開発社会学Ⅱ
担当者田宮  憲教員紹介
単位・開講先選択  2単位 [社会学科]
科目ナンバリングSOC-314

授業の概要(ねらい)

 この授業では、発展途上国の開発問題について、主に経済学的アプローチを用いながら解説します。しかし、開発問題には、純粋な経済学的アプローチだけでは解決困難な問題が山積しています。そこで、研究者や実務家が、発展途上国のどのような社会問題に注目し、具体的な解決策を探ろうとしているのか、その典型的な事例を解説し、開発問題への受講生の理解を深めたいと考えています。
 前期の「開発社会学Ⅰ」では、発展途上国の諸データから考えられる開発問題への多様なアプローチを整理し、戦後の開発問題の歴史的変遷および理論的展開を学修しました。また、このような基本事項の理解のもと、発展途上国における「経済開発戦略」としての貿易問題と対内直接投資の問題を検討しました。
 上記の学修を踏まえ、後期の「開発社会学II」では、具体的に以下のトピックスについて解説します。
(1)まず、発展途上国における人口問題について解説します。人口急増によって引き起こされるさまざまな経済的・社会的問題を整理します。
(2)発展途上国の都市化と都市の実態について解説します。経済が発展する段階で、農村から都市への労働移動の増加が起こり、都市部にさまざまな問題を引き起こします。その解決のために、どのようなアプローチが必要か、発展途上国の都市政策を具体的に検討します。
(3)発展途上国の農村問題について解説します。農業の実態と農村部の貧困について概観し、望ましい農村政策のあり方について検討します。
(4)最後に、開発援助に関わる諸問題について解説します。現代グローバル経済下において、発展途上国の開発問題は、ますます多様化、複雑化しています。そこで、1年間の学修の締めくくりとして、先進国の公的部門や民間部門が、発展途上国の諸問題の解決に果たす役割を、受講生のみなさんとともに検討したいと考えています。

授業の到達目標

 発展途上国が直面するさまざまな問題を整理し、開発問題に関わる政策・戦略の実践例の理解を学修目標とします。具体的には、この授業を受講することによって、受講生は、発展途上国が抱える「人口問題」、「都市問題」、「農村問題」、「開発援助に関わる諸問題」を理解し、説明できるようになります。

成績評価の方法および基準

(1)授業への主体的参加(各授業におけるリフレクション・ノート等の提出) 50%
(2)テストまたはラーニング・ポートフォリオ(学修実践記録)の作成    50%

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書経済開発のエッセンス辻 忠博創成社
参考文献現代開発経済入門 陸 亦群 ほか文眞堂

準備学修の内容

教科書および「板書」をもとに自ら作成したノート等により、予習・復習を行ってください。各授業で、教科書の参照個所、学修範囲などを具体的に指示します。

その他履修上の注意事項

 後期は、前期の基本的な学修をもとに、具体的なケースを扱いますので、後期から参加する受講生及び前期に開発社会学の単位を取得できなかった受講生は、教科書の熟読等、相当の準備が必要になります。また、出席不良の受講生は、単位を取得できません。この点、しっかりと認識して、授業に臨んでください。

授業内容

授業内容
第1回オリエンテーション及びアンケート
前期の学修範囲の復習
第2回後期で扱う学修内容の説明
第3回経済発展と人口問題
第4回経済発展と都市問題(1)
第5回経済発展と都市問題(2)
第6回経済発展と農村問題(1)
第7回経済発展と農村問題(2)
第8回経済発展と開発援助(1)
第9回経済発展と開発援助(2)
第10回現代グローバル経済下における開発問題の整理
第11回現代グローバル経済下における開発問題(1)
第12回現代グローバル経済下における開発問題(2)
第13回ラーニング・ポートフォリオ(学修実践記録)の作成、あるいは簡単なテストの実施。
第14回後期授業の総まとめ
第15回オンライン授業(LMSによるオンデマンド方式)で実施
重要な学修事項の再確認