒に動き出すといった、「権限なき自然発生的なリーダーシップ(日向野・松岡 2017)」の開発を目指します。
前期は、後期の実習に向けた学習および準備を行います。前期授業の後半では、協働する社会的企業から審査員をお迎えし、企画案を発表します。
夏期休暇中はフィールドワーク(オンラインイベントへの参加とレポートおよび協働事業所への訪問)を予定しています。
後期は、前期に企画した内容をもとに、実施に向けて各企画チームが主体となって進めていきますが、プロジェクトの実施はクラス全員で行います。
・卒後、地域社会で発揮できるための論理的思考や協調性、職業意識を育成し、「自分流」の就業力につなげることができる。
・「ソーシャルビジネス」という概念を理論的・実践的側面から考え、理解し、行動につなげることができる。
・一連のカリキュラムを通して、「見る・聴く・体験する・議論する・調べる・企画する・提案する・交渉する・協働する・報告連絡相談する・発信する」ことを経験し、その力を具体的に身に付けながら、学びを深めることができる
・テレワークをはじめ、多様な働き方に対応する力を修得する。
・地域社会の課題と向き合い、その課題に向けた「自分流」のプロジェクトを企画立案することができる。
・「権限なき自然発生的なリーダーシップ」を開発する。
出席状況・クラスへの貢献・発表(20%)、課題(80%)を踏まえて、総合的に評価します。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | |||
参考文献 | 社会を変えたい人のためのソーシャルビジネス入門 | 駒崎弘樹 | PHP新書 |
参考文献 | 「増補版」大学教育アントレプレナーシップ いかにリーダーシップ教育を導入したか | 日向野幹也・松岡洋祐 | ブックウェイ |
参考文献 |
授業内で適宜指示します。
・本授業は前期・後期の通年科目であり、後期「ソーシャルビジネス実習」は、前期「ソーシャルビジネス実習基礎」を履修していることが受講の要件となります。したがって受講生は原則、通年で受講してください。
・ご協力いただく事業所の事情により、予定が変更となる場合があります。詳細は初回授業ガイダンスでお知らせします。
・実習科目であるため、原則8割以上の出席を求めます。
・実習授業という性質上、受講定員は25名程度を予定しています。希望者が定員を超えた場合は、「受講希望届」を踏まえて選抜を行います。
・学内外の多様な方々と進めていくという授業の性質上、「ホウレンソウ(報告・連絡・相談)」をしっかり行うことが求められます。卒業後の職業人にとって基本的な対応(返事をきちんと返す、人任せにしない、約束事は守る、困ったことは相談する、情報を共有する、等)ということを常に心がけてください。著しくできていない場合は、具体的な対応・対策を求めます。
回 | 授業内容 |
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第1回 | 授業ガイダンス テレワークのための基礎スキル:Zoom・Slack・Googleフォームの使い方と実践 |
第2回 | ソーシャルビジネスとリーダーシップについて学ぶ |
第3回 | 社会的課題とは何か?:ビブリオバトルを通じて学ぶ |
第4回 | ゲスト講義①:社会的企業について学ぶ |
第5回 | ゲスト講義②:社会的企業について学ぶ |
第6回 | ゲスト講義③:社会的企業について学ぶ |
第7回 | 企画の立て方について学ぶ①:概論と個人ワーク(企画のドラフト作成) ※LMSオンデマンド |
第8回 | 企画の立て方について学ぶ②:アイディア出しと企画のまとめ(グループワーク) |
第9回 | 企画の立て方について学ぶ③:グループワークと発表 |
第10回 | 1.プレゼンテーションと著作権の基礎について学ぶ 2.企画の立て方について学ぶ④:グループワークと発表 |
第11回 | 企画案のグループ発表とブラッシュアップ①:社会的企業から審査員をお招きして |
第12回 | 企画案のグループ発表とブラッシュアップ②:社会的企業から審査員をお招きして |
第13回 | 企画案のグループ発表とブラッシュアップ③:社会的企業から審査員をお招きして |
第14回 | チームワークとは何か?企画のエッセンスを言語化する:企画チームの確定とグループワーク |
第15回 | まとめと振り返り 夏のフィールドワークについて |