対人関係心理学Ⅱ
担当者敷島 千鶴教員紹介
単位・開講先選択  2単位 [心理学科 2018年度以降]
科目ナンバリングSOP-103

授業の概要(ねらい)

 人と人との間で生じる対人関係を集団や組織レベルで取り上げ、その諸相を態度、集団力学、集団意思決定という概念からアプローチする。古典的社会心理学の理論に接し、人は集団の中でどのような行動を取るのか、対人関係をマイクロ―マクロの関係から学修する。
 人は、なぜデモに参加するのか、なぜ言いくるめられてしまうのか、なぜ多数決を取るのか、なぜ独裁者のいうことを聞くのか、なぜ偉人は変人なのか、なぜみんなで話し合いたがるのか、なぜ王様は裸なのか、なぜ人種問題が生じるのか。授業を通して、こうした問いに対して、自分の言葉で説明ができるようになって欲しい。

授業の到達目標

 ① 社会心理領域の知識を習得し、その法則や理論を説明できる。
 ② 多様な人々と良好な関係を築くためのコミュニケーションスキルを活用できる。
 ③ 立場が異なる他者がかかえる心理学的課題を受容できる。

成績評価の方法および基準

 学期末試験(80%)と、課題レポート及び掲示板での発言(20%)によって評価する。
 学期末試験では、社会心理領域の知識をどの程度習得でき、法則や理論をどの程度自分の言葉で説明することができるかを問う。試験翌週の授業内で、試験問題の解説を行い、講評を行う。
 レポートでは、多様な人々と良好な関係を築くためのコミュニケーションスキルが活用できるか、立場が異なる他者がかかえる心理学的課題を受容できるかに関する問いを設ける。LMSでフィードバックを行う。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書 教科書は指定しない。資料プリントを配布し、LMSへアップロードする。
参考文献『複雑に挑む 社会心理学 適応エージェントとしての人間』 亀田達也・村田光二著有斐閣アルマ

準備学修の内容

 指定した論文を読み、わからない箇所は自分で調べてから授業に臨むことを求める。毎回の授業後は、配布資料をもとによく復習をし、下記「授業内容」に挙げた問いに対する説明を考え、自分の言葉でまとめておくこと。わからない箇所はLMS掲示板を使って質問して欲しい。

その他履修上の注意事項

 前期「対人関係心理学Ⅰ」が未履修であっても履修可能とする。心理学の初学者でも理解できるよう初歩的な内容を扱う。
 人数制限をすることがあるため、履修希望者は初回の授業に必ず出席すること。
 LMSの本科目サイト内に、授業に関する情報を掲載する。履修者は毎週アクセスすること。

授業内容

授業内容
第1回 ガイダンス
第2回 態度について学ぶ
 ―行動を準備する心とは何か
第3回 態度変容・説得について学ぶ
 ―なぜ人に動かされるのか
第4回 多数派の影響力について学ぶ
 ―いつ人になびくのか
第5回 権威への服従について学ぶ①
 ―なぜ人の言いなりになるのか
第6回 権威への服従について学ぶ②
 ―社会的役割か、個人の性格か
第7回 少数派の影響力について学ぶ
 ―いつ革新が起きるのか
第8回 集団意思決定について学ぶ①
 ―ひとりより、集団で考える方が結論は正しいか
第9回 集団意思決定について学ぶ②
 ―集団で考えることのメリットとは何か
第10回 <オンライン>
 集団意思決定に関する映画を視聴する⓵
 ―日本の裁判員制度から
第11回 集団意思決定に関する映画を視聴する②
 ―アメリカの陪審制度から
第12回 集団意思決定に関する映画を視聴する③
 ―アメリカの陪審制度から
第13回 偏見について学ぶ
 ―なぜ差別するのか
第14回 学期末試験 まとめ
第15回 試験問題の解説 総括