担当者 | 野本 敬教員紹介 | |
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単位・開講先 | 選択 2単位 [総合基礎科目] | |
科目ナンバリング | HSG-102 |
現実の中国の強大化と世界的な影響力の高まりに伴い政治的な中国脅威論が語られる一方で、かつて共有されていた「中国像」が描きにくくなっています。
この講義では前期に続き世界的な「中国とは何か」を問い直す潮流に対し中国国内から応答した著作を通じ、歴史・文化・政治の各側面からいま共有されるべき冷静な中国像について学びます。
歴史・近隣諸国との関係・中国と欧米との文化比較の側面から、「中国とは何か」という問題に対し歴史的文脈をふまえて説明できるようになることをめざします。
期末試験またはレポート(50%)及び平常点(50%)より評価します。平常点は単元毎のミニレポートなどより測定します。
評価に関わる課題については事前に評価観点や要求水準を提示し、LMS上や授業内で逐次解答例や解説を加える予定です。
種別 | 書名 | 著者・編者 | 発行所 |
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教科書 | 『完本 中国再考 領域・民族・文化』 | 葛兆光 | 岩波書店 |
参考文献 | 『中国は“中国”なのか 「宅茲中国」のイメージと現実』 | 葛兆光 | 東方書店 |
参考文献 | 講義は教科書の該当箇所を読むことを前提に、配付資料も使用しつつ進めます。さらに参照すべき文献についてはその都度紹介します。 授業理解の補助のために、中国史の概説書を準備、随時参照することを推奨します。詳細については授業開始時に指示します。 |
講義は教科書を事前に読んでいることを前提に行いますので、各回の該当箇所を予習しておいてください(30分~1時間程度)。
講義では内容理解に必要な予備知識は配付資料で補いながら解説しますが、必要に応じて概説書や提示された参考文献の関連部分にも目を通すなど授業時間外に復習が必要になります。(30分~1時間程度)
単元毎に理解度を測るミニレポートを課しますので学期トータルでの内容理解に繋がるよう講義内容の整理を行ってください(30分程度)。
具体的な要領については授業時に随時提示していきます。
この授業は前期・後期と連続する内容であるため、極力セットで履修ください。
配付資料は順次LMSに掲示していきますので適宜活用ください。
教室内では、脱帽、スマートフォンなど電子機器は使用を控え、私語を慎むなど講義の妨げにならないよう静粛にして下さい。
回 | 授業内容 |
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第1回 | イントロダクション |
第2回 | 第四章 歴史 はじめに/1 一体なにが「中国の」文化なのか/2 結局「中国」とはなにかという疑問 |
第3回 | 第四章 歴史 3 中国文化の融合と重層状態/4 漢民族文化を中国文化として再建する新たな伝統 |
第4回 | 第四章 歴史 5 多民族国家としての「中国」の特殊性再論/6 清末以降の西からの衝撃の下での中国文化の断続 |
第5回 | 第四章 歴史 結語 |
第6回 | 第五章 周辺 はじめに/1 17世紀以来しだいに遠ざかった中・日・朝/2 「朝天」から「燕行」へ |
第7回 | 第五章 周辺 3 誰が中華なのか/4 大清帝国 |
第8回 | 第五章 周辺 5 袂を分かつ |
第9回 | 中国における20世紀「民族主義」(オンライン) |
第10回 | 第六章 現実 はじめに/1 天下/2 伝統中国の「大一統」の理想と「文化主義」の戦略 |
第11回 | 第六章 現実 3 文化衝突の中の宗教的要因/4 苦悩する中国 |
第12回 | 第六章 現実 結論 |
第13回 | 終章 「何が中国か?」の思想史① |
第14回 | 終章 「何が中国か?」の思想史② |
第15回 | 終章 「何が中国か?」の思想史③ (進度・内容は適宜前後する場合がある) |