文化財の科学と保存Ⅱ
担当者金井 拓人教員紹介
単位・開講先選択  2単位 [史学科]
科目ナンバリングCAS-208

授業の概要(ねらい)

文化財を科学的側面から解析する手法を学び、文化財の取り扱い・保存・修復に活用できる知識の習得を目的とする。近年特に文化財分野と分析科学分野の学際的な協力が強まっており、人文系分野においても科学の基礎知識を習得しておくことで研究などの活動の幅を広げることができる。
本講義では(1)主に有機物の文化財を対象とした科学的側面と保存方法、(2)文化財の保存環境についての基礎知識の習得を目的とする。

授業の到達目標

(1) それぞれの文化財に対し、文化財の価値決定や保存修復における文化財科学の役割を説明できる能力を獲得する。
(2) 学習した知識をもとに、文化財の適切な保存方法について検討できる能力を獲得する。

成績評価の方法および基準

各回の学習状況を自己評価した小レポート(40%)と試験(60%)で評価する。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書
参考文献文化財分析 (分析化学実技シリーズ―応用分析編 7)日本分析化学会共立出版

準備学修の内容

文化庁の発行する文化財に関するパンフレット「未来に伝えよう文化財」(https://onl.la/YMx1FNq)を読み、日本の文化財保護に関する取り組みの概要を確認しておくこと。

その他履修上の注意事項

本講義は前期の「文化財の科学と保存I」から継続した内容となっており、「文化財の科学と保存I」を履修し文化財材料の基礎知識などについて学習したものとして講義内容を設定している。「文化財の科学と保存I」を履修した上で本講義を履修することが望ましい。

授業内容

授業内容
第1回ガイダンス:無機質文化財と有機質文化財
第2回衣服の文化と歴史
第3回染色の科学
第4回繊維と和紙:その歴史と科学
第5回木製品と漆の科学
第6回紙・木・漆製品の保存
第7回革製品の科学と保存
第8回伝統的工芸品とその材料
第9回有形民俗文化財の材料
第10回虫害・カビによる文化財の劣化とIPM(総合的有害生物管理)
第11回文化財保存施設の環境:公開承認施設
第12回遺跡・史跡のドキュメンテーションと保存
第13回無形文化財および選定保存技術の記録化と継承
第14回文化財を対象とした科学分析の総括
※オンライン授業にて実施予定
第15回試験および授業総括