日本の産業Ⅰ
担当者武田 基秀教員紹介
単位・開講先選択  2単位 [経済学科]
科目ナンバリングECP-213

授業の概要(ねらい)

 ≪『商』の思想とノウハウ/日本の産業の発展の歴史と現在の姿(事例:総合商社及び各産業領域の革新企業)≫
 本授業は、産業・企業・ビジネスパーソンにとって基本的で大切なことを学習の対象にします。現代グローバル社会・組織を健全に運営し、又、その中で良く生きるための、重要な資産・ノウハウである『商』の思想とノウハウを勉強します。製造業も含め多くの企業経営は、健全性・成長戦略・サステイナビリティにおいて、『商』の良き思想とノウハウに頼っています。これを学習の対象とします。
将来、新たな事業を興すリーダーを目指す、また、家業の事業を継ぐ可能性がある学生はその準備のため、本講義の受講を特に薦めます。
 前期では、第一に、『商』の思想とノウハウとは何か、日本三大商人である近江商人の子弟教育の資料を視聴し学習します。第二に現代総合商社並びに各事業領域の代表企業をを事例にして、そこから見える各産業領域の発展の歴史と現在の姿について学習しながら、それら産業の思想とノウハウを学習します。 第三に、日本の産業の発展に貢献する『商』の思想とノウハウについて、革新企業の事例を通して習得します。また、中間と最終にレポート課題があり、その一部の受講者によるプレゼンテーション、全体での討議がありますので積極的に取り組んでください。
 尚、ワークショップ :新コロナウイルスパンデミックの経験と分析 と その対応(『商』の思想とノウハウの観点で見る)も実施しますが、本講義の内容は、経済分析理論とデータを活用して経済の実態を説明できるようになる能力を身に着けることに資することができます。また、学生のみなさんの就職及びキャリア形成のためにも、そこで大切な自己形成の考え方とノウハウを学ぶことができます。

授業の到達目標

① 現代産業・企業を健全に運営するため、重要な考え方・知識である『商』の思想とノウハウを学習し、これを経営技術として説明ができること。
② 総合商社及び各産業の革新企業の事例学習から 『商』の思想とノウハウの観点でその取り組みと課題を理解し、各産業の現状とともに説明ができること。
③ 産業のビジネスモデルの変革の歴史と今後の動向を説明できること。
④ ワークショップ(新コロナウイルスパンデミックの経験と分析 と その対応(『商』の思想とノウハウの観点で見る))により、データ取得・動態分析並びに研究論文の作成の仕方について、基本的なノウハウを身につけ、自分の考えを説明できること

成績評価の方法および基準

授業で提示する課題に対するレポートの提出結果及び最終レポートによる試験(40%)。
授業での発表・ディスカッションへの積極的な参加と貢献(30%)。
出席等授業態度にみられるdiscipline(訳注:決められたことをそれが辛かろうが妥協せずに実行する強い姿勢・自制心・自己鍛錬)(30%)。
これらを総合して評価します。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書『新・現代総合商社論』*資料配布乃至はLMS掲載予定三菱商事㈱編(早稲田大学出版部)
教科書『てんびんの詩』:授業で視聴予定)近江商人博物館(日本映像企画)
教科書『三菱商事考』(三菱商事作成、授業でコピー配布予定)三菱商事(株)人事部三菱商事(株)人事部
教科書『私の履歴書経済人第17巻 吉田忠雄(吉田工業創業者)』日本経済新聞編日本経済新聞出版社
教科書『新型コロナウイルスの科学』黒木登志夫中公新書2625
参考文献『近江商人の経営』 小倉榮一郎著(サンブライト出版)
参考文献『地上最強の商人』 オグ・マンディーノ著、稲盛和夫監修(日本経営合理化協会出版)
参考文献『小説聖書 旧約篇』 ウォルター・ワンゲリン著(徳間書店)
参考文献『SONY平井改革の1500日』日経産業新聞編、日本経済新聞出版社
参考文献SoftBank World 2016,2017,2018,2019,2020,2021 (ネットで視聴可能)SoftBankSoftBank
参考文献World Economic Forum関連 (ネットで視聴可能)World Economic ForumWorld Economic Forum

準備学修の内容

 2020・2021年の新コロナウイルスパンデミックの経験と学んだことについて、特別講義とワークショップを実施しますので、各自は事前に準備し中間課題レポートの提出を行い、企業経営・雇用への影響の観点で、データ動態分析・解析並びに自分の考えを発展させること。
中間と最終のレポート課題は授業時間外の学習において十分な取組みが必要です。
 各講義の配布資料は授業時間外の学習でもよく理解してください。

その他履修上の注意事項

講義資料を掲示しますので、LMSをよく見てください。
日本経済新聞を読むようにしてください。
日本には多くの商家・商人の貢献・遺産を展示している施設がありますので、機会を見つけ訪問し研究してみてください。

授業内容

授業内容
第1回イントロダクション/日本の産業の概要を理解する
第2回総論1 『商』の思想とノウハウとは何か理解する
事例: 近江商人 子弟教育 (1)
第3回総論2 『商』の形成・成長・進化の理解と動態分析の仕方を学ぶ
事例: 近江商人 子弟教育(2)
第4回ワークショップ その1:新コロナウイルスパンデミックの経験、分析及びその対応(『商』の思想とノウハウの観点で見る)と中間課題提示
第5回総論3 『商』の思想とノウハウの要点/科学者・経済学者・経営者などの優れた知性が語ること
事例: 吉田忠雄(吉田工業創業者) 〈YKK〉の思想とノウハウ
第6回総合商社と成長の動態分析とその『商』の思想とノウハウについての概説
機械・自動車産業と総合商社
化学産業と総合商社
第7回エネルギー産業と総合商社
食糧・食品産業と総合商社
第8回ワークショップ その2:新コロナウイルスパンデミックの経験と分析その対応(『商』の思想とノウハウの観点で見る) 中間課題講評
第9回情報・知識産業〈事例学習: ソフトバンク 孫正義 成長の軌跡とビジョン〉
第10回エレクトロニクス産業〈事例学習: ソニーのDNAと改革〉
第11回重工業メーカー〈事例学習: 東芝の苦境と日立・三菱〉
第12回サービス産業〈事例学習: ユニクロの革命〉
第13回現場から その3:  グローバルプレーヤーの経験から
第14回『商』の思想とノウハウ/思想・企業価値形成・知識と技術について
第15回日本の課題と『商』の思想・ノウハウ まとめ(討議と発表)