ヨーロッパ経済論Ⅱ
担当者比佐 優子教員紹介
単位・開講先選択  2単位 [経済学科]
科目ナンバリングECP-328

授業の概要(ねらい)

 国が変われば、制度・法律・政策・言語・文化なども異なる。「経済のグローバル化」という言葉も近年、良く使われるが、「国際化」との違いは「国境」の概念を重視するか否かにある。世界の国々が1つに統合されてしまえば、もはや「国際」という言葉は意味をなさない。しかし、依然として、経済活動においては国境が存在し、国を超えて人(労働者)の国境を越えた移動は規制・制限され、激しい管理下にある。このようななかで、ヨーロッパは前人未到の試みを行っている。欧州連合(EU)の誕生とその行く末は新たな経済システムの構築に向けての胎動である。
 ヨーロッパという言葉から何をイメージするだろうか。ヨーロッパのイメージはとても多様である。その理由はヨーロッパが長い歴史を持ち、かつ地球上の多くの地域に、長い間さまざまな面で大きな影響を与えてきたためであろう。太陽が沈まぬ国と言われるほど植民地帝国を維持してきたスペインとイギリス、フランス革命を通してナショナリズムが世界に拡大するきっかけを作ったフランス、第二次世界大戦で大きな惨禍をもたらし戦後東西に分かれ、1990年に統一したドイツ。ヨーロッパには世界に大きな影響を与えた国が数多く存在してきたのである。
 「ヨーロッパ経済Ⅱ」では、EUとEUを構成する主要国の紹介に重点を置いている。また新たにEUに加盟した国々、加盟を申請中の国、様々な角度から現代のヨーロッパ経済の動きをみることが現代のヨーロッパ経済の理解に不可欠であろう。 講義では、ドイツ、フランス、イギリスなどの経済及び文化について取り上げる。これらの国々の歴史的な関係と特徴を学んだうえで、南欧、北欧、東欧などの国についても知識を広げていく。その上で国境の枠を越えて移動する外国人労働者の問題、国際テロ、移民・難民、社会保障、多国籍企業、イギリスのEU離脱問題、新型コロナウィルスの影響などについて取り上げ多角的なヨーロッパ経済の理解を深める。

授業の到達目標

 ヨーロッパ経済に関して一国の歴史という枠を越えて、どのように経済システムが変容してきたのかについて歴史的・地域的に広く学ぶ。そして長期的なシステムの形成によって誕生したEUについての仕組みと諸問題について理解し、国際的知識と教養を身に着ができる。 後期はフランス、ドイツ、イギリスなど各国の経済、社会、文化、時事問題などの基本的事項を習得でき、ヨーロッパ全体およびEUの理解を深めることができる。

成績評価の方法および基準

  中間・期末に行うLMSを使用した試験、ほぼ毎回の簡単な小テスト、視聴覚教材をみての課題の提出によって総合評価を行う。そのため定期試験よりも通常の小テスト、課題の合計点の方が重要となります(いずれも最低合格点あり)。各種テストと視聴覚教材をみての課題は期間内に必ず提出すること。視聴覚教材、試験は教室で必ず受けること。講義形式、試験、小テスト、レポートなどについて変更する可能性があるのでLMSを必ず、毎回確認すること。詳細はガイダンスにて説明するので出席してください。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書(2018)『現代ヨーロッパ経済』第5版田中 素香・長部 重康・久保 広昌・岩田 健二(有斐閣)
教科書(2022)『現代ヨーロッパ経済』第6版田中 素香・長部 重康・久保 広昌・岩田 健二(有斐閣)
参考文献新型コロナ危機と欧州植田隆子文眞堂

準備学修の内容

 講義を通してヨーロッパの歴史、規範、現在の動きに関心を持ち、国際的な知識と教養を身に着けることを期待します。書籍、新聞記事、海外ドキュメンタリーなどヨーロッパ経済に関する記事や映像に目を通して、理解を深めてください

その他履修上の注意事項

ガイダンスは必ず出席してください。LMSを使用するので動作環境が整わない場合には履修は困難になります。テスト、小テスト、課題提出、質問はLMSを通じてのみです。 対面講義には必ず不織布マスクを着用のこと。マスクのないもの、布、ウレタンマスクは入室禁止です。(忘れた場合は配布しますが数に限りがあります)座席は指定の場合もあります。
 対面による質問は受け付けません。LMSの「質問はこちらに」とメールを利用してください。
 期末、中間テスト、毎回の簡単な小テストは必ず受けてください。課題提出は必須です。これらの提出と最低点に合格しなければ単位習得はできません。簡単ですがどの課題にも最低合格点あります。視聴覚教材使用の回、テストの回は必ず教室で受けてください。単位認定には不可欠です。
 教科書は改訂版が今年出版予定ですが、講義内容等は2018年版を主に使用しますが、最新のテーマ、情報、統計などは2022版を使用します。
 修正期間での履修には必ず連絡してください。修正期間中に行った小テストを受けてください。連絡、課題の提出ない場合は受講はできますが、単位の習得はできません。

授業内容

授業内容
第1回 授業ガイダンス:ヨーロッパとEU
第2回 各国経済(1)フランス
第3回 各国経済(2)フランスとEU
第4回 各国経済(3)フランスと移民・テロ問題(別途資料・視聴覚教材使用、課題あり)
第5回 各国経済(4)ドイツ経済
第6回 各国経済(5)ドイツ経済と経済政策
第7回 各国経済(6)ドイツと移民・難民問題(別途資料・視聴覚教材使用、課題あり)
第8回 フランス、ドイツのまとめと中間テスト(日程変更有 該当フォルダのLMS等を確認)
第9回 各国経済(8)イギリス経済:ジェントルマン資本主義
第10回 各国経済(9)イギリスの経済と経済政策
第11回 各国経済(10)イギリスとEUの関係:離脱問題(別途資料・視聴覚教材使用、課題あり)
第12回 各国経済(11)ギリシアの経済
第13回 ヨーロッパ・EUとは何か まとめと期末テスト(日程変更有 該当フォルダのLMS等を確認)
第14回 EUの課題のまとめ ギリシアとユーロ危機(別途資料・視聴覚教材使用、課題あり)
第15回 EUをめぐる最近の状況と課題(オンライン形式)