ヨーロッパ経済論Ⅰ
担当者比佐 優子教員紹介
単位・開講先選択  2単位 [経済学科]
科目ナンバリングECP-327

授業の概要(ねらい)

 国が変われば、制度・法律・政策・言語・文化なども異なる。「経済のグローバル化」という言葉も近年、良く使われるが、「国際化」との違いは「国境」の概念を重視するか否かにある。世界の国々が1つに統合されてしまえば、もはや「国際」という言葉は意味をなさない。しかし、依然として、経済活動においては国境が存在し、国を超えて人(労働者)の国境を越えた移動は規制・制限され、激しい管理下にある。このようななかで、ヨーロッパは前人未到の試みを行っている。欧州連合(EU)の誕生とその行く末は新たな経済システムの構築に向けての胎動である。
 ヨーロッパという言葉から何をイメージするだろうか。ヨーロッパのイメージはとても多様である。その理由はヨーロッパが長い歴史を持ち、かつ地球上の多くの地域に、長い間さまざまな面で大きな影響を与えてきたためであろう。
 さらにヨーロッパを理解するうえでEUの存在が不可欠である。EUは前例になるモデルが歴史上どこにも存在しない独自の制度で、東西冷戦崩壊後はその規模と機能を飛躍的に拡張している。しかし、近年はユーロ危機、イギリス離脱問題、テロ、移民問題と大きな問題を抱え、その転換点を迎えている。
 「ヨーロッパ経済Ⅰ」では、歴史的な背景や制度の説明に加えて、最新の問題をとりあげつつ、できる限りわかりやすく紹介する。21世紀以降、急速に市場が拡大したヨーロッパ経済における資金の動き、人の流れ国民国家について把握する。中世からEUの誕生に至る歴史から現在のシステムがいかにして誕生したのかについて取り上げる。「ヨーロッパ経済Ⅰ」と「ヨーロッパ経済Ⅱ」を通じて、EUとEUを構成する各国の経済の両方から現代のヨーロッパ経済の基礎的事項を習得する。

授業の到達目標

 ヨーロッパ経済に関して一国の歴史という枠を越えて、どのように経済システムが変容してきたのかについて歴史的・地域的に広く学ぶ。そして長期的なシステムの形成によって誕生したEUについての基本的事項を習得し、国際的知識と教養を身に着けることを目標とする。

成績評価の方法および基準

中間・期末に行うLMSを使用した試験、ほぼ毎回の簡単な小テスト、視聴覚教材をみての課題の提出によって総合評価を行います。そのため定期試験よりも通常の小テスト、課題の合計点の方が重要となります(いずれも最低合格点あり)。
各種テストと視聴覚教材をみての課題は期間内に必ず提出すること。視聴覚教材、試験は教室で必ず受けること。講義形式、試験、小テスト、レポートなどについて変更する可能性があるので毎回、必ずLMSを確認すること。詳細はガイダンス にて説明するので出席してください。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書(2013)『ヨーロッパ経済過去からの照射』改訂版朝倉 弘教・内田 日出海(勁草書房)
参考文献第5版(2018)『現代ヨーロッパ経済』田中 素香・長部 重康・久保 広昌・岩田 健二(有斐閣アルマ)
参考文献第6版(2022)『現代ヨーロッパ経済』田中 素香・長部 重康・久保 広昌・岩田 健二(有斐閣アルマ)

準備学修の内容

 ヨーロッパ各国の新型コロナウィルスの状況、地図、国名、人口、主要工業品と農作物(上位3)、一人当たりGDP、EU加盟年についてまとめる。

その他履修上の注意事項

 ガイダンスは必ず出席してください。LMSを使用するので動作環境が整わない場合には履修は困難になります。テスト、小テスト、課題提出、質問はLMSを通じてのみです。 対面講義には必ず不織布マスクを着用のこと。マスクのないもの、布、ウレタンマスクは入室禁止です。(忘れた場合は配布しますが数に限りがあります)座席は指定の場合もあります。対面による質問は受け付けません。LMSの「質問はこちらに」とメールを利用してください。
 期末、中間テスト、毎回の簡単な小テストは必ず受けてください。課題提出は必須です。これらの提出と最低点に合格しなければ単位習得はできません。簡単ですがどの課題にも最低合格点あります。視聴覚教材使用の回、テストの回は必ず教室で受けてください。単位認定には不可欠です。教科書、配布資料は必ず毎回講義に持参すること。
 修正期間での履修には必ず連絡してください。修正期間中に行った小テストを受けてください。連絡、課題の提出ない場合は受講はできますが、単位の習得はできません。
 講義は概ね以下のような内容を予定していますが、感染状況、また理解をより深めるため、内容や順序を見直す場合があります。

授業内容

授業内容
第1回 授業ガイダンス:ヨーロッパとEU
第2回 ヨーロッパの原風景:農村
第3回 ヨーロッパの原風景:都市
第4回 国民経済の胎動
第5回 産業革命とパックスブリタニカ
第6回 中世・近世のまとめ 中間テスト(日程変更有 該当フォルダのLMS等を確認)
第7回 近代以前の動力と生産性 風車の役割(別途資料・視聴覚教材使用)変更有
第8回 帝国主義
第9回 帝国主義と2つの大戦
第10回 大量兵器の開発(別途資料・視聴覚教材使用、課題あり)予定変更有
第11回 戦後世界秩序の構想と統合への道筋:共同体の基礎とEECの発展
第12回 戦後世界秩序の構想と統合への道筋:EUの誕生
第13回 ヨーロッパとは何かまとめと期末テスト(日程変更有 該当フォルダのLMS等を確認)
第14回 ヨーロッパ経済の過去と未来 (別途資料・視聴覚教材使用)予定変更有
第15回 ヨーロッパ経済の現状(オンライン 資料の配信は先行)