日本文化講読(古典文学B)Ⅱ
担当者馬場 小百合教員紹介
単位・開講先選択  2単位 [日本文化学科]
科目ナンバリングJLT-218

授業の概要(ねらい)

 『古事記』を講読します。
 『古事記』はおよそ1300年前に成立した歴史書で、上・中・下の3巻からなります。ひらがなが誕生する前の時代に、すべて漢字で書かれたテキストですが、外国語としての漢文で書く『日本書紀』とは違って、『古事記』は漢字を用いて日本語を書くことを目指したものです。さらに『古事記』には100余首の歌が含まれ、物語の展開において大きな役割を担っています。
 この授業では、『古事記』の中でも特に歌を含んで成り立つ物語に着目し、様々な参考文献や学術論文も紹介しながら、『古事記』の叙述表現の特徴について解説し、物語を丁寧に読んでいきます。
 『古事記』の上巻はいわゆる神話的物語、中・下巻は神武天皇から推古天皇までの天皇の物語ですが、後期は中巻から下巻までの物語を対象とし、一年を通して『古事記』の物語の全体像をつかむことを目指します。

授業の到達目標

『古事記』やに関する背景知識や物語表現の特徴について理解する。
注釈書や参考文献などを自らの力で読解し、発展的に学習できる。

成績評価の方法および基準

小テスト(60%)と最終レポート(40%)によって評価します。
小テストはLMSを用いて行い、毎回の授業に関する問題を出題します。提出時に採点され、誤答にはフィードバックがなされます。
最終レポートは「①題意理解 ②論理構成、考察力 ③表現、文字の正確さ ④知識理解 ⑤遵守」の5項目をルーブリックにより評価します。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書『新版 古事記 現代語訳付き』中村啓信角川ソフィア文庫
参考文献授業時に紹介します。

準備学修の内容

辞書や注釈書を用いながら指定した範囲の『古事記』本文を読み、与えられた課題について考察してくる。

その他履修上の注意事項

 授業中の質問やコメントシート等を通じて、積極的な授業参加を求めます。

授業内容

授業内容
第1回『古事記』概説:ガイダンス、『古事記』上巻の復習 《講義》
第2回『古事記』講読:中巻(1):『古事記』中巻の構造、神武天皇――東征(1)
第3回『古事記』講読:中巻(2):神武天皇――東征(2)、多芸志美々命の変
第4回『古事記』講読:中巻(3):欠史八代、崇神天皇――初国を知らす天皇
第5回『古事記』講読:中巻(4):垂仁天皇――沙本毘古の反逆
第6回『古事記』講読:中巻(5):景行天皇――倭建命(ヤマトタケルノミコト)の物語(1)
第7回『古事記』講読:中巻(6):景行天皇――倭建命(ヤマトタケルノミコト)の物語(2)
第8回『古事記』講読:中巻(7):仲哀天皇――神功皇后の新羅親征
第9回『古事記』講読:中巻(8):応神天皇――大山守命の反乱
第10回『古事記』講読:下巻(1):『古事記』下巻の構造、仁徳天皇――「聖帝」の世
第11回『古事記』講読:下巻(2):履中天皇――墨江中王による反乱
第12回『古事記』講読:下巻(3):允恭天皇――軽太子と軽大郎女
第13回『古事記』講読:下巻(4):安康天皇――市辺之忍歯王の難、雄略天皇――女性たちとの関わり
第14回『古事記』講読:下巻(5):清寧天皇――袁祁王の「詠」
第15回『古事記』講読:下巻(6):顕宗天皇――置目の老媼
『古事記』中下巻のまとめ (オンライン) 《講義》