メディアコンテンツ制作実習基礎
担当者田島 悠来教員紹介
単位・開講先選択必修B  2単位 [社会学科]
科目ナンバリングSOC-207

授業の概要(ねらい)

本授業では、“「アイドル」をつくる”をテーマにし、「アイドル」や「ファン」(人)=メディア・コンテンツとみなし、学術的な視点から「アイドル」を研究した成果として、受講生自身が新しいオリジナルな「アイドル」をつくり、それらを披露する展示空間(メディア)の内容(コンテンツ)を生みだすことを目指します。まずは、これまでメディアを通じて形づくられてきた「アイドル」とそのファンの歴史や生態について研究・調査していくことを通して、メディア研究の手法を学びつつ、「アイドル」「ファン」「メディア」に関する基礎的な知識を蓄え、メディアコンテンツ制作のための基盤を整えていきます。
なお、2021年度(昨年度)は、「アイドルとファン」という展示会を担当教員(田島)のゼミ(3,4年生)と共催で本学博物館において実施し、800人を超える来場者を得ています。
今年度は、「アイドル」に留まらず、より幅広い対象を想定し「戦後日本の芸能とメディア史」をコンセプトに、本学博物館での展示会を後期に実施予定です。
授業のなかで、上記のコンセプトに沿い、なおかつ、それぞれの受講生の興味関心に基づいた研究・調査のテーマを設定していきますが、例えば、戦後の大衆娯楽雑誌(『明星(Myojo)』等)やテレビ情報誌(『TVガイド』等)を分析対象に、そのなかで、
・アイドルのイメージがどのように作られていったのか
・ファンとの関係がどのように築かれていったのか
・雑誌の役割がどのように変化していったのか
を実際の雑誌の記事や図像を読みながら探るというようなテーマ設定が考えられます。

以上を行うにあたり、次のような受講生を求めます。
・「戦後日本の芸能とメディア史」という内容に興味を持って主体的に取り組める
・図書館等の学外での実習・作業に参加可能である:例えば、都立多摩図書館、神保町
・過去の資料(雑誌や映像)に関心を持つことができる
・自身が何らかの「アイドル」や「アイドル」的な対象のファンである
・自分自身の特性を生かして「アイドル」的なふるまい(パフォーマンス)を行ってみたい:歌唱、ダンス、演技、PC等メディア機器やソフトの操作、図画工作等
・展示空間をつくり、社会的に発信していくことに興味がある
・博物館や図書館での仕事に関心を持っている
・社会学科の広報活動を活発化したい
・人を呼ぶための面白いアイデアを出す自信がある
・グループワークを行うことが好き、または、その能力を高めたい

授業の到達目標

「アイドル」「ファン」「メディア」に関する基礎的な知識を蓄える
メディア研究の手法を身につけることでメディアリテラシーを高める
自己の主体性をそれぞれに発揮しつつ他の受講生と協力して課題に取り組める

成績評価の方法および基準

 平常点50%:授業の参加度(積極的に発言できているか、担当教員や他の受講生とコミュニケーションがとれているか)
 課題発表50%:学期中に行う予定の発表とそれに付随するレポート(発表内容を文章化したもの)に対する評価

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書
参考文献『「アイドル」のメディア史:『明星』とヤングの70年代』田島悠来(2017)森話社

準備学修の内容

「アイドル」に関連するメディア・コンテンツを日常的に摂取することで、予習・復習にあてる。
グループによっては授業時間外に協力して計画的に作業を進める。

その他履修上の注意事項

(1)教室設備等の関係/今般の情勢に対応して希望者の人数によっては選抜を行う場合もあるため第1週の出席が必須となります。詳しくは「インフォメーション」で知らせる予定なので、必ず確認すること。(なお、シラバス入稿時には20名程度の受講者数を予定していますが、変更の可能性もあるため、第1週に参加し確認すること)
(2)複数の「メディアコンテンツ制作実習基礎」へ同時に応募することはできません。
(3)後期の「メディアコンテンツ制作実習(田島担当)」の受講を考えている人は、この実習基礎を必ず受講するようにしてください。後期の科目と連続して受講することを強制はしませんが、前期・後期共に受講することを想定して授業を構成しますし、選抜の際は共に受講予定の人を優先します。
(4)8割以上の出席(対面の場合は教室参加)が必須
(5)「メディア発達史Ⅰ」を同時に受講、または、過去に受講していることが望ましい。
なお、学期中少なくとも1度はオンライン授業を実施する(※便宜的に8回目を「オンライン形式」としているが、実際の日程等は受講生と相談の上決定する)。適宜LMSの「連絡事項」を活用することもあるので注意すること。

授業内容

授業内容
第1回オリエンテーション・ガイダンス:授業の進め方の説明(必要に応じて選抜のための課題についても説明)
第2回メディア研究の手法について①関連資料探索のためのデータベースの使い方や関連施設の利用方法の説明
第3回メディア研究の手法について②博物館での展示についての説明
第4回実習グループの決定:作業計画の立案
第5回グループワーク①関連施設での作業
第6回グループワーク②作業内容の整理
第7回グループワークの途中経過報告会
第8回アイドル制作パートについての説明(オンライン形式※)
第9回グループワーク③報告会を踏まえ関連施設での作業
第10回グループワーク④博物館の見学
第11回グループワーク⑤関連施設での作業のつづき
第12回グループワーク⑥作業結果の整理
第13回グループワーク⑦展示内容の整理
第14回グループワーク⑧展示会平面図(見取り図)の作成完了
第15回全体での総括報告会(担当教員、TA、博物館の学芸員参加予定)