日本文化講読(古典文学B)Ⅰ
担当者馬場 小百合教員紹介
単位・開講先選択  2単位 [日本文化学科]
科目ナンバリングJLT-217

授業の概要(ねらい)

 『古事記』を講読します。
 『古事記』はおよそ1300年前に成立した歴史書で、上・中・下の3巻からなります。ひらがなが誕生する前の時代に、すべて漢字で書かれたテキストですが、外国語としての漢文で書く『日本書紀』とは違って、『古事記』は漢字を用いて日本語を書くことを目指したものです。さらに『古事記』には100余首の歌が含まれ、物語の展開において大きな役割を担っています。
 この授業では、『古事記』の中でも特に歌を含んで成り立つ物語に着目し、様々な参考文献や学術論文も紹介しながら、『古事記』の叙述表現の特徴について解説し、物語を丁寧に読んでいきます。
『古事記』の上巻はいわゆる神話的物語、中・下巻は神武天皇から推古天皇までの天皇の物語ですが、前期は上巻の物語を対象とし、一年を通して『古事記』の物語の全体像をつかむことを目指します。

授業の到達目標

『古事記』に関する背景知識や物語表現の特徴について理解する。
注釈書や参考文献などを自らの力で読解し、発展的に学習できる。

成績評価の方法および基準

小テスト(60%)と最終レポート(40%)によって評価します。
小テストはLMSを用いて行い、毎回の授業に関する問題を出題します。提出時に採点され、誤答にはフィードバックがなされます。
最終レポートは「①題意理解 ②論理構成、考察力 ③表現、文字の正確さ ④知識理解 ⑤遵守」の5項目をルーブリックにより評価します。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書『新版 古事記 現代語訳付き』中村啓信角川ソフィア文庫
教科書
参考文献授業時に紹介します。

準備学修の内容

辞書や注釈書を用いながら指定した範囲の『古事記』本文を読み、与えられた課題について考察してくる。

その他履修上の注意事項

授業中の質問やコメントシート等を通じて、積極的な授業参加を求める。

授業内容

授業内容
第1回『古事記』概説(1):ガイダンス、『古事記』撰録の歴史的背景 《講義》
第2回『古事記』概説(2):『古事記』と『日本書紀』の比較 《講義》
第3回『古事記』概説(3):音と訓、『古事記』の文字表記 《講義》
第4回『古事記』講読:上巻(1):特別な天つ神と神世七代 《講義》
第5回『古事記』講読:上巻(2):伊耶那岐(イザナキ)神と伊耶那美(イザナミ)神 《講義》
第6回『古事記』講読:上巻(3):天照大御神と須佐之男(スサノヲ)命 《講義》
第7回『古事記』講読:上巻(4):八俣の大蛇(ヤマタノヲロチ) 《講義》
第8回『古事記』講読:上巻(5):稲羽の素兎(イナバノシロウサギ) 《講義》
第9回『古事記』講読:上巻(6):根之堅洲国 《講義》
第10回『古事記』講読:上巻(7):八千矛神の歌物語 《講義》
第11回『古事記』講読:上巻(8):大国主神の国作り 《講義》
第12回『古事記』講読:上巻(9):国譲り、天孫降臨 《講義》
第13回『古事記』講読:上巻(10):木花之佐久夜毘売(コノハナノサクヤビメ) 《講義》
第14回『古事記』講読:上巻(11):日子穂穂手見命 《講義》
第15回『古事記』上巻のまとめ(オンライン) 《講義》