民法総論Ⅰ
担当者渡邊  貴教員紹介
単位・開講先必修  2単位 [法律学科 2018年度以降]
科目ナンバリングCIL-101

授業の概要(ねらい)

民法は、私⼈間の法律関係について、紛争解決のための基準や、我々市民の行うべき基本的な⾏為規範を設定しています。
本講義では、民法典がどのような特徴や構造を有しているのかを学んだ上で、民法総則の規定している具体的な制度についての設例や判例の検討を通じて、法的な知識、体系的・論理的思考能⼒、具体的な紛争解決能⼒を⾝につけることを目指します。特にこの授業では、民法総則の前半を扱うこととします。

授業の到達目標

<知識・理解>
民法総則に関する基本的な制度やルールの内容に関する正確な知識を身につけるとともに、法的な思考方法とはどのようなものであるかを理解する。
<思考・判断・表現>
講義で説明した法的な制度や概念を用いることによって、実際に生じうる民事上の紛争をどのように解決することができるかを考え、それを論理的に説明できるようになる。
<態度>
講義で解説する制度あるいは民法そのものが、社会において生じている様々な問題とどのように関係するのか、という点について主体的に考察できるようになる。

成績評価の方法および基準

学期末に実施する試験の結果(80%)を中心に、平常点(20%。授業内で実施するリアクションペーパーや小テストの結果)も加味して最終的な成績評価を行います。

教科書・参考文献

種別書名著者・編者発行所
教科書『⺠法I 総則』⼭本敬三監修 ⾹川 崇・⽵中悟⼈・⼭城⼀真著有斐閣
参考文献『START UP ⺠法①判例30! 総則』原⽥昌和・秋⼭靖浩・⼭⼝敬介有斐閣
参考文献『民法総則〔第2版〕』原⽥昌和・寺川永・𠮷永一行日本評論社 ※ 上の教科書の代わりに使用しても良い

準備学修の内容

授業⽇の前日までに担当者作成のレジュメを配布します(授業は基本的にこのレジュメに即して行います)。教科書の該当箇所と併せて予め読んできた上で、わからなかった箇所や疑問に思った箇所を事前にまとめた上で授業に臨んでください。

その他履修上の注意事項

民法は範囲も広く、また内容も一見複雑に見えるものも多いことから、初めて勉強をする人には難しく思える部分も少なくないかもしれません。とりわけ民法総論・総則と呼ばれる領域は、抽象的な議論も多いため、初めて学ぶ人にとって理解が難しい部分も多いと思います。
しかし、民法は社会で生きていく上で必要不可欠な基本的なルールや考え方を示しています。本授業では、初めて民法を学ぶ人でもきちんと理解できるように身近な具体例も挙げながら丁寧に説明をしていきたいと思いますので、学ぶ意欲のある方の履修を歓迎します。
なお、授業には必ず六法(小型のもので可)を持参してください。

授業内容

授業内容
第1回ガイダンス(授業の全体像、進め方、教科書、参考書等について)
第2回⺠法の位置づけ・特徴、民法典全体の概観、⺠法総則の意義(教科書1−14)
第3回権利能⼒(教科書20−33)
第4回意思能力、行為能力①(後見制度の概要)(教科書34−43)
第5回行為能力②(成年後見制度、制限行為能力)(教科書44−51)
第6回法律行為①(意思表示・法律行為とは何か)(教科書76−84)
第7回法律行為②(法律行為の原則)、⼼裡留保(教科書84−94)
第8回虚偽表⽰(教科書94−105)
第9回94条2項の類推適用の法理(教科書105−113)
第10回錯誤(教科書114−130)
第11回詐欺・強迫①(詐欺・強迫の要件・効果)(教科書131−151)
第12回詐欺・強迫②(詐欺・強迫と第三者・消費者契約法)(教科書131−151)
第13回法律⾏為の内容規制(教科書152−164)
第14回無効・取消し(教科書165−182)
第15回授業のまとめ