国際私法Ⅰ
担当者中村 江里加教員紹介
単位・開講先選択  2単位 [法律学科 2017年度以前]
科目ナンバリングILA-307

授業の概要(ねらい)

 本講義では、国際私法に関する専門的知識を身に着けることを目的としています。国際私法とは、国際結婚や国際取引などの国際的な法律関係が問題となった際に、①その事案について日本の裁判所で裁判することができるか、②どの国の法を適用するかといった問題を扱う分野です。つまり、国際化する社会において、国境を越えた法律関係、人間関係の問題を解決するためにどのようなルールが存在するのか、そのルールがどのように形成されてきたのかについて考える分野です。国際私法I では、この分野の全体像や基本的概念について学び、具体的な事案を参照しながら、国際的な要素を含む法律関係が裁判所においてどのように解決されるのかについて理解を深めます。

授業の到達目標

 (1)国際私法に関する専門的知識や考え方を習得する。
 (2)関係する条文の内容を理解し、具体的な事例においてどこの国の法律を適用するのか説明できる。
 (3)国際私法が私たちの生活にどのように関わっているのか理解する。(学生の皆さんが自ら疑問を持ち、理解を深める中で分析能力を養うことを期待します。)

成績評価の方法および基準

 (1)期末試験(60%)
 (2)授業内に行う2回のリアクションペーパー・論述課題提出(40%)
 成績上位を目指す学生などがいらっしゃれば、関連する時事問題などに関するプレゼンテーションを行っていただくことで、加点評価(最大10点)を行います。期末試験問題は第1回から第14回までの講義内容から出題し、知識・理解の定着を評価します。授業への貢献として、授業の中でリアクションペーパー・論述課題の提出を2回求めます。リアクションペーパー・論述課題を通して、皆さんの理解を確認し、疑問点を明らかにします。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書『国際関係私法入門(第4版)』松岡博編有斐閣
教科書
参考文献

準備学修の内容

 毎回の講義に関する教科書の該当部分を示しますので、それを確認し、自分がどういった点に興味を惹かれるか、どこが難しいと感じるかを意識しながら目を通してください。復習として、分からなかった点や疑問に思った点をノートに箇条書きにしてください。不明点・疑問点については授業後に質問するか、リアクションペーパーに記入してください。

その他履修上の注意事項

・配布資料、六法、教科書を必ず持ってきてください。 ※配布資料はLMS上で各自で印刷して持参してください(LMS上にある資料は配布しませんのでご了承ください)。
・試験当日は、配布資料、六法、手書きノートのみ持ち込み可とします。

授業内容

授業内容
第1回導入、準拠法の決定:性質決定
第2回準拠法の決定:連結点
第3回準拠法の決定:不統一法国
第4回準拠法の決定:反致
第5回準拠法の適用
第6回人・法人:自然人の能力(法適用通則法4条)
第7回人・法人:後見開始の審判等、失踪宣言(法適用通則法5条―6条)
第8回人・法人:法人
第9回契約:法律行為の成立及び効力(法適用通則法7条―9条)
第10回契約:法律行為の方式(法適用通則法10条)
第11回契約:消費者契約、労働契約の特例(法適用通則法11条ー12条)
第12回国際裁判管轄:総論(オンライン授業で行う。)
第13回国際裁判管轄:一般管轄原因、特別管轄原因
第14回外国判決の承認・執行
第15回期末試験、まとめ