産業論Ⅰ
担当者堀内 英次教員紹介
単位・開講先選択  2単位 [経済学科]
科目ナンバリングECP-209

授業の概要(ねらい)

 90年代以降急速に進展した経済のグローバル化は、日本企業の海外展開を急速に推し進め、その結果大きく進展した国際分業は、日本の産業構造に大きな影響を与えてきた。特に近年グローバル競争は激化しており、またデジタル化が急速に進展する中で、日本企業は韓国や中国などのアジア系企業、またグローバル展開の進む欧米企業との競争に苦戦し、その結果各産業はめまぐるしく変化を遂げている。グローバル化とデジタル化は、日本企業の国際競争に影響を与えるだけでなく、人々の暮らしにも、デジタル経済の進展、働き方の変化や格差の拡大などを通じて影響を与えつつある。
 本講義では、戦後から現在に至るまでの日本の産業構造の変遷を、企業の技術革新、産業政策、更に日本企業のグローバル化と国際分業の進展という観点から概観する。特に近年についてはグローバル化、デジタル化の影響に注目し、そのような大きな国際経済環境、技術環境の変化の中で、現在の日本企業や政府はどのような改革を行うべきか、日本の産業構造はどのように変化していくべきかを、諸外国の成功例とも比較しながら、考察する。

授業の到達目標

①様々な統計データを駆使することを通じて、戦後日本の経済発展を産業構造の転換という観点から把握できるようにする
②各産業が技術変化、国際分業、政府の政策などを通じどのように発展してきたか、その実態を把握し、比較分析する力を養う
③経済学的な観点から産業構造の変化を分析する力を修得する

成績評価の方法および基準

(1) 確認テスト(LMSにより毎回実施)(到達目標①②③) 50%
(2) 期末試験 (到達目標①②③)     50%

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書(2022)『グローバル化・デジタル革命のインパクト:日系電機の凋落と官民の改革』堀内英次中央経済社
参考文献

準備学修の内容

講義の教科書、および講義で随時紹介する関連図書を精読することが望ましい。

その他履修上の注意事項

 グローバル化、デジタル化が進む中で、日本や世界はどのような変化を遂げているのか、企業戦略、人々の暮らし、政府の役割はどう変わっていくのか。そのような日本の将来について関心がある学生に是非受講してほしい。
3年次に堀内の演習受講を考えている学生は、履修しておくと良い準備になる。

授業内容

授業内容
第1回 授業ガイダンス
第2回1.日本の産業分類
 1.1. 産業分類について
  1.1.1. 産業分類について
  1.1.2. 第一次産業
  1.1.3. 第二次産業
第3回  1.1.4. 第三次産業
第4回2.戦後の産業構造の転換
 2.1. 産業構造変化のメカニズム
  2.1.1. 高度成長期の構造変化
第5回  2.1.2. 石油ショック以降の構造変化
  2.2.3. プラザ合意後の構造変化
第6回  続き
  2.2.4. 90 年代以降の構造変化
第7回 2.3. 第三次産業の発展とサービス経済化
  2.3.1. 第三次産業の発展
  2.3.2. 第三次産業発展の要因
第8回3. 産業構造の変遷と企業の技術革新
 3.1. 1950 年代から70 年代
 3.2. 1980 年代
第9回 3.3. 90年代以降のグローバル化、デジタル化の影響
  3.3.1. デジタル化とモジュール化
  3.3.2 市場競争への影響
第10回  3.3.3. 欧米企業の復活とアジア企業の台頭
 
第11回4. 産業構造の変遷と国際分業
 4.1. プラザ合意までの貿易構造の変遷
 4.2. プラザ合意以降の変化
第12回 4.3. 経済のグローバル化の影響
第13回 4.4. グローバル競争の激化と新興国の台頭
第14回 4.5. グローバル経済の下での現在の日本の国際分業
第15回 総括と最終テスト