日本の産業Ⅱ
担当者武田 基秀教員紹介
単位・開講先選択  2単位 [経済学科]
科目ナンバリングECP-214

授業の概要(ねらい)

≪『商』の思想とノウハウ/日本の産業の発展の歴史と現在の姿(事例:総合商社及び各産業領域の革新企業)≫
 本授業は、産業・企業・ビジネスパーソンにとって基本的で大切なことを学習の対象にします。現代グローバル社会・組織を健全に運営し、又、その中で良く生きるための、重要な資産・ノウハウである『商』の思想とノウハウを勉強します。製造業も含め多くの企業経営は、健全性・成長戦略・サステイナビリティにおいて、『商』の良き思想とノウハウに頼っています。これを学習の対象とします。
将来、新たな事業を興すリーダーを目指す、また、家業の事業を継ぐ可能性がある学生はその準備のため、本講義の受講を特に薦めます。
 前期では、第一に、『商』の思想とノウハウとは何か、日本三大商人である近江商人の子弟教育の資料を視聴し学習します。第二に現代総合商社並びに各事業領域の代表企業を事例にして、そこから見える各産業領域の発展の歴史と現在の姿について学習しながら、それら産業の思想とノウハウを学習します。 第三に、日本の産業の発展に貢献する『商』の思想とノウハウについて、革新企業の事例を通して習得します。また、中間と最終にレポート課題があり、その一部の受講者によるプレゼンテーション、全体での討議がありますので積極的に取り組んでください。
 尚、ワークショップ :新コロナウイルスパンデミックの経験と分析 と その対応(『商』の思想とノウハウの観点で見る)も実施しますが、本講義の内容は、経済分析理論とデータを活用して経済の実態を説明できるようになる能力を身に着けることに資することができます。また、学生のみなさんの就職及びキャリア形成のためにも、そこで大切な自己形成の考え方とノウハウを学ぶことができます。

授業の到達目標

① 現代産業・企業を健全に運営するため、重要な考え方・知識である『商』の思想とノウハウを学習し、これを経営技術として説明ができること。
② 総合商社及び各産業の革新企業の事例学習から 『商』の思想とノウハウの観点でその取り組みと課題を理解し、各産業の現状とともに説明ができること。
③ 産業のビジネスモデルの変革の歴史と今後の動向を説明できること。
④ ワークショップ(新コロナウイルスパンデミックの経験と分析 と その対応(『商』の思想とノウハウの観点で見る))により、データ取得・動態分析並びに研究論文の作成の仕方について、基本的なノウハウを身につけ、自分の考えを説明できること。

成績評価の方法および基準

授業で提示する課題に対するレポートの提出結果及び最終レポートによる試験(40%)。授業での発表・ディスカッションへの積極的な参加と貢献(30%)。出席等授業態度にみられるdiscipline(訳注:決められたことをそれが辛かろうが妥協せずに実行する強い姿勢・自制心・自己鍛錬)(30%)。これらを総合して評価します。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書注)以下『私の履歴書』 関連資料は配布(コピー)乃至はLMS掲載をする予定
以下より、学習対象を各自決めて取り組む
教科書『私の履歴書経済人第17巻 吉田忠雄(YKK創業者)』 日本経済新聞編日本経済新聞
教科書私の履歴書『夢を力に』本田宗一郎著 (ホンダ創業者)日経ビジネス人文庫
教科書『私の履歴書 似鳥昭雄』似鳥昭雄著 (ニトリ創業者)日本経済新聞
教科書私の履歴書『経営はロマンだ』小倉昌男著(ヤマト運輸二代目社長)日本経済新聞
教科書『私の履歴書 横川きわむ』 横川きわむ著(スカイラーク創業者)日本経済新聞
教科書『私の履歴書 安部修二』 安部修二著(牛丼吉野家元社長)日本経済新聞
教科書『私の履歴書 鬼塚喜八郎』鬼塚喜八郎著(アシックス創業者)日本経済新聞
教科書『私の履歴書 豊田正一郎』豊田正一郎著(トヨタ元社長)日本経済新聞
教科書『私の履歴書 カルロス・ゴーン』カルロス・ゴーン著(日産元社長)日本経済新聞
教科書『私の履歴書 寺田千代乃』寺田千代乃著 (アート引越センター創業者)日本経済新聞
教科書『私の履歴書 インドネシア リッポーグループ創始者 モフタル・リアディ』モフタル・リアディ著日本経済新聞
教科書『私の履歴書 タイ サハ・グループ創始者 ブンヤシット・チョクワタナー 』 ブンヤシット・チョクワタナー著日本経済新聞
教科書『私の履歴書 タイ CPグループ創始者 タニン・チャラワノン 』タニン・チャラワノン著日本経済新聞
参考文献SoftBank World 2016,2017,2018,2019,2020,2021 (ネットで視聴可能)SoftBankSoftBank
参考文献World Economic Forum関連 (ネットで視聴可能)World Economic ForumWorld Economic Forum
参考文献『小説聖書 旧約篇』ウォルター・ワンゲリン著(徳間書店)

準備学修の内容

中間と最終のレポート課題は授業時間外の学習において積極的に取り組んでください。
各講義の配布資料は授業時間外の学習でもよく理解してください。

その他履修上の注意事項

講義資料を掲示しますので、LMSをよく見てください。
日本経済新聞を読むようにしてください。

授業内容

授業内容
第1回イントロダクション/日本の産業を支える企業の思想・企業価値形成・知識と技術
第2回総論1 『商』の形成・成長・進化・影響
 事例: 吉田忠雄(吉田工業創業者) 〈YKK〉の思想とノウハウ
第3回総論2 企業・産業の成長を科学する/成長動態分析について
 事例: ソフトバンク 孫正義の思想とノウハウ
 事例:: ユニクロ 柳井正の思想とノウハウ
第4回現場から その1:脳科学者が考える『人・組織』の特徴
第5回総論3 日本の産業の姿/思想・企業価値形成・知識と技術
 事例: トヨタ・本田・日産 それぞれの成長を支えた思想とノウハウ
 事例: カルロス・ゴーンと ルノー・日産 その思想とノウハウの相違
第6回『商』の思想とノウハウ 事例: ニトリ(小売業)、セブンイレブン/ローソン(小売業)
第7回現場から その2:『商』の思想とノウハウ/企業経営者(1)
第8回『商』の思想とノウハウ 事例: 吉野家(食)、スカイラーク(食)、アシックス(消費財)
第9回『商』の思想とノウハウ 事例: 米『シリコンバレー』、英国の『商』、ドイツ 『Hidden Champions』、、アジアの企業創業者
第10回『商』の思想とノウハウ 事例: 米 優良企業エマソン社と 日本 日本電産の成長
第11回現場から その3:『商』の思想とノウハウ/企業経営者(2)
第12回『商』の思想とノウハウ 事例: 医療産業/ 新コロナパンデミックに活躍した ビオンテック社 と モデルナ社
第13回『商』の思想とノウハウ 日本の産業の課題:グローバル化
第14回『商』の思想とノウハウ 日本の産業の課題:社会システムの変革
第15回『商』の思想とノウハウ (まとめ)